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海洋国家日本(SDGs14.7 その3)

2021年の日本のGDPは537兆円。世界で3番目の経済大国です。(※1)とはいえ、日本は東アジアの東のはずれにある島国で、国土の面積は377,915km²と世界で62位の面積(※2)になります。第2次世界大戦後に至ってはすべてが荒廃していて、もともと資源もない国のため、生きるので精いっぱいの国でもありました。それが1980年にはすでに世界2位の経済大国にまでのし上がっていったのです。いったい日本に何が起きたのでしょうか?

江戸時代には世界から取り残されていた日本は黒船の来航を皮切りに新しい文化を吸収していきました。一気に世界の表舞台に立った日本は第2次世界大戦に臨むのですが、大敗してしまい人も国も疲弊していきました。資源さえもない日本は途方にくれていきます。ところが1947年、敗戦後2年にして日本は起死回生の奇策を打ち出します。それが教育基本法。何もなくても経済を回すためには考える力しかないと考え、小学校・中学校9年間を義務教育にしたのです。お金も土地も無くなった日本にとって多額の負担がかかる教育にメスを入れるのは一か八かの賭けでした。ところが日本人本来の勤勉さと恐れを知らない不屈の精神、そしてこれ以上失うものさえもないという覚悟も相まって、政策は予想以上の効果を生みました。日本を死地の際から救ってくれたのは「海」を活用した商売でした。その商売とは貿易です。海外から買い付けた資源を教育で高まった頭脳と技術を使って国内で付加価値をつけて、海外へ売って外貨を獲得していったのです。そして外国の後押しや時代の運も味方につけて、日本は世界第2の経済大国にまで成長することになったのです。(※4)

また海は戦後の日本を違う角度から助けてくれました。日本の海には種類も数も豊富な魚がいたのです。当時戦後食糧難だった日本に貴重なタンパク源として大いに貢献してくれたのです。そうして今ある日本へと成長してくれたのです。しかしこの自然の力に頼る姿勢に限界が生じてきました。現在魚の世界的なブームにもかかわらず、日本の漁獲量は下がってきています。原因として漁師の高齢化や後継者不足、天然魚の減少などが言われています。そんな中、順調に水揚げ量を増やしている国があります。それが中国です。とくに目覚ましい成長を伸ばしているのが養殖業。天然にこだわりすぎる日本とは違う戦略で水揚げ量を増やしてきているのです。

※1、ELEMINIST 【2021年】最新世界GDP(国内総生産)ランキング 2050年の予測も紹介
https://eleminist.com/article/1679
※2、日本は2009年まで世界2の位置を続けていた。
世界経済のネタ帳
https://ecodb.net/ranking/old/imf_ngdpd_2019.html
※3、国際統計格付センター 世界 ランキング 世界・面積ランキング
http://top10.sakura.ne.jp/CIA-RANK2147R.html
※4、その他経済大国になった要因として、人口の多さや海外の政策など様々な要因が重なり合ったと言われています。


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