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◉海洋散骨の見学に行ってきました【お寺の日々#190】

遺骨関連の事業をおこなわれている有限会社縁さんとのご縁で、福岡の姪浜渡船場より出航する船に同乗し、「海洋散骨」を見学させていただきました。

◆海洋散骨のご相談

以前、信行寺の門信徒の方で、海への散骨を希望された方がおられました。

ご本人が亡くなられた後、中陰のお参り(四十九日までの七日毎のお参り)の際に、ご遺族からご相談がありました。

亡くなられたご本人は、「自分の骨を全て海へまいてほしい」と希望されていたとのことでした。

しかしご遺族は、「本当に手元にお骨が残らなくて良いのだろうか」と悩んでおられました。

「本人の希望をかなえてあげたい」という気持ちと、「お骨がないと、手を合わせる場所、思いを寄せる場所がなくなってしまうのではないか」との思いで、ご遺族は葛藤しておられました。

何回かご相談を伺ううちに、そのご遺族は、お骨を全て散骨するのではなく、納骨をして残し、一部の遺骨を海へ散骨するという形を選ばれました。

それからしばらく経ちましたが、「あの時、全て散骨をせずに、お骨を残しておいて良かったです」と、その方はおっしゃっています。

散骨するしないに関わらず、ご遺族が長期的に後悔が少なく、良かったと思える方法を選択できたことが良かったと感じました。

◆ 供養事の相談窓口

供養事に関して、ご遺族が長期的に後悔が少なく、良かったと思える方法を選択できるか。

これはとても大事なことだと思います。

そして、それが可能になるには、供養事に関して、ご遺族が安心して相談できる場所があることも大事な点です。

相談を通して、ご遺族の思いや、どうしたら良いのかが段々と明確になり、後悔の少ない選択につながります。

本来、お寺がそうした供養事の相談窓口になれるのが理想的だと思います。

ただそれには、お寺も知識をもっておくことが必要です。

こうしたことから、「海洋散骨」についても、体験をして知っておく必要性を感じていました。

「海洋散骨」を体験して、その良さと課題とを知っておくことで、お寺にご相談があった時に、ご遺族がより良い判断をしていただくための一助となるのではないかと思います。

そしてもし、ご遺族が「海洋散骨」をご希望になった時に、「どこかを探されると良いですよ」と流すのではなく、信頼できる専門家の方を、お寺から紹介できるようなワンストップの体制を整えておけると、さらに良いと思います。

そうした課題意識があり、今回機会があって、「海洋散骨」をおこなう船に同乗させていただくことになりました。

◆長期的に良かったと思えるか

有限会社縁さんは、ご遺族に長期的に良かったと思っていただけることを大事にし、散骨についても丁寧に話を伺いながら進めておられるそうです。

亡くなられた方との思い出が深い方には、散骨をする場合でも、お骨を残しておくことも推奨されています。

▼teraumi てらうみ
https://www.teraumi.com

全てのお骨を散骨してしまうと、お骨はもう戻ってこず、ずっと後悔し続けることもあるからです。

供養事に関して、ご遺族が長期的に後悔が少なく、良かったと思える方法を選択できるか。

これはとても大事なことだと思います。

そして、それを可能にしていくには、そのような選択をご遺族にしてほしいという思いをもった相談先があることが、とても大事だと思います。

続く

2024.05.08(水)記す


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【信行寺 今後の催し】
◉永代経法要
・5月17日(金)、18日(土)13時30分~15時頃
・内容:読経・講演
・講師:尾角光美さん(一般社団法人リヴオン代表理事)

◉オンラインお寺参り
・5月25日(土)午前7時~約30分間
・内容:読経・法話

◉朝参り
・6月9日(日)午前8時〜約30分
・内容:読経・ストレッチ・法話

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