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4100に到達したので、勝手にレポート提出します!

FIELD OF VIEWの新曲「ガラクタ」が2024年5月に開催された29thAnniversary Liveで初披露されました。 

この曲のデモ版をボーカルの浅岡雄也さんのnoteで購入できます。


歌詞も浅岡さんのnoteで公開されています。


感想が欲しいとのご本人のご所望なので、不肖筆者、容赦なく書かせていただきます!
ライブ版、デモ版両方の感想が混ざっている部分があります。

左斜下からの独特目線が出て参りますが、突っ走りますので着いてこられなくて全然構いません。プラス、忖度なしで認めます(いつも割としていませんが)。それと、いつもどおり、音楽的知識は皆無なので諸々ご容赦下さい。

以下、バンド名はFOVと略す。
また、歌詞は浅岡さんのnoteから引用する。


初めて聞いた時に真っ先に思ったのは、

このイントロは…
2時間サスペンスドラマのエンディングテーマ曲のようだ!

でした。

2時間サスペンスじゃなくても、刑事モノの1時間ドラマのエンディング、でも可(放送局はテレ朝で)。

我ながら、え何で?と思うが、思ったものは仕方ない。各方面から怒られたり呆れられそうだけど、忖度なしです。

イントロの深刻な雰囲気がそう思わせるのかも。少し懐かしい感じ。レトロまでは行かないが、80年代〜90年代の要素が入っているように感じられ、珍しく、都会の夜の風景が浮かんだ。「シティーハンター」の舞台みたいなオシャレな都会の80年代後半の感じ。

イントロが24秒だと、「名探偵コナン」もありか?と思ったが「コナン」にするにはちょっとオトナ過ぎるな。

FOVは浅岡さんの超爽やかハイトーンボイスにより、青空のイメージが強い。曲やバンドのイメージ全体が明るい広大な青空、なのだ。
それが今回、昼の青空ではなく夜の雰囲気を纏っている。
青空が似合う好青年たちが、年齢を重ねて酸いも甘いも噛み分ける、ダークな側面も持つ大人に成長した、ということか。


歌詞にも「暗闇(やみ)」「夜」「Illumination」といった単語が使われ、どちらかと言うと昼よりも夜、明より暗、のイメージが出てくる。

クールなカッコ良さが加わった令和FOVの幕明けにふさわしい曲だな。
シングル「CRASH」や、アルバム「CAPSULE MONSTER」の系譜に連なる曲調だ。
FOVのパブリックイメージは明らかに「爽やか」「陽」なのだが、この系譜は「渋さ」や「陰」の側面を引き出している。大人なカッコ良さに22年かけて進化した姿を表しているようだ。

こういうクールな方面のカッコよさ、
待ってました!

19日のライブで、前日18日の撮影OKタイムを称して「いろんなパターンのイケメンを取り揃えたホストクラブFIELD OF VIEWていう感じ」と浅岡さんが発言したが、まさにそういうイメージかも(サポートメンバーさん含めて間違いなく皆さんイケメン揃いです)。


サビ始まりでダークな曲調が続くが、一瞬明るくなる音の拡がり方がFOVらしい。

暗→明→暗の変化でメリハリがある。

間奏の小田さんと森本さんのツインギターがカッコいい!
そして、サビが頭から離れない!
繰り返しとスピード感溢れる音の連続。


サビの歌詞がすべて「〜tion」の脚韻なのだが、うまく音に嵌っているなあ。
これだけ明らかに韻を踏んでいるにも関わらず音にするとうるさくない。
英語の脚韻だと明らかに韻を踏んでいるのが歌詞を見て分かるので、字面だけ追うと正直、
ウルサイ。

それを音にしてみると、あら不思議。
浅岡さんの声も相まって、うるさくない。
むしろ畳み掛ける音と言葉のスピード感で圧倒されて、それこそがカッコいい、に変化する。

この曲、もしかして詞が先にできていたのかな。脚韻の英単語と対になる日本語には英単語の内容を表す言葉が選ばれているし、ここまで脚韻をしつこく並べているのも「こんなにあるぞ!どうだ!」って遊んでいる感じがするし。

別に辛くもない 味方居なくても棘の在る台詞は 誰に向かって居るのだろう

歌詞のこの部分だけ、少し異質な感じがする。

最近の浅岡さんの歌詞では言葉の一部分をカタカナ表記にすることがあるが、ここには一切使われていない。
他の部分には「この暗闇を抜ケたい」とか「僕は強くナイよ」と使われている。

ここも、例えば「辛クもナイ」とか「居なクテも」「棘ノ在ル台詞ハ」てカタカナ使いでも良いと思うのだ。
ここだけカタカナがない…
制作初期に書かれた歌詞そのままの可能性があるのか?

他が不真面目で遊び人的な雰囲気が出ているのに対し、ここだけとても真面目で誠実な本来の人柄が出た、て感じ(歌詞のイメージですよ!)。

ここが個人的に非常に刺さる。
今のSNS時代を表しているようにも読めるのだ。
その中に味方が居なくても、現実世界に居れば充分だし、「棘のある台詞」は結局、発した者に返るのだ(それも百倍返しでな!と思っておくと気が楽です)。

表記に戻ると「愛する君」は漢字だが、
他は「キミ」だ。
「ナニカを待ってた」時に出会ったのが「キミ」なので、「ナニカ」=「キミ」だと思うが。
この表記違い、何だろう…。気になる。大して意味はない、と言われそうな気もするが。

タイトルの「ガラクタ」もカタカナだが、この「ガラクタ」と「キミ」の表記も意味深な気が…。

本気で守ると「ガラクタ」にならない、のが「キミ」か。この「キミ」が実は自分自身の事と解釈しても面白いかもな。

「君」は愛する誰かだが、「キミ」は「君」に何も言えていない「僕」とか。

「君」に愛を伝えられない鏡の向こう側にいる「僕」=「キミ」と解釈すると。
「君」と「you」は同一人物で主人公「僕」が愛する相手。あまり登場人物を増やしてもややこしいので。

「ナニカ」=「キミ」のままで良いとすると、「君」に対する愛を持ったことに気付いた「僕」のこと、とも取れる。

「キミがいない日々」が「ガラクタ」のようなのは「君」への愛情を持っていることを知ってしまった「僕」にとっては、鏡の向こうの「キミ」が居ないと「君」への愛を確認できないから。

あの夜に 見せた涙は何故? 
僕は強くナイよ でもキミを救いたい

「キミ」が涙を見せてしまうほど、「君」への思いが強いんだろうな。「僕」としては「君」への愛を持ち続けている「キミ」の思いを成就させたい、だから「救いたい」のだな。

キミを抱きしめた

「君」への思いを持つ「キミ」を「僕」が抱きしめて、自分で自分を慰める。誰も慰めてくれないから。

キミのSatisfaction

「君」への思いを成就させるのが「キミ」の「Satisfaction」=「満足」になる。

本気で守るから ガラクタにならない

「本気で守る」のは何なのか、が書かれていない。しかし「キミ」の持つ「君」への愛情を本気で守ると、それこそが「ガラクタ」にはならない。「僕」の「君」への愛は「ガラクタ」にならない、という事。

わあ、何かややこしいけど面白いなぁ。
こうやって考察して解釈がハマると楽しい。

歌詞に具体的な5W1Hがなく、日本語と英単語の対比の羅列が続くため、情景よりも感情が先立っている印象がある。そこに妄想力を駆使して勝手に物語を加えてみました。歌詞に余白がある方が解釈のしがいがあるな。

筆者が深読みしすぎなんだよ、と思われる向きもあろうが、深読みとか考察して感想書くの、好きなのです。昔、友人とお互いにFOVのCDの感想を手紙に認めて送り付け合う、て事をやっていたので。今回の解釈が当たっていなくても楽しい。
作詞者の中には正解があるのかも知れないが、歌詞の解釈は十人十色だから面白い。

もうレポートだな、この記事。
「浅岡雄也先生担当 現代音楽論1「ガラクタ」の考察レポート」(4100文字)
て感じ(文字数に自分で引くw)。

歌詞考察のレポート課題が学生時代に実際あったのです。もちろんFOVで考察し、優でした!楽しい学生時代を思い出して調子に乗ってしまったな。失礼しました!

感想を読んでもらえる相手が友人じゃなくてご本人と全世界なのが時代の変化だなぁと思う。
本当に、面白くてありがたい時代になりましたな(ご本人が確実にこの記事を読まれる前提になっとりますが、今回の感想はご本人のご所望なのでおそらくは捕獲されるかと。更に浅岡さんはエゴサの鬼。そこに絶大なる信頼感があるので、タイトルが全然それっぽくなくてもnoteの記事はほとんど捕獲されちゃいます)。

話がズレました。

デモ版は、ラフ、というタイトルどおり、かなり歌い方が粗い。テキトーという意味ではなく、完成形になる前の下書きのような感じ。
絵画のラフスケッチの歌版みたいな。細部を詰める前に、とりあえず輪郭を作っておく作業としてのラフ。

デモの間奏に入っている、キン!ていう刃を合わせた時の様な金属音がカッコいい。

ここから全体に肉付けをしていって、完成盤に至るのだろうな。

ライブ版は完成盤手前の現状での完成形という事か。しかし、カッコ良いライブ版を先に耳にしてしまうと、いざ曲として出た時にはどんな風に整って来るのか、若干コワいような気がする。

でも浅岡さんはソロでも同じ手法でシングルを出しているから、お手の物か(あっ、圧とかじゃないですよ、率直な感想です)。

そう言えば、2022年発売の21枚目のシングル「きっと」も初披露はライブで、だった。が、会場のみの披露で、配信は音なし、画像のみが流された(公衆送信権関連か、と推察)。てことは、著作権関連をきちんと処理した上で確実にCDとして出す気だな、と勝手にガッテンして小躍りしていた思い出。(更に言えば発売前の楽曲の剽窃などを防ぐための措置でもあったかと。)

まあ、ライブ版と必ず同じ音で発売されるとは限らないので。

今回はリアルタイムとアーカイブどちらの配信でも流してくれた。どのようにリリースするかはまだ決まっていない、と浅岡さんが言っていたので、リリース情報を楽しみに待っていよう。

それにしても22年ぶりにギターの小田孝さんがFOVとして復活した舞台で最初に披露する曲が新曲って。どんだけサプライズ好きなんですか!