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2024年5月に読んだ本(9冊)

1〜4月に読んだ本はこちら👇

1月から数えて36冊になった。

これが生活なのかしらん

読みはじめたキッカケ

この動画で小原晩さんの存在を知った。

とりあえず最新作『これが生活なのかしらん』のKindle版を購入。
読みはじめるまで、小原晩さんは「晩」という名前から男性だと思い込んでいた。女性だった。

あぁ、評判通りのおもしろさだなぁとか、言葉の使い方うますぎるなぁとか思いながらほぼ一気読み。

読み終わってから検索してみたら、なんと堂々と顔を晒していることを知った。
文章からイメージしていた女性の雰囲気とのズレが少なくて、また驚いた。

Bestパンチライン

私はもう一杯くらい食べれるなあと思いながら、お腹をさすって歩いていると、ふと恋人が「もう一軒いく?」と言った。

えっ、と思う。君、少食なのに。大丈夫なの。食べれるの。ていうか、なにそれ。そんなのありなの。ラーメン屋をはしごする恋人って、ラーメンを二杯食べるロマンスって、ありなの...

これが生活なのかしらん

ここで唐揚げ弁当を食べないでください

読みはじめたキッカケ

前述の『これが生活なのかしらん』を読み終えたあと、やっぱり処女作を読みたいなと思った。多くのネットショップで売り切れていたが、なんとか1冊見つけることができた。

こちらも噂通りのおもしろさ。読み手にスイスイ文字を読ませる“何か”が、小原さんの文章にはあるのだろう。自分に言語化するチカラがないのが残念だ。

Bestパンチライン

果てしなく広いローソンに兄と妹の「あ?」「あ?」「あ?」「あ?」が、響き渡る。

「あ」「あ」「あ」「あ」「あ」「あ」「あ」「あ」「あ」

果てしなく広いローソンが「あ」で埋め尽くされた頃、兄も落ち着いてきたのか、「公園行って話すか……」と言い始めた。

ここで唐揚げ弁当を食べないでください

成瀬は天下を取りにいく

読みはじめたキッカケ

Audibleを再開した。いつの間にか、「あらゆる本が聴き放題」の仕様に変わっていた。自分が以前使っていたころは違った。月額費用を払うと、「好きな作品を1冊だけ月額費用分で聴ける」という仕様だった。

絶対「聴き放題」の方がお得だ。最高だと思って、最近本屋に行くたびに目にしていた「成瀬」の本を聴き始めた。

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200歳まで生きるためには、与えられたリソースを大事にしなければならない。

成瀬は天下を取りにいく

生きるとか死ぬとか父親とか

読みはじめたキッカケ

もともと『OVER THE SUN』のリスナーな妻と私。数ヵ月前にNETFLIXを解約する際、妻から「スーさんの『生きるとか死ぬとか父親とか』観てから解約したら?」と言われていた。

結局、観る時間をつくれないまま解約していたので、原作本を読んでみることにした。

読みきったあとで、感想を妻に伝えたら、このMVを紹介してくれた。NETFLIX版『生きるとか死ぬとか父親とか』の主題歌だそうだ。

曲のよさはもちろん、導入部分がラジオ好きにはたまらない。

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「俺は最近、ドナルド・トランプに励まされているんだ。」
〜中略〜
「あいつは4度も破産してるだろう。それでも毎度毎度立ち上がってきたんだ。すごいよなぁ。」
トランプの政治手腕や問題発言にはまるで興味がないようだ。

生きるとか死ぬとか父親とか

路傍のフジイ

読みはじめたキッカケ

SNS上に流れてきた広告で知って、Kindleで試し読み。面白そうだったのでそのままKindle版を購入。最新巻の2巻まで一気に読んだ。

※この『⚪︎月に読んだ本』のnote記事では、漫画本は「全巻読んだら1冊としてカウント」としています。

数日前に読み終わっていた『成瀬は天下を取りにいく』の成瀬とリンクするようなフジイの言動や雰囲気があり、社会が“ブレない信念と価値観を持った人”を求めているのかも知れないと感じさせた。

Bestパンチライン

全員の望みが叶うことは無理かもしれません。
でも、幸せに生きることは可能じゃないでしょうか。

路傍のフジイ1巻

なぜ働いていると本が読めなくなるのか

読みはじめたキッカケ

5月のGWあたりに近所の大きめの本屋に行った時、『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が品切れになっていた。

「本が読めないことを書いた本が、品切れになっていて読めない」という事象が面白くて、妙に頭に残った。

その数日後に、偶然この動画を観た。動画の中で語られている内容があまりにもおもしろくてKindle版をその場で購入。勢いに任せて読みはじめた。

今年読んだ30冊超の本の中で、最も興味深く、最も共感しながら読んだ本かもしれない。

前半の労働史&ベストセラー史のインプットを経て、後半に筆者が展開する論の的確さと共感度合いの高さに、ひたすら気持ちよさを感じながら完読した。

Bestパンチライン

政治を信じられる時代は、民衆も社会参加できる、という実感に支えられている。その実感は、1960年に成立した池田勇人内閣が「所得倍増計画」という名のもとに、国民の関心を政治から経済へ移してもなお残る、「政治」的な感覚だっただろう。社会に個人が参加しているという感覚がその根幹にはあったからだ。  

しかし一方で、1990年代以降に起こった変化は、社会と自分を切断する。仕事を頑張っても、日本は成長しないし、社会は変わらない。現代の私たちはそのような実感を持っている人がほとんどではないだろうか。というかむしろ「なぜ自分が仕事を頑張ったからって、日本が成長するんだ」と思う人が多数派だろう。

なぜ働いていると本が読めなくなるのか

知ろうとすること。

読みはじめたキッカケ

糸井重里さんの著作を読み漁っていた2020年秋。完全に「ジャケ買い」をした一冊。対談相手の早野さんが何者なのかもロクに調べず、AmazonでKindle版を購入した。でもなかなか手を付けられず、3年半の積読に。

読みはじめるとすぐに、3.11に端を発した原発事故と被曝についての内容だと分かった。自分の知識がまったくない領域なので、どのページで語られていることも新鮮に感じた。そして、分かりやすかった。

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早野
要するにビジュアルとして見せるものがない。まだ人体なんかはいいですよ。それから、加速器みたいな、わりと撮り映えのするものもいいんだけど、そこで「138億年前の水素が」なんて言ったって、嘘っぽいアニメぐらいは作れるけど、本物が見られる、というような意味でのビジュアルではないですから。それは、ピサの斜塔から物を落っことしてた時代とは違うわけですよ。

糸井
そうなると本当に、冗談めかして言ってるように聞こえるかもしれないんだけど、詩でしか語れないのかもしれない。詩って、すごい跳躍じゃないですか。何も意味してないかもしれないということさえも含めて、跳躍そのものを表すことができる。谷川俊太郎さんが昔、『二十億光年の孤独』という詩を書きましたけれども、そういうことでしか言えないことばっかりになりますね。

知ろうとすること。

推し、燃ゆ

読みはじめたキッカケ

Audibleで次に“読む”本を探していた時、ふと目に留まった。自分とは無縁の本だなぁと、なんとなく思っていた芥川賞受賞作。だからこそ、Audibleでなら読める気がして再生ボタンを押した。

主人公のしんどさ、生きづらさが伝わってくる作品で、活字では読み切ることができなかっただろうと想像する。

Bestパンチライン

今も自分の外側だけでしか受け止められていなかった。
推しがいなくなる衝撃を受け取り損ねている。

推し、燃ゆ

機嫌のデザイン まわりに左右されないシンプルな考え方

読みはじめたキッカケ

秋田さんの著作『自分に語りかける時も敬語で』『決めつけてはいけません、他人を。何より自分を。』をそれぞれ読んでいた中で、唯一積読のままになっていたのが『機嫌のデザイン』

今作もいろんなヒントをもらえる言葉だらけでした。

Bestパンチライン

優しさを保つのは簡単ではないですね。簡単になくせてしまいます。
自分自身にゆとりがないと他人に優しくはなれない。つまり、何事も、「自分がどうあるか」から始まるということです。人を育てる場面でも、相手を躾けたり従わせたりしようなんて思わない。躾をするとしたら自分自身ですよね。

機嫌のデザイン まわりに左右されないシンプルな考え方

今月のベスト本

「仕事が好き=長時間労働を余裕で受け入れる」
という当たり前の空気にずっと違和感があり、長時間労働を受け入れられない自分は、「仕事が好き」な人間ではないのかと思っていた20代。もしかしたら最近までそう思っていたかも知れない。

そんな自分の感覚が、自分だけじゃなかったと確認できた本。

労働史とベストセラー史を重ね合わせると、日本人の労働観や価値観がこんなにもくっきりと浮かび上がってくるのかと驚いた。

すべての働く大人におすすめの本。多くの本屋で品切れが続出するのも頷ける名作。

もう少しで読み終わる本

個人的にインドが熱い。たまに動画を拝見している小野龍光さんもインド仏教。名だたるIT企業のTOPが数年前からインド系。平均年齢の低さと人口爆発。間近に控えるインド総選挙の開票。 そんなこんなで手に取ったこの本がとてもおもしろい。

ただし、3時間では読めない!笑

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