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【第十五回】何もにもなれなかった50男の物語

どうも
あまりに世間知らずでおバカな
たてやんです

今日はマルチ商法の養分になった
話でもしたいと思います


運転手で仲良くしていたS

大きな身体と違ってとても
人が良い彼は騙すほうより
騙されるほうだった

ある日Sがこんなことを
言ってきた

「たてやん
  最近俺良いもん買ったのよ」

ぼくがSの家に泊まりに行った時
そんな話になった

「風呂入るでしょ!ちょっと
良いもん付けたから試して!」

風呂にはなにかの機械があって

スイッチオン!

するとブクブクと泡が立って
風呂がすごいことに

「これで風呂入るときもちいよ」

ぼくは元々風呂嫌いだけど
ぬるい風呂だったので暫く
浸かっていた



「おい!たてやん!」

なにがあったのか記憶にない

Sが言うには風呂場で大きな
物音がして倒れてたらしい

その当時はのぼせたと思った

この時が発作の始まりだろう

Sの装備していた機器は
店では買えないらしい

数日後彼と渋谷に行くとSの
運転手仲間がぞろぞろいた

その中でマセラティに乗って
現れた元同僚がいた

車を降りた彼はブランド物の
ロングコートを来ていた

そのマシン機器を紹介すると
紹介料が貰えるようだ

マセラティやブランドの服は
その紹介料で買ったらしい

何者にもなれないたてやんは
その時どうしたか?

「泡の出る機器俺に売って!」

実はお金儲けにはあまり興味が
なかった

それよりおうちがジェットバス
になるほうが興味があった

なんとなくラブホみたいじゃん💛

その当時のウチはミラーボール
ブラックライトのディスコ仕様

風呂がバブルバスなら完璧

ぼくが買うとSに小遣いが入る

「まあいいか」

世間知らずのぼくは売買契約に
入ったけど値段を聞いてびっくり

機器は20万くらいだった

未成年のぼくにまとまった
お金が有るはずもない

マセラティの男はこう言った

「俺は丸井のカードで金借りたよ」

ぼくは「あぁなるほど」と思い

すぐに丸井で金を借りた

頭の中は家の風呂がバブルバスに
なるという妄想でいっぱい

金を払ったあとは機器が届く
のが待ち遠しかった

原ヘルスのバブルスター

その後マルチで会長が逮捕された

Sが言ってた効能うんぬんは
全くのでたらめだった

あの時買った機器はその後
どこへ行ったんだろうか?

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