天使の声、悪魔と言うのは反則です
何の事やら?と思われた方、この曲のことです。
「Forget-me-not」
作詞作曲編曲 浅岡雄也
10枚目アルバム「ミライノツクリカタ」(2013) 4曲目
こちらから試聴できます。
歌詞は浅岡さんのカクヨムから引用する。
この曲、好きなのです。
何と言っても、曲と、世間の裏側を表す歌詞の世界観とは相反する浅岡さんの超爽やかでかわいらしい歌声との落差がカッコいい!
そんでもって、歌詞が。かなり社会的な内容なのだが、重くはない。語尾に「かなぁ」「じゃない!?」「〜なくちゃ」などの話し言葉を使って、軽い雰囲気で身近に感じさせているのだ。
笑顔でバッサリと斬り込む感じ。
語尾は軽くて内容は重い一辺倒かと思いきや、ここで出てくる次の歌詞。
この「悪魔」が!
なんでそんなかわいい声で「悪魔」って歌ってくれちゃうんですかっ!
浅岡さんこそ、天使の歌声を持つ悪魔だっ!
反則!(褒め言葉)
と、毎回思います。
あっ、当方、左斜め下の独特目線で突っ走りますので付いて来られなくて全然構いません。
ご存じない方が多いと思いますが、浅岡さん、爽やかスーツ男子に見えて何を隠そう、いや隠してはいないが元ヴィジュアル系なのです。
ご本人が証拠写真を提出していますので、ご覧ください。
かわいい系ですね(記事掲載は2019年。2024年現在浅岡さんは55歳です)。
なので、歌詞に天使とか悪魔とか薔薇とかMARIAとかヴィジュアル系にありそうな言葉が出てきても何の不思議はない、と思います。
浅岡さんは歌声が高音で可愛らしく甘いのですが(歌声に関しては淡麗甘口です)。悪魔と契約してダンスの才能と引き換えに天使の歌声を手に入れたんじゃあるまいな?てな美声です。
このアルバム全体がとっても可愛らしい声なのですが、それにしてもこの曲だけやたらとかわいい声じゃありません?
あえて、いつもよりかわいさ3割増しで歌ってる感じがする。筆者が再生しすぎでそう思い込んでるだけ?
声は可愛らしいが、曲全体はとてもカッコいい。
特にベースが。後半にかけて前に出てくるので、
低いベースと高い歌声の対比が良い。低いがあるから高いがより際立つ。
歌詞はここで終わる。灰色、グレーって事で闇を残したままで救いは特にない。
なくて良い。
真っ暗闇でダークな歌詞世界の中にあっても、声そのものが光明のため、曲全体としては闇と光のバランスが取れている。結果的に曲は救われているのだ。
歌声に感情を込めず、無垢な歌声だけを響かせるために、歌詞世界の暗さが歌声の明るさと相殺されている。
歌詞に救いがあると、歌声がプラスされた時に陽の要素が重なりすぎ、明るさ過多と感じてしまう。
もちろん、徹底的に明るい方が良い、と思う向きもあろう。それはそれで、歌詞と曲と歌声全てにおいて爽やかでポップで超明るい曲!も、もちろんあって欲しい。
しかし、せっかく闇の雰囲気を持つ曲ならば、多少の救いがなくとも闇は闇のままにして欲しいとも思うのだ。
ダークな歌詞世界と同様にダークな歌声も、もちろん良い。
ライブ版だと歌い方はダーク寄りで、そこがカッコいいのだが。徹底的に闇!なヤツ。
あまりにCDと歌い方が違うので、同一人物で同じ曲ですか…?と思うが幅広い歌声を操っているという事だな(図らずも悪魔的な表現)。
ライブ版はSONOCAに収録されています。
ついでに、ライブでこの曲を紹介する時の浅岡さんの曲名の言い方も好きです。
ちゃんと「Foget-me-not」の「‐」を意識して一瞬切って発音してるところが(やたらと細かいな)。
歌声高音、地声低音、で元々浅岡さん一人の声の中に天使と悪魔がいると言っても過言ではないのです。
ライブで低音地声のトークから高音歌声に変わる瞬間が、いつ耳にしても謎すぎる、鮮やかな切り替わり方なのだ。悪魔から天使への転身(あ、声だけですよ、さすがに外見までは変わりません)。
ソロも爽やかイメージでいると足元掬われますが、ダークな側面も良い!と思えるくらいには天使の声を持つ悪魔の浅岡の沼に囚われています。
歌声しかご存知ない方は、次のインタビュー動画をぜひご覧ください。めっっちゃイケボでお話の内容も貴重なので。ヘッドホンかイヤホン推奨です。
スリーケットピクチャーズチャンネル
前編【美人女将のBarに行こう/6話】より(7話、8話と続きます)
ヴィジュアル系バンドの歌詞については、以下の記事を参考にしました。
面白くて声出して笑ってしまった。
ランキングをよく見ると浅岡さんも使いがちな単語が多し。いずれ記事にまとめます。
インターネット情報は2024.7.20確認。