狂気再燃!絶叫復活!「EIZO JAPAN VS 桃井はるこ」解説


初共演の2012年

イベント主催であるOctober Beast北山友之による狂気再燃!絶叫復活!「EIZO JAPAN VS 桃井はるこ」解説

https://eizojapanvsmomoiharuko.peatix.com

元々このEIZO JAPAN VS 桃井はるこが立ち上がった背景は10数年前に遡る。

「秋葉原でライヴイベントをしてみない?」というクラブグッドマンの浪崎店長(当時)の呼びかけがあり、僕は漠然と秋葉原にメタルの人間が集まってくる「アキハバラメタルシティ」(KISSの「デトロイトロックシティ」のオマージュ)というのがいいんじゃないかと企画書を書いた。

そしてその流れで当時少しツテのできて僕の好きだったミュージシャン・アンドリューWKを呼ぼうという話になり、実際オファーをしてみることになった。だが、「最近日本の仕事がないから渡航費とかかかっちゃうんだよね、ライブハウス一つだと合わないよ」と丁寧にエージェントから断られた。まあ、それは確かにその通り。企画は一旦白紙になった。

その絶妙のタイミングで久しぶりに坂本英三さんから電話が鳴った。アニメタルマラソン4、アニメタルマラソン5、のジャケットで仕事をし、その頃のツアーグッズは僕が代表をやっていたブランドMARS16(北山は2018年に退社、現在ブランドは消滅)がてがけていた。英三さんはその頃から気にかけてくれて、ツアー中は話をよくしていた。その後も僕が新宿のロフトプラスワンで行った「鋼鉄祭」というトークイベントに参加してくれたり、飯田橋や水道橋でなんとなく一緒にケーキを食べたり(笑)、関係は繋がっていた。

電話の内容は「実はEIZO JAPANというアニメタル以来久しぶりのアニメとメタルの融合バンドをまた始めたんだよ」という話。

北「えっ?英三さんメタルに戻ったんですか?」
坂「そうなんだよ、北山君。またアニソンシャウトしまくってんだ」
北「あの...実は秋葉原でメタルイベントをやりたいんですが、どう思いますか?」
坂「アキバ?そういややったことないかも。面白そうだね。しかもアニソンじゃん、聖地じゃん」
北「たしかに!じゃあ英三さん、やるとしたら出演していただけるってことですか?」
坂「当たり前だよ!」

思い付きのイベントは英三さんのこの一言で一気に現実の話になってきた。その後ミーティングは繰り返され、いっそ対決形式にしてみては?EIZO JAPANはアニメとメタルだからメタルを迎えるなら「アキハバラメタルシティ」アニメ勢を迎えるなら「アキハバラアニメシティ」にしようという話に。英三さんのこういう時の頭の回転はとてもはやい。

坂「じゃあ対戦相手決めようよ!」

と秋葉原の喫茶店ルノアールで紙に名前がどんどん書かれていく。広い範囲で思いつくいろんなVSアーティスト。気が付けば夕暮れになっていた。

「アキハバラメタルシティ」。オファーをかけて「おおお、英三さんと新旧メタル対決?めっちゃいいやないっすか!」と二つ返事をくれたのは冠徹弥氏率いるTHE冠だった。SO WHAT?からソロになりアニメ「デトロイトメタルシティ」の歌の出演や「傷だらけのヘビーメタル」が話題になっていた、その忙しい中のタイミングだったが英三さんの存在が利いた。これでめでたく「アキハバラメタルシティ」は開催に。ゴリゴリのメタル対決にお客さんは湧きに湧いた。そして「アキハバラアニメシティ」のオファーをしなければ!となったのだ。

が、オファーも何も「アキハバラアニメシティ」はドラゴンボールやデジモンアドベンチャーなどの主題歌で知られる谷本貴義氏が即決定した。

「坂本さんは高校時代の僕のアイドルでしたから、喜んで」と谷本氏。デュエットをした「ベガサス幻想」はリスペクト溢れる最高のステージとなった。
https://youtu.be/aYDtqc9oAUI

そうこの一連のイベントは僕の思い付きで始まったが、お二方のコメントでわかる通り、英三さんなくては成り立たないものになっていたのだ。そしてアニメとメタルの双方のはずが、アキハバラアニメシティはどんどん話が進み、これは僕の力不足だが、結果メタルシティは1回目で事実上終了。谷本氏VSからこれまたすぐに開催決定となったアキハバラアニメシティ第2回では高取ヒデアキ氏の大人の魅力溢れるZETKIが圧巻のステージでアキバを魅了した。

この2回はあまりにも速攻決まってしまったのだが、打ち合わせの初期から桃井はるこさんの名前は実は上がっていた。僕が当時桃井さんのCDジャケットやTシャツを手掛けていたことも勿論あったが、EIZO JAPANのギター、IRON CHINOさんは「モモイスト」(桃井さんファンの総称)を公言していたのだ。

影響を受けた「天罰!エンジェルラヴィ☆」を完璧にメタルアレンジにしたい!CHINOさんの熱いメールが僕の元には届いていた。3回目を日程調整し、オファーしたところ桃井さんも快諾。発表と同時に参加希望や問い合わせが多かったため、初の2日間の公演を行うこととなる。

IRON CHINOさんがギターをかき鳴らした「天罰エンジェルラビィ☆」が実際どんなアレンジになったのか観た方は今も鮮烈に覚えていることだろう。さらに「さいごのろっく」の英三さんがカヴァーしたver.。セッションの「くじびきアンバランス」はメタルとオタ芸の入り混じる客席が生まれる最強の展開に。

これは本当にすさまじかった!

桃井さんのお客さんが熱かったことを受けて、アキハバラアニメシティ4回目は急遽佐倉紗織さんが初日、2日目に再び桃井さんがしかも1日2回公演で開催決定。また、これまでのステージが噂になり、4回目の桃井さんステージは動員数が最高になった。なったが、僕はそこで主業務であるデザイン仕事が多忙を極めたため、イベント主催が追いつかなくなり、断念。英三さんも同時期にEIZO JAPANの活動を休止した。その後も僕と英三さんはこのイベントきっかけで色々なことを共にすることになるのだが、それはまた別の機会でお話したい。

英三さんはこう言った。

「EIZO JAPANの復活、だったらあの休止した時の最高の対決をもう一度しなきゃ始まらないよね」僕もそれはその通りだなとリハーサル映像でパワーアップしている英三さんを観て思う。アキハバラアニメシティ第4回開催から今年で10年。9月30日、場所は国技館のある両国の両国サンライズに場所を移し、狂気再燃!絶叫復活!「EIZO JAPAN VS 桃井はるこ」が幕を開ける。

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