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星空の下【告白】vol.13

何度かの恋もしてきたし、結婚も出産も、離婚も経験してきたはずなのに、、、

まるで初恋のように、私は私の感情に振り回されていた。

言葉では、とても伝えれない。
私は、10ヶ月の想いを手紙にしていた。

31歳のラブレター、、、渡せず2日が過ぎた。

相談した同僚のMちゃんが、
『仕事終わったら、4人で食事行きましょう』と、鹿島さんとNさんを誘ってくれた。

4人でカレーを食べた。
普段通りの冗談を交えた談笑の中、、、

私は嬉しさと緊張で、味なんて分からなかった。

会計を終えたら、Mちゃんが
『Nさん、ちょっと相談がある。』と、私と鹿島さんと別れを告げた。

私達を2人きりにしてくれた。

外はもう暗くなっていた。

隣に停めた車。
『お疲れ様』という彼に

『あの、これ読んでください』と手紙を渡した。

『え?。。。』彼の表情が変わった。

苦悶の表情を浮かべたまま、、、
沈黙が続いた、、、。

【あ、困らせてしまった。】

『気持ちだけ伝えたかっただけなんです。』

彼は、『少し話そう。車に乗って良い?』と、私の車の助手席に座った。

沈黙が続く。。。

フロントガラスから見える夜空は、とても綺麗だ。
月と星が追いかけっこしてるみたい。

彼は、手紙も読まず考え込んでいる。

私は、ポツリポツリと手紙に書いてあることを伝え始めた。

『10ヶ月前から好きでした。

話せるようになって、、、。それだけで嬉しかった。

鹿島さんと話すようになって、

自分の気持ちが抑えれなくなって、、、。

でも、彼女が居る事も知っています。

だから、思いだけ伝えたかったんです。』と伝えた。

フラれるつもりで書いたラブレター。

これ以上、想いが溢れないために、、、
源泉を止めてもらうために、書いたラブレター。

だけど、何故か、、、彼は隣で苦悶している。

ごめん。俺には好き人がいるから、、、と言えば終わるのに、、、


彼が口を開いた
『貴女のこと、、、気になっていた。

彼女とは上手く行ってない。

喧嘩ばかりしている、、、。

あなたの事を好きになった。』

私は、驚いて
『いや、いいんです。振られるつもりで、、、
ただ想いを伝えたかっただけですから。』と伝えた。

『少し待っていて。彼女と別れるから。。。』
鹿島さんは、そう言ってくれた。


星空を見ながら、、、時間が過ぎていった。

『また、連絡する。』と、連絡先を交換した。

彼は車を降りていった。


しばらく私は、車に乗ったまま、、、
フロントガラスから見える星空を見上げていた。

【何が起こったのだろう?】

1時間以上、星空を見つめていた。

【娘が待っている。帰らなきゃ。】
実家で暮らしていたが、私は大切な娘とできる限り居たいから、残業も殆どしたことがなかった。

こんなに遅くなるのは、初めてだった。

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