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ルンバに学ぶ/LESS北山

ルンバというロボット型の掃除機がある。あまり僕には縁がないなと思っていたが、ふとしたことからルンバと仕事現場で身近になり、日々の掃除をしてくれるのを目の当たりにした。そして遠かった存在ルンバの凄さというのがようやく実感できた。当たり前だがルンバは優秀だ。だがその優秀さというのは一緒にならないとなかなかわからない。

彼(ルンバのことをこれ以降こう呼ぶ)が毎日一体どんな掃除を繰り返してくれているのか、登録をしていればIDログインしサイトを確認すると彼の日報が全て残されている。今日はたまたま障害物があったからそこはよけてしまっている記録や、奥までいけたが、戻りが出来ず朝には途中で充電が切れ止まっているさまも。ともかくセットしていれば彼は毎日毎日繰り返し掃除をしている。そこまで入念では実はないこともわかるのだが、制限時間内に動き続けることで実にたくさんのゴミを回収していっている。

僕はルンバのその「習慣」に脱帽した。掃除は毎日しなきゃ簡単には綺麗にならないことも知った。決められた就業時間や職場の大事さ(彼への気遣いをしないと彼は仕事ができなくなる)も彼から教わった。ロボットではあるが、彼は人間と同じと考えた方が理解が早い。なので、僕はルンバと同じく、毎日家の掃除をし、できる時間内で仕事をし、そしてそれを繰り返すことでタスクをこなしていく流れを学んだ。

そして掃除というのは気持ちがいいものだと彼は教えてくれている。不潔な人は嫌がられるが、綺麗だと喜ばれる。掃除を繰り返していると抜けているポイントがだんだんわかってくる。仕事も巡回の感覚でやっていると、そのうち気づくことがでてくる。そして制限時間をもうける。でないとバッテリーが人間も切れてしまうからだ。次は明日やろう、それでいい。充電をして、また始める。そのことで彼は耐久力も身に着けているのだ。僕だってそうさ、と。

ルンバが頑張ったことを特に告げないというのもなんだかカッコいい。黙って掃除をし、黙って仕事をしていてちゃんと望まれた結果を残す。そんなルンバに僕はなりたい。


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