オステオパシーマネージメント

『An Osteopathic Approach to Diagnosis and Treatment』より。

マニピュレーション処方

 オステオパシー医師は、全ての患者の管理にオステオパシーの原理原則を適用する機会と責任がある。オステオパシーマニピュレーションは、適切な場合には患者ケアにおいて顕著な役割を果たすべきである。この章では、オステオパシーマニピュレーションが管理計画にどのように適合しているかについて、このテキストを通して実際の応用の章で与えられた情報と共に説明する。この計画は、多くの場合、「オステオパシー処方」である。医師が手術または投薬を処方するように、オステオパシー医師はマニピュレーションケアの処方を提供する。

患者管理

 医療のどの分野でも、入念な病歴や身体診察の恩恵なしに治療を開始することはない。これらのことから、患者の主な症状の考えられる全ての原因を含めるべきか鑑別診断リストに従う。問題解決過程では、医師は鑑別診断を実用診断に絞り込むために更に評価的検査が必要かどうかを判断しなければならない。病歴、身体検査及び追加の検査から収集された情報は、鑑別診断リストから条件を「支配」または「除外」するために使用される。全ての場合において、生命を脅かす病気は最初に排除されなければならない。
 オステオパシー医師のための身体検査の重要な部分は構造的検査である。これは、患者の神経筋骨格系に関する情報を提供するだけでなく、内臓体性反射所見及びチャップマン反射点を通じて内臓の問題への手掛かりを提供する。
 どの補助テストを使用するかを決定する際に、医師は様々なガイドラインを使用することがある:
 1.補助的テストを注文する時に探している情報を正確に把握する。無差別テストの実行は、臨床的洞察に代わるものではない。鑑別診断は補助的テストに関する意思決定の基礎を形成すべきである。
 2.どのテストが最もリスクの少ない情報を最も多くの患者に提供し、どれが最も費用対効果が高いかを知る。治療方針を確認または変更しないテストは避けるべきである。いくつかの検査のタイミングを考慮する必要があるかもしれない。(即ち、電気生理学的テストは、一般的に有用であるまでに6週間の待ち時間を必要とし、特定の放射線学的変化は特定の間隔でのみ明らかになるかもしれない。)
 3.最も深刻な病気や傷害に最初に対処することを確実にするために、テストが実行されるべきである順序を計画する。一般的に最も侵襲性の低いものから最も侵襲的なものの順に従う。
 4.何故テストが指示されているのか、またどのような情報が提供されるのかについて、患者に知らせる。それはその理由を理解している場合、患者はテストを受けることに協力する可能性が高い。

補助的テスト

 1.血液検査:これらは感染過程、代謝問題、疾患過程における特定の内臓の缶よ、自己免疫疾患、血液学的問題、そして血液を介して確認される可能性のある他の病気の実態を探す時に実行されるべきである。
 2.放射線学的検査:筋骨格系のX線(レントゲン)は、次の条件下で撮影する必要がある:
  A)骨折や脱臼の疑い
  B)重大な関節炎の疑い
  C)重大な筋骨格系外傷の発生
  D)骨や関節の痛みを伴う50歳以上の人
  E)法的な意味を持つ方法で患者が傷害した場合
  F)医療過誤訴訟の重大なリスクがある場合
  G)構造性側弯症の進行の診断及び監視
  H)脚の長さの不一致や骨盤傾斜の測定
 3.時期共鳴画像(MRI):MRIは、軟部組織損傷または椎間板ヘルニアを識別するのに有用である。そのような発見は、患者のための治療計画を変更しない限り、それはあらゆる疑わしい椎間板ヘルニアに対して実行する必要がない。X線で発見された特定の骨の病状は、MRIでより詳細に調べることができる。
 4.骨スキャン:骨スキャンは、癌転移性疾患の検出に特に有用であり、これが疑われる場合に使用される。
 5.骨密度検査:骨密度検査は、骨減少症及び骨粗鬆症などの症状における骨量減少の存在及び程度を決定することに役立つ。これは、閉経期に入った女性や長期間ステロイド薬を使用している人にとって、多くの場合、有益なスクリーニングテストである。
 6.筋電図(EMG)/神経電動検査(NCG):EMG/NCSは、どの神経が関与しているか及び関与の程度の両方を、特定の神経及び筋肉の関与を同定することに有用である。結果は役に立つかもしれないが、それは全てのケースで完全に正確ではない。
 7.陽電子放射テスト(PET):PETスキャニングは、実際の脳または他の組織機能の決定において有用である。

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