触診

An Osteopathic Approach to Diagnosis and Treatmentより

 触診は情報を発見するための特に重要な手段である。触診は身体軟部組織(皮膚、筋膜、筋肉、靭帯、腱)の質感の微妙な変化を明らかにすることができる。交感神経支配の効果に反応して起こる組織の変化は、皮膚の温度や水分の増減によって現れる。根底にある軟部組織の浮腫は、明白な湿り気を生じる。目に見える症状が現れる前に、関節運動の質の変化が感じられることがある。より深い触診は、密度の検索、器官のサイズ及び一貫性の概略、筋肉トーンのテスト、そして心臓の拍動を感じるために使用される。

 触診の間、医師は指や手を通して受信した感覚に集中する。受容器の分布及び深度は、手のどの部分が特定のテストにおいて最も有用であるかを決定する。熱受容器は深い位置にあるため、手の尺側または背側(皮膚が手のひらより薄い)の面は、温度変化をテストするために使用されるべきである。メルケル円盤やマイスナー小体のような接触受容器は指の腹に最も多く、これらを最も敏感な領域にしている。

 観察は触診の重要な補助である。検査されている領域は、色の変化(蒼白または紅斑)について検査されるべきである。紅斑の増加は、感染または炎症を示している可能性があり、通常は急性体性機能不全を伴って発生する。蒼白は、慢性体性機能不全を伴うことがある。色素沈着過剰領域は、重要であるかもしれない。医師はまた、瘢痕、あざ、裂傷、擦過傷、腫脹などの外傷の兆候を探す必要がある。皮膚表面の傷や腫瘤に注意する必要がある。

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