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【第十六回】何もにもなれなかった50男の物語

どうも

何者にもなれなかったたてやんです

とうとう海外へ出され台湾で
過ごした日のお話になります

お世話になった会社を辞めた後
ぼくは台湾へ向かうこととなる

オヤジの知人の台湾人が
ぼくの面倒を見てくれる
ことになった

台湾というだけあって
台風の日は会社や学校が
休みになる

そして日本と違い窓やドアは
鉄柵で頑丈に守られている

ぼくはよく鍵を忘れるので
日本では窓から入ったりした

その日もぼくは鍵を忘れ
アパートに入れなかった

仕方なく警察に向かった

警察署へ行くと奴らは酒を
飲んで酔っぱらっていた

「鍵が無くて入れない」

あまりしゃべれなかった
ぼくは一生懸命訴えた

ところが奴らはヘラヘラ
していた

「寿司・てんぷら」とか言って
ぼくを茶化していた

だんだんムカついて来た

警察はパスポートを見せろ
という

「パスポートは家の中」

「開けてくれたら見せる」

そう訴えたが無駄だった

とっとと帰れと言う

宴会が盛り上がっていた
署に長居しても無駄だった

とりあえず戻り考えた

幸いベランダは格子がない

ぼくは覚悟を決めた

雑貨屋でザイルを買った

屋上へ上がりザイルを縛り
ザイルにつかまりベランダへ

たまたま最上階の部屋だった
から意外と簡単に降りられた

でも結構スリリングだったな

外国では日本人の感覚でいると
えらい目にあう

命を懸けた勉強をした

普通は屋上から降りようと
考えないのかもしれない

ウチが戸締りしないで
本当にラッキーだった

現地の人なら絶対に鍵
閉めてるだろうからね


その後ぼくは引越した

台北のど真ん中

東京なら大手町あたり?

5階建てのアパート

やっぱり最上階の5階

夜眠っていた僕

突然激痛で目が覚めた

救急車を呼ぼうとしても
ベッドから動けない

這いながら電話まで向かおうと
頑張ったがやっぱり動けない

窓の外が赤々と燃えていた

「フォーツァイ!」
「フォーツァイ!」

外でなにか叫んでいる

ぼくは痛みで動けない

あぁ

死ぬのかな?

そんな事を考えていた時

アパートのドアが壊された

レスキュー隊が来た!

ぼくは他の住民の安否が
気になった

ところが逃げ遅れてたのはぼく

傘とか持って出たほうがいいのか

それより背中痛い

色々考えていた

一階の雑貨屋の冷蔵庫が漏電
そのまま火災となったらしい

なんだかんだしぶとく生きてる
もしかしたら前世は極悪人か?

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