虎に翼に登場した裁判事例と事件
『虎に翼』「戦前・戦中期編」が初回最初の場面に戻り、佐田優三(仲野太賀)と結婚して「佐田」姓となった寅子(伊藤沙莉)が法務省に出向き 桂場等一郎(松山ケンイチ)に直談判するところで締めくくりました。
このドラマには法律をテーマにしており裁判の場面が登場します。寅子はそれを通して法律を学び日本初の女性弁護士になります。
実際の事件、裁判に基づいた場面は登場人物と時代が反映したものばかりです。
離婚裁判
離婚を求めた女性が元夫に着物を返すよう裁判を起こし不利な状況に立たされています。近代日本の女性は「無能力者」として扱われ 結婚すると一部を除き自由が制限されました。女性の財産は男性側(父、夫)の管理と見做され受け取ることが不可能でした。
ちなみに明治までは夫婦の財産は別々に管理され、妻の財産は妻が所有しました。『光る君へ』(2024年 NHK大河ドラマ)にも登場し藤原道長(ふじわら の みちなかわ 演:柄本佑)の嫡妻・源倫子(みなもと の ともこ 演:黒木華)は父・源雅信(みなもと の まさのぶ 演:益岡徹)の財産を受け継ぎ夫よりも多かったです。平安時代と昭和初期の財産管理を比較するとわかります。
裁判を初めて傍聴した寅子は明律大学〈明治大学〉女子部同級生と共に裁判所へ出向き傍聴し女性の勝訴に導きます。
毒饅頭事件
ドラマに登場した事件は実際に起きた「チフス饅頭事件」(1939年)に 基づいたもので 寅子ら女子部 が 文化祭の寸劇で上演しようとしたが男子学生の妨害に遭い 中止され、寅子は改めて 毒饅頭事件について調べていきます。調べるうちに 桜川涼子(桜井ユキ)が 脚本が 改竄(かいざん)されていた 事実を話します。
それによると 被害者一家を殺害した女性は「カフェー女給」ではなく「医師」で 混入したのは殺虫剤ではなくチフス菌であることがわかり、大学の長上が 「わかりやすく」するために 変更したことが 寅子らは知りました。
※ 2024. 9. 22 編集・加筆修正
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