「生きているいのち」から、「生かされているいのち」へ 【お盆を迎える】
▼音声でもお聞きいただけます
お盆は、先に往かれた大切な方への思いが高まる季節です。
父母、祖父母はじめ、これまでに多くの方が、奇跡のような出会いと、いのちを紡いできたからこそ、我々は今ここにいます。
過去の一人一人の行動のどれか一つでも違っていれば、今ここに我々はいません。そしてその行動には、次世代へいのちや思いをつないでいこうとする願いも込められてもいます。
連綿と紡がれてきたいのちの縦の糸と、同時代を共に生きている横の糸とが交わる今この一点に自分という存在があります。
過去・現在・未来、そして周囲に思いを広げてみると、自分が生きているというには、あまりにも多くの存在と要素とが絡まり合い、自分が成立していることに気付かされます。こうしたことを実感する時に、人は昔から「生かされている」と、このいのちを表現してきました。
そして、人生で思い通りにならないことを数多く経験するからこそ、何気ない日々のありがたさや、身近なことに幸せを実感する方もおられることでしょう。限られた時間の中で、日々の行動や言葉がけなど、一つ一つに感謝や恩返し、恩送りを込めて過ごしていくことで、それが生きる喜びにもなり、その喜びが周囲にも伝播します。
いのちの尊さや、自利利他の生き方について考えさせられるのも、お盆ならではかもしれません。新型コロナウイルスや自然災害など、大変な中にありますが、今年もお盆を迎えられることに感謝しつつ、手を合わせてまいります。
合掌
福岡県糟屋郡 信行寺(浄土真宗本願寺派)
神崎修生
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