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Why?から始める重要性

ゴールデンサークル理論


ゴールデンサークル理論とは、マーケティングコンサルタントであるサイモン・シネック氏が提唱する理論である。

TEDでの講演は約4000万回という圧倒的な再生数を記録している。

理論の概略を簡単に説明すると、

世の中の成功したリーダーや企業にはある共通の特徴があるという。
それは、Why?(なぜやるのか)ということを自分たちのアイデンティティに置いており、そこからHow(どのように)What(何を)という優先順位で物事を決めているということ。

ゴールデンサークル理論のイラストによると、玉ねぎのような円形があり、それは3層になっている。
中心から外に向かって、Why→How→Whatの層が出来上がっている。
優れたリーダーや成功している企業はおおむね、同じような思考経路をたどる傾向にある。
Whyから始まり、How、そしてWhatへと。

一般の企業や人は考え方が逆のことが多いという。
つまり、WhatやHowにもとづく価値観の形成に終始追われており、肝心かなめのWhyを突き詰めて考えることはないという。
それでは、顧客や他人の感情に訴えかけることはまず出来ないそうなのである。

Whyを重視して、成功した事例として、Appleやキング牧師、ライト兄弟をTEDの講演では挙げて、話を展開している。
彼らに共通するのは、Whyという確固たる信念が中心にあり、HowやWhatは枝葉に過ぎないということである。
Whyさえぶれなければ、他はあとからゆっくりと、自然についてくるものなのである。

進化論から見る影響力

ヒトの脳の断面を上から見ると、脳は3つの主要な部位に分かれている。
そして、それはゴールデンサークルと対応しているのである。
一番新しい脳の部分は大脳新皮質であり 、「What(何を)」とか「How(どのように)」のレベルに対応する。
新皮質は合理的・分析的な思考と言語を司るとされる。
大脳新皮質より内側にあるのが大脳辺縁系である。
これは大脳新皮質よりは発生が古く、原初的であり、感情、信頼、忠誠心などを司るとされている。
また、ヒトの行動を司り、全ての意思決定を行うが、言語能力はないとされている。

優れたリーダーは、ゴールデンサークル理論のど真ん中のWhy?を重要視する。
この確固たる、ぶれない太い芯であるWhyが、ヒトの大脳辺縁系を刺激することで、それに影響を受けたヒトもまた、それを自分のアイデンティティとすることで、伝染していき、熱狂的なファンやフォロワーへと育っていくという。

そうしたヒトたちは、優れたリーダーが発したビジョンに感化され、それを自分の理念にして、その企業とか、その人のためというよりは、自分のため、自分がそうしたいからと理由で行動をするという。

脳科学的にヒトは理屈よりも直感によって行動することが確認されているが、キング牧師やライト兄弟、Appleなどの優れたリーダーや企業はそれが科学的エビデンスにもとづいてはっきりとした理論として知られるはるか以前から、自分の確固たるアイデンティティの強さでもって、それを実証していたわけであるから、恐るべしなのである。

確かに身近にも、数値目標とか、エビデンスレベルで語る人よりも、熱い思いで語る人がいるが、そういう人の話を聞いて、「よく分からないけど、なんかいい」、「不思議に妙に説得力があるなぁ」、「なんか、つい聞いちゃうよね」、そういった感じを受けることがまれにある。
これって、自分の大脳辺縁系が刺激されているってことなのかもしれないな。
今度からそういうヒトの話を聞く機会があった時は、このヒトのwhyは何だろうという視点で聞いてみると、新しい発見があるかもしれない。

ゴールデンサークル理論は優れたリーダーや企業だけが持つ特有の能力というわけではないと思う。
生物学的に我々ヒトが自然とこうした行動をとる、本能的に受け入れやすいということを知っているだけで、自分のアイデンティティを見つめなおす上では、とてつもないアドバンテージになるはずである。
これを知っているか、知っていないかで雲泥の差が生まれると思うのである。
何をするにしても、まずはwhyから始める。
この習慣をつけるだけでも、人生が変わるはず。


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