名前の由来


高橋という名前は、本名ではない。これは遥か昔の記事でも語ったことだが、敬愛するギタリストの名字をいただいたものだ。正直なところ、本名もそう遠くはない。「あれ、お前の名字、高橋だったっけ」と言われるくらいには近い。

そして本題だが、下の名前が正直あまり好きではない。綺麗な響きの名前だとは思うが、漢字が独特であるせいで、かなりの度合いで間違われる。同音異字の俳優やらが多いせいで、年賀状や手紙はそちらの漢字で来ることも多い。それが嫌で、高校時代はひらがなで名前を書いていた。だから、私の名前の漢字を知っている人間は本当に数少ない。
下の名前二文字の漢字には、ひとつにさんずいが含まれている。名前の由来はなんだったか。確か、絶えず流れる河のように、おだやかに。そんな意味合いが込められていたと思う。しかし漢字にたいした理由はなかったはずだ。そのせいで小学校の課題であった自分の名前の由来を調べましょう、という授業では苦労した。ありもしない由来を適当に並べ連ねては、発表させてられていた記憶がある。
それが今となってはどうだ。決して穏やかではないし、おまけに名前も間違えられてしまう始末だ。親を恨んでいるわけではないが、もう少し別の漢字を使っていてくれたらな、とは思う。

ここまで読んでいる物好きも数少ないと思うので名乗ってしまうが、私の名前は「さき」という。漢字はありふれてはいない。同姓同名を探すのは少し面倒なくらいだ。登録してはいないがおそらくFacebookやらに登録したら私くらいしか見つからないのだろうな、という文字を書く。私はそれも嫌だった。なので父親の名前から一文字いただいて、「き」という文字は樹という漢字を使っている。こうすることでかなり、間違えられにくくなる。もちろん役所に届けるような書類は本名の漢字で書かなくてはならないのだけれど。

二十一年前に私が産まれたとき、両親は私の名前を瑞樹、もしくは夢子という名前にしようとしていたらしい。そちらの方がよかったのではないかと思うが、今となっては仕方のないことだ。せめて漢字くらい改名できたらな、と思う。

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