患者が歩んできた道を尋ねること及び外傷事故

 筋膜面内に直接的な肉体的外傷があると、その時期は問わず、筋膜が変形することは、よく知られている。筋膜変形が累積すると、その影響はストレインパターンをより早く固定するように働く。

  筋膜の電位は感情に応じて変化することも明らかにされている。既に見たように電位の変化は筋膜の硬直性を高め、更に筋膜の変形を誘発する可能性がある。

 従って、外傷事象が発生すると、その事象に付随する感情の状態は、電気的に部位を変形するように働く。

 患者が歩んできた道を知るために、患者の生活の中で発生する肉体的外傷ばかりではなく、感情的外傷を決定するための質問をすることになるだろう。アンバランスな筋膜の張力によってもたらされる、骨格構造に対する最も重要な効果は成長及び発育分化の時期に現れる。

 「20歳から25歳の間に何か起きましたか」という質問を患者にすることで我々の歴史を始めよう。通常、このような二者択一でない質問は、患者の人生の中で重要な事件を考えさせることになる。

 期間を5年毎に区切りながら質問を続けていき、逆に子宮内での発生分化にまで年齢の若い方へ戻る。

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