スナックで働き始めた


キャバクラを
3ヶ月で辞めた。辞めさせられたというべきか。今年1月のことだった。

同期で入った女の子二人に嵌められ、これは見事にまあクビになってしまった。自分の客を取られたとか、私のことが気に食わなかったとか。まあ理由なんて何でもいい。とにかくクビになった。稼ぎのいい店だったのに、そこだけは少し残念だ。まあ客も大してついていなかったからいいのだけれど。


というわけで2ヶ月ほどニートをした。その間にオカマバーにハマった。どこか居場所が欲しかったのかもしれない。場末だが90分飲み放題で3000円、オカマのママは私の話を聞いてくれる。お通しはうまい。というわけで私は見事、家から一時間のオカマバーにハマって週2回ほどは飲みに行っていた。


そこであるおっちゃんと出会った。常にビールを飲んでクダを巻いているようなおっちゃんだった。何度か顔を合わせて仲良くなった時、ふとそのおっちゃんに告げてみた。

「仕事を探している」

と。

そこからはまああっという間だった。おっちゃんはすぐに行きつけの(というかたまにお通しを作っているらしい)スナックのママに連絡しては、次の日に面接の予定を取り付けてくれた。


翌日のこと。面接、というか身分証を出したらすぐに働くことができた。両親より少し年上のママ、面倒見が良くて優しい。

働き始めてから何回かやらかしてはいるが(大抵酒)まあまだ見捨てられてはいない。たまに厳しいことを言われることはあるけれど。

できる手伝いはすべてやっているつもりだし、なるべくママの心配にならないようにもしている。休みは週3。自分とは思えないくらい健全な暮らしをしていて、今までの労働はいったい何だったのだろうと馬鹿らしくなってしまった。確かに時給は安いが、こんなにストレスを感じなくて鬱にならなくてもいい職場があるのか。

正直、自分でも驚いている。あんなに忌々しかった出勤が、今では楽しみに変わっているのだ。早く仕事にならないかなとそわそわしては、たまにお客さんを連れて行ってカウンターの内側で酒を飲む。触られることもない。尊厳を穢されることもない。酒を作って、飲んで、終電で帰る。


というわけで今は場末のスナックに落ち着いた。私の他に週末働く女の子がいるが、その子とも仲良くやっている。

これからも飲みすぎないように、ひっそりと、場末のスナックで生きていけたらと思う。


生存報告でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?