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【怖い話】嫌な部屋

私は以前、三軒茶屋に住んでいたことがあった。その頃は人には能力を隠していた時代だ。しかしスイッチをオフにしていても5割は分かってしまう状態の頃だった。

どうしても三軒茶屋に住んでみたかった。というのも、私の祖父や祖父の兄などが住んでいたことを聞いていたので、ずっと興味を持っていたのだ。ただ、三軒茶屋と聞いて浮かぶのは、なんだかモヤモヤした気持ち、違和感などだった。

三軒茶屋を悪く言っているわけではないので付け加えて言うと、私は土地のエネルギーや負のかたまりなども感じてしまうので、それがその当時あったということだ。あったとしても浄化したりすれば変えることができるので安心して欲しい。ただ、自分の波長が低かったり、ネガティブなことを常に考えてばかりいると、負のエネルギーは集まってくる。私も当時は波長も低くネガティブ人間だったので、私が負を引き寄せていたのだった。

部屋探しで行ったマンションは、1階が飲食店で2階以上は事務所や住まいのどちらかにできるところだった。ワンルームで広く見えたのでそこでもいいかなと思っていた。外観も見ることになり不動産やさんと一緒に見ていると、年配の女性が話しかけてきた。

「あら、また何かあったんですか?」

すると不動産やさんは慌てて何もない、内見しているだけだと伝えた。ん?どういうこと?!このマンション何かあるの?!私は不信感をもったのだが、時間もなくここに決めてしまった。

間取りというのは、限りなく正方形に近い方が風水的には良い家らしい。そして、間取りに対角線上に線を引いた時に真ん中あたりに水関係があると、そこは良くない間取りとなる。私が選んだマンションは変な形のワンルームな上に、ど真ん中にユニットバスがあった。そして隣のマンションとの隙間があまりなく、日当たり最悪の部屋だった。何も考えず、直観も使わずに決めた部屋は、本当に最悪の部屋だった。

引っ越して間もなく、お友達になった人を部屋に泊めてしまった。それからその人はストーカーになった。家の外にある小さなベランダには、毎日何かしらのゴミが入ってきた。Gは毎日のように訪問してきた。観葉植物は買っても買っても1日で枯れ、ユニットバスはどれだけ綺麗にしてもすぐに黒カビが発生した。
みるみるうちに不幸が重なり、借金も肩代わりすることになった。とばっちりにも遭い、恨まれた。精神的に不安定な子をかくまったりもし、結果的に自分自身も不安定になった。

一体どうしてこんなに不幸に見舞われるのだろう。今思うと、自分の波長が低かったので負を引き寄せたのだが、当時は何も分からず、やることなすことろくな事がなく、ただただネガティブになっていた。

ある日、母が泊まりに来た。私の母も、本人は気づいていないが霊感が強い。母は家までの途中の道でいきなり足を止めた。

「なんかこの道すごく行きたくないんだけど。」

そこは私も嫌な気配がする場所だった。そしてストーカーがいつもいた場所だった。私は母をなんとかなだめ、マンションへ連れて行った。
そしてまた母は言った。

「何ここ?!気持ち悪くて帰りたい!」

私の部屋に入ってすぐにそう言った。そう、この部屋は入ると誰かの視線を感じ、いつも寒くて居心地が悪いのだ。来てすぐにそんなことを言われ、私と母はケンカをした。その当時はあまり仲も良くなかったので、母の言うことがイライラの原因にもなっていた。

またある日、別の友達がやってきた。その子も泊まる予定だったのだが、家に来て間もなく帰ると言い出し、またもや居心地が悪いと言われたのだった。

このようなことがしょっ中あったのだが、不幸に見舞われながらも利便性を取り、結局2年間住んでいた。

引っ越しをすることになり、すべての荷物を出し、最後のチェックをしに部屋へ戻った。ドアを開けようとした瞬間凍りつくような寒さを感じた。開けたくない。このドアを開けたら何か嫌なことが起こる気がする。そんな不安をもちながら恐る恐る開けてみた。するとそこには何もなかった。

「あー、良かった。気のせいか…。」

と安心した瞬間、まるでゲームの「サイレントヒル」のように私がみている視界がセピア色に変わっていった。そこには部屋の真ん中でうずくまる女の子がいた。その瞬間過去の記憶が蘇った。本当は見えていたのに見ようとしなかった姿。いつも女の子は近くにいたのに、気づかないフリをしていたこと。私はまた、一人暮らしではなく、女の子と住んでいたのだ。だからジメジメしていてカビが生え、暗くて電気がよく切れる。金縛りに遭い、植物は枯れ、マイナスエネルギーが溜まっていく。こんな部屋だったのはそういう理由だったのだ。

その時ハッと思い出した。内見した時、おばさんがまた何かあったのかと聞いてきたこと。もしかしたらこの部屋で何かあったのかもしれないと。あの女の子が何かされたのかもしれない。私は怖くて調べることができななかったが、ずっとあの子は訴えていたのかもしれない。

死人は心残りがあると、生きた人間に頼ってくることがある。そういう時、相手は優しくて人を放っておけなくて、波長が低かったり波長を下げられる人に寄ってくる。考えてみるとその頃の私は霊感もあるし死人の相談役にはうってつけだったのだろうなと思う。

今の私は波長が高くなり、霊に説教をするくらいたくましくなった。皆さんはこのように死人や霊にターゲットにされないように、常に波長を高くもち、ポジティブに生きてほしいと願う。


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