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ブラックコーヒーを飲めるようになりたい


 去年の冬、ブラックコーヒーを飲めるようになりたいと思って練習していた時期があった。きっかけは鎌倉にある"みにこむ"という喫茶店に行ったときのはなし…。みにこむは私の母が小さい頃からあるお店で、入口にはレオナルドダヴィンチがコーヒーを飲んでる絵が飾られていた。そのお店の伝票の後ろにコーヒーの種類が色々書いてあったのを見て、「ああ私そういえばコーヒー飲めないな」って思ったのがきっかけだった。
 母にその話をしたら、「確かに大人になってもコーヒーにミルクとか砂糖とかドバドバ入れてたらやだよね」と言っていた。母も、父のブラックコーヒーをストレートで飲めるところがよかったらしい。それを聞いて、ますますブラックコーヒーを飲めるようにならないといけないという使命感に駆られた。

 そのあと家に帰って、ペーパードリップ式のコーヒーを作ってみて飲んだ。あれ、割といけるかも、と思った。そこから、何か飲みたくなったらそのコーヒーを飲むようにしていた。駅前にある行きつけチェーンカフェでも、あまーいあったか〜いアーモンドキャラメルラテの代わりにホットのコーヒーを頼んだ。そのとき金原ひとみの本を読んでいたから、そこからその本を読み返すときはいつもその味を思い出すようになった。そこのコーヒーは、なんか酸っぱかった。

 だけど、いつの間にかココアを飲んでる、みたいなことが多くなってきた。それで、気づいたらもうストレートのコーヒーなんて飲まなくなっていた。もちろん紅茶とかは飲める。単体でも好んで飲む。甘いケーキにはストレートの紅茶は定番。だけど、コーヒーの美味しさは結局わからなかった。

 いつかわかるときがくるのかなー。



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