Covid-19ワクチン(ファイザー)体験記

 肌感覚として、正直若い世代の人はワクチンを多少なりとも打たずに済ませたいと思っている人が多いように感じる。新しいワクチンは副反応がどれほど出るかわからない、万一かかったとしても若いなら無症状で済むかもしれない…思うことは様々だろう。そこでかかりつけのクリニックで幸運にも、少し早く2回目の接種を終えることができた身※から、ワクチンを受けた後の身体の変化について書くことにした。
 公開した7月14日時点でワクチン供給が不足する恐れが広く報道されている。正直ラッキーな形で摂取できた形であったこともあり、接種したことを公表しようか迷った。しかし特に若い世代の中で接種をためらう風潮があり、根拠のないデマなども溢れている現状では、この体験を公開したほうがより社会に寄与できると感じた。判断の一助としていただければ幸いである。

※家族の連れ添いでの来院日に生じていた余剰のワクチンを、自治体のガイドラインに従った上で接種したものです。
※内容はあくまで個人の体験に基づいたものです。

1回目(6月某日)

 高齢である親戚の来院に付き添った際に、クリニックでワクチンが余っているということで接種してもらった。本来なら年齢が高い同伴者の母が打つはずだったのだが、医療従事者ですでに接種済みのため自分にまでお鉢が回ってきたのだ。ちなみに4月頃に接種した母の副反応はわりあい強めに出た部類であるが、これについては後述したい。
 接種したのは午後8時頃。筋肉注射は打たれた記憶がなく、もしかしたら初めてかもしれない。感触は皮下注射より痛くなく、気づいたら終わっていたというものだった。といっても自分はここ数年隙あらば献血で太い注射針でブスブスいわされているので、もしかしたら参考にならないかもしれない。何れにせよ注射の時点は何もなかったし、15分間の待機時間においても同様だった。

 翌朝起床しても特に熱っぽさ、接種部位の痛みもなく日常生活も不自由はなかった。唯一何かあったとすれば接種翌々日以降に発生した、左脇の極めて軽い違和感だ。具体的には左脇の二の腕に近い部分に火照った感触が2日程度続いた。後で調べると免疫システムの反応の一つということらしい。ああ、ちゃんとしたものを打ったのだなと思ってホッとした。

2回目(7月某日)

 1回目の接種から3週間後、慣例にならって家族とともに来院、接種を受けることになった。母の副反応が1回目は微熱がまる1日、2回目は38度の熱が2日続き、食べ物もろくに摂れず寝込んだのを間近で見てきたので内心では相当身構えていた。もちろん推奨されている解熱剤も揃えて万全の準備は揃えている。とはいえ前日は所用で外出して少し疲労が溜まっており、解熱剤以外に買うべきものを買えなかった。もちろんそうした情報について集めるのを怠ってしまっていたこともあるが。

画像1

 ほぼ正午に接種。お医者さんに無理を言って接種時の写真を撮ってもらった。若い世代の啓発のためにと言ったら快諾していただいた。当然そうした意図もあるのだけど、自分がこうした世界史的な動きの一部に関わったことを示す、目に見えるものを記録したいという心情もあった。一応史学と名前のつくものをやっている人物の習性ともいうべきか。待機時間後接種証明になるシートをもらって、昼食の弁当をスーパーで購入して帰宅。

 その後普通に自室で作業をしたり、空き時間にネトゲをしたりしていたのだが特に別状なく、ノーダメージで終わるのか…と淡い希望を抱き始めた。しかし8時頃、夕食をいつもどおり食べた後から少し熱っぽさが出てきた。そもそも人と会う機会自体が少なかった去年は当然として、もう何年も熱を出していないので「発熱」という感覚を暫く忘れており、認識するまでに少し時間がかかってしまった。早速熱を測ると37.4℃。意識そのものは明晰で何ら問題はないのだけど、念の為に早めに寝ることにした。10:30ごろ就寝。

 …頭痛で目覚めてしまった。時刻は午前4時15分。デスクワークで疲れた肩、頭の筋肉、そして昨日歩いた足の筋肉に倦怠感、筋肉痛が生まれていた。そして熱も上がっていた。調べてみると38.4℃。腕も上がらないというほどではないが、やはり接種部位が少し痛い。割合きつい部類だろう。しかしダルいとはいっても身動きできないほどではないので、寝汗で乾いた喉を水で潤すことにした。水分補給はできたのだが頭痛はやはりおさまらないので、なかなか寝付けず、結局ウトウトしつつ目覚めてを繰り返しているうちに朝になってしまっていた。
 食欲はないことはないので、朝食にヨーグルトと菓子パンを食べたが先述した筋肉痛めいた倦怠感は絶賛継続中で、熱も変わらず38.4℃。横たわってラジオを聞くなどした。たまに起き上がって窓を開けたり閉めたりしていた。体温調節がうまくいっていなかったからか、エアコンの風がしんどく感じたからだ。
 ここで役に立ったのがポカリスエット系のスポーツドリンク、そして麦茶である。前者を冷蔵庫の中から引っ張り出し、後者を煮出して飲む。これだけで完全ではないものの、相当に頭痛が改善されて気分も上向いてきたのだ。もしかしたら頭痛倦怠感の一部は寝汗でミネラルが出てしまったゆえのことだったのかもしれない。ちなみに就寝中には一切エアコンはつけていない。
 そうこう思案している間に空腹にもなってきたこともあり昼食を摂りたくなってきた。無性に塩気の入ったものを食べたくなったので、冷凍のおこわを食べることにした。同時に熱を測ったのだが、38.1℃。あまり下がってもいないが、麦茶スポーツドリンクのおかげで悪心などは余りなかった。ここで熱が上がっていたら薬を飲もうと思っていたのだが、少し下がっていたので見合わせた。結局解熱剤はこれ以降出る幕はなかった。
 3時から7時頃までベッドで寝て起きてを繰り返していると夕食の時間。親が用意してくれたが、案の定このぐうたら具合では食欲はさほど出ない。とはいえ通常量からご飯を抜いたくらいは食べることができた。月末の発表準備を滞りなく済ませて11時頃就寝。寝る前の体温は37.6℃で相当に下がってきていた。

 翌朝起きて体温を測ると36.9℃。自分の平熱を考えると少し高めだが、頭痛筋肉痛のたぐいも昨晩からは格段に収まった。食欲も通常に戻り、昼食は自作のつけ麺を美味しくいただいた。不思議と1回目のときのような腋下の違和感も全く見られない。正午に体温を測ったら36.5℃。これをもって通常状態に戻ったと判断した。

結論…やっぱり打ちたいよね

 こうしてみるとなかなか過酷な副反応だったと見る向きもあるかもしれない。しかし新型コロナ感染、その後遺症、他人に移してしまう危険性などを考慮すると、間違いなく1日程度の熱、しかも風邪のような強烈な倦怠感のない副反応で感染リスクまで抑えられるのは幸せな話だろう。これまでに示したとおり翌々日には通常状態での行動が可能になり、何も後遺症などはない。当然5Gにも接続できなかったし、磁石もくっついてくれなかった。
 知人などの話を聞いた限りでは、自分の副反応は比較的軽めだったように思われる。結局解熱剤は使うことはなかったのもそうなのだが、1回目の接種でほぼ何もなかったことが何よりの証左だ。

 数少ないアドバイスがあるとすれば、脱水で頭痛が増幅されたので麦茶スポーツドリンクの類を備えておく、我慢できないときのために頭痛薬を備えておく、筋肉痛が出るので前日はなるべく静かに過ごす、この3つである。

 何とかしてこのあらゆる方面において過酷な状況を終わらせたいという状況は皆目一致するとおりである。その一助として、特に社会的に不安定であり、将来の状況が左右される若い世代にこそ、積極的に接種していただきたいものである。決して自分の将来、家族の安全などは他人事ではない。1日2日ダウンした経験と天秤にかけた上で、私は躊躇なく前者を選ぶ。それが自分たちの将来を明るいものにする、小さいながらも確実な一歩なのだから。



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