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ライブ評「ポップロード・フェスティバル」 CSS復活にパティ・スミスの貫禄など、盛りだくさん!

どうも。

では、今日はこちらの批評に行きましょう。

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11/15に行われました、サンパウロのラテン・アメリカ記念公園で行われた、毎年恒例のポップロード・フェスティバル、こちらのレヴュー、行きましょう。

今年は、目玉新人みたいなものがいつものこのフェスにしては少なかったのですが、一つ一つに話題はありました。4行目から上の7つのアーティストのレヴュー、行くことにしましょう。

<11:55 リトル・シムズ>

まず、僕が会場に到着後に最初に見たアーティストがイギリスの女性ラッパー、リトル・シムズ。今年、傑作セカンド・アルバム「Grey Area」を発表して注目度を上げた彼女。生バンドを主体としたソウルフルなサウンドに、ライムのキレ味の鋭い高いスキルのラップを聞かせる彼女。現在のUKラップの隆盛を改めて深く知る上で大事なライブだと思い、午前開始と早いながらも急いで駆けつけました。

ステージ上には先に3人の男性陣。ドラマーと、キーボード兼ギター。あとはDJ。この3人が舞う中、男性3人とお揃いの白いスーツに、ドレッドをポニーテイルにしたスリムなシムズが拡声器を持って入場してライブは始まりました。開始時間が早いせいで客は多くはなかったのですが、それでも前方の方では手でウェイヴが早速起こっていました。彼女によるとサンパウロはゴリラズのゲストシンガーで来て以来、2度目だったんですって。ウケが早速良かったのは、そういう理由もあったのかもしれせん。

「ノーフ(North。thの発音がfになる)・ロンドンからはるばるここまでこれて嬉しいわ」を連発する彼女、ブリティッシュ・アクセントで、70sのソウルマナーに乗った、オーソドックスでオーガニックな、玄人好みするヒップホップを切り出します。惜しむらくはテープで出してると思われるホーンなどのサウンドが全て実際の生バンドで出せたら、彼女のライブ、さらに肉感的にカッKお良くなるんだろうと思いましたけど、今の彼女の知名度と商業規模なら、これが限度かな。でも、それが実現できた暁にはかなり、大きな存在になれるだろうと思いました。後半に披露した「Selfish」や、エイミー・ワインハウスやカート・コベインなど早世したレジェンドにオマージュを捧げた「Flowers」など、思慮深さを含んだリリックをシンガロングできるバランス感覚のとれたキャッチーな曲も少なくないので、今後へのチャンスはまだまだあるはずだと思いましたね。

<13:15 クルアンビン>

続いてはクルアンビン。テキサスが生んだ、3人組のインスト・バンドで、昨年、音楽マニアの間でかなり話題になりましたね。「タイのファンク」という、かなり珍しいものを、スペイン語の曲名とともにプレイする、というだけでもかなり謎ですが、フロントが男女のおかっぱでその間に黒人ドラマーが割って入るという絵柄もかなり特異な感じがしてました。

「ただ、サウンド的にはまんま初期サンタナで、そこまでオリジナリティが正直わからないなあ」。僕の率直な彼らの印象はこんな感じでした。

そして今回、彼らのライブを初めて体験したわけですけど、サウンドから受ける印象はそこまで大きく変わりはしなかったんですけど、それでも「ただ単に聞くだけなのと、見るのでは大違いだな」と改めて感じました。一つは、プレイの的確さとうまさ。これはうなるものがありました。ギタリスト、マーク・スピアーの、弦の一本一本の振動とメロディを大事にしつつも、かなりスピーディな指の運びによるテンポ感の早いリフとソロは、うまさを堪能すると同時に、聞く者の体をかなり前のめりに揺らすもの。

そこに加えて、ローラ・リーの畝るベースラインと、スネアのヘリでリズムをメトロノームのように刻むドナルド・ジョンソンのドラムが正確なリズムを刻むんですが、この際のローラ・リーの動きがとにかく妖艶で!金ピカに光る肩幅の広いトップで目立つ一方、下半身が「それ、ブルマ?」って感じのパンツで、ベースが唸ると同時に、彼女の股間がゆったりと揺れるんですね。しかも、そういう瞬間に限って、左右の大型モニターが脚の部分を強調して映すものだから、もう、それが焼き付いてですね(笑)。さらに言えば、曲によってはマークとローラが後ろを向きながら、2人で一緒にお尻を揺らしながら弾いたりもしてね。「魅せるバンド」としては、かなり魅力的なバンドの印象受けましたね。

これにあとは、もう少しサウンドの独自性が加わっていくとさらに面白くなるような気がしましたね。同じスタイルにこだわり続けるのも一つの手ではあると思いますが、プレゼンスのユニークさに音が付いていき、上回るようになったりすると、このバンド、まだ化けるような気もするので。

<14:45 トーヴ・ロー>

 続いてはスウェーデンのエレクトロ・ディーヴァのトーヴ・ロー。彼女は当初出演予定だったベイルートの代役で、かなり意外な感じもしました。ただ、彼女の場合、1回ロラパルーザでやってきてもいて、その時のウケも上々だったため、ウェルカムはされていたと思います。

想像以上に、バンドな感じの編成だったんですが、そこにブルーのレイヤードのロングヘアにパープルのタンクトップを着たスポーティな彼女が颯爽と登場してライブが始まりました。

トーヴの場合、元がソングライターなので、コンパクトに無駄なくキャッチーな曲が書けるし、ルックスも美人だし、歌もハスキーでパワフルと、いずれも平均点以上の力を持っています。ただ、悪い意味で「器用貧乏」というか、飛び抜けて目立つものがないんですよねえ。歌詞もこの人の場合は、ガールパワー的なエンパワメントを多用するんですけど、これも昨今では別に珍しいことではないし。

こういう時に、「クセがない」というのはツラいとこなんですよね。例えばこれがRobynなら、か細いキュートな声を、眉間にしわ寄せながら必死に歯を食いしばってソウルフルに歌い上げるのがかなり耳にアピールするし、クリスティーン&ザ・クイーンズのクリスは、エレクトロの域を超えた独特のエレガンスが曲の中に独特な残り方をするんですけど、そういう特徴がないんですよねえ。かくなる上は「全体のトータル勝負」になる人だとは思うんですが、シングル・ヒットした「Cool Girl」での分かりやすい通俗性以上の強い個性が彼女には求められますね。

<16:15  Cansei De Ser Sexy(CSS)>

そして、この日の目玉の一つ。サンパウロが生んだ偉大なるガールズ・バンド、CSSの復活ライブです。彼女たちの場合、2013年に活動休止してから6年ぶり。サンパウロでライブするのが8年ぶり、という状況でした。

CSSは日本とかイギリス、アメリカの一部などでは2000's後半、かなり強い人気だったものですが、ブラジルの人たちから言わせると、「国外先行人気だった」という話はよく聞かされていました。ブラジルだと、このフェスのオーガナイザーの音楽ジャーナリスト、ルシオ・ヒベイロが激押ししてたことが有名だったみたいでしたけど、果たして今回の再始動がブラジルのお客さんにアピールするか。加えて、メンバーが活動休止前の4人、ラヴフォックス(vo)、ルイーザ・サー(g)、カロリナ(b)、アナ・レゼンデ(key,g)のままで、初期のソングライターに貢献した野郎のアドリアーノ・シントラ(ds)とは仲直りせず、代役の野郎ドラマーでのライブ。このあたりもどう出るか、気になるところでした。

そんな感じで、見る側も少し緊張しながら臨んだんですけど、いざ始まってて見ると、僕の周囲は隙間なく人でいっぱいになり、後ろ振り向くと、しっかり満員の状態になっていました。そして「Art Bitch」でライブが始まると、オーディエンスは大歓声で迎えます。

ステージに上がったラヴフォックスは、マルーンのベレー帽にブルーのコートを着て登場。「シックな感じで来たな」と思わせましたが、歌も最初の入りはだいぶ丁寧でしたね。彼女自身、人前で歌うこと自体が久しぶりで緊張した面持ちでした。

「Musi is My Hot Hot Sex」「Move」と代表曲をやってもまだ硬い感じがしたんですけど、そんな彼女たちにサンパウロのオーディエンスが温かい励ましの歓声で応え続けます。そんな観客に対し、ラヴフォックスがポルトガル語でMCをするわけですけど、これが案外、新鮮でしたね。彼女たちのライブは2回体験してますけど、いずれも日本で英語MCでしたからね。出身なので当たり前といえば当たり前なのですが、このポルトガル語を耳にしてやっと、彼女たちがブラジルのバンドであったことを改めて再確認しましたね。ちょっと不思議な感じでした。

そして、ここいらでラヴフォックスも吹っ切れたか、ラヴフォックスはコートを脱いで、全身オレンジのTシャツと短パン姿に衣替え。5曲めの、これも人気曲、「Meeting paris Hilton」あたりから、声の大きさも動きも活発になり、昔を思い出したか、かなりワイルドになっていきます。

そして続く「A La La」からは、もう彼女たちの独壇場。ここで活躍したのは、彼女達以上に、背後に映っていたビデオによるアートワークですね。この日は、このアートがオシャレかつユーモラスな効果を出していたんですけど、この曲の後半では、なんとブラジルのクソ大統領、ボウソナロの映像が登場。そこに「Ei,Bolsonaro vai tomar cu(クソでも喰らえ、ボウソナロ)」という、今年のリオのカーニバルでもロック・イン・リオでも大合唱となったボウソナロ批判の有名な掛け声の歌詞が出てきて、さらにはボウソナロの顔写真にウンコのイラストの塊が乗る瞬間まで出てきて(笑)。この場に集まってるような人たちはみんなボウソナロなんて大嫌いなので、この盛り上がりは、CSSのみならず、この日のフェスにとっても最初の大きな一体感となりましたね。

これで勢いづいたCSSは、ラヴフォックスが後ろを向いたま崩れ落ちるアクションを披露するまでに、いい意味で高いテンションでつんのめった感じで進んでいきました。「Let's Make Love And Listen To Death From Above」あたりが大合唱になったのは言うまでもありません。

ラヴフォックスに引っ張られるように、休止期間を経てむしろセクシーに成長していた他の3人の立ち姿もカッコ良くなってましたね。いい意味、やんちゃなままのラヴフォックスとの対照ぶりもよかったです。あと、この日のオーディエンスで目立ったのはとにかくゲイ客の熱狂が目立ちましたね。僕の周囲、360度のうち300度くらいが実際にゲイだったんですけど、熱いファンベースになってる感じでしたね。

こうしているうちに残り2曲になった時、ラヴフォックス、MCで感極まって泣き始めました。「正直、こんなに盛り上がるなんて思ってなかった」とか言って。活動休止前の、どこに向かっていいのかわからなくてってたどん底ぶりから考えると、全くうそのような歓迎ぶりでもありましたからね。僕自身、ここまでブラジル人たちが熱狂するとは思ってなかったですね。ショウは「City Grrrl」「Superafim」で高揚したまま幕を閉じましたが、アンコールも止める拍手も少しあったくらいにオーディエンスはホットでした。

この感じだと、次のライブも、さらには新曲、アルバムのレコーディングも決して夢ではない気がします。今度は「国外先行」でなく、ブラジルのファンにまずは支えられての温かい再活動を期待したいところです。

<17'45 ホットチップ>

続いてはホット・チップ。CSSが世界的にヒップだった時代に、イギリスのニュー・レイヴ・シーンを共に盛り上げた存在です。あの頃に比べると売れ方は地味になった、というか、もともとが地味なバンドではあったんですけど、今や貫禄のエレポップの中堅バンドになってます。

僕自身、彼らのライブを見たのは2011年以来8年ぶりのことでしたね。かっらは今年、新作「A Bath Full Of Extacy」をリリースしましたけど、いい意味で変わらないというか、人肌の暖かさを感じさせる、歌心豊かなエレクトロな風味でしたね。

その印象はこの日のライブでも同様でしたね。フロントマンのアレクシス・テイラー、トレードマークの黒縁メガネに、黄色のツナギの謎な衣装はいつも通りで、もう「筋金入りのナード」なんですけど、いざ歌わせると、ロイ・オービソンを彷彿させる涙ビブラートで、この声聞くだけでもウットリするんですよね。そしてシンセとなると、こちらはちゃんと鍵盤弾いた、振動音バリバリの、いかにもヴィンテージなアナログでね。この辺りの個性はしっかり確立されてますね。そして久々に生で聴く「Boy From School」「Ready For The Floor」「One Life Stand」といった代表曲もよかったですね。

ただ、いかんせん地味な人たちゆえに、自己主張しても気がつかれずにいく場面も見られましたね。象徴的だったのがアレクシスが曲の途中で突然、「fuck, Bolsonaro!」と、ブラジルのクソ大統領、ディスしたのに、あまり気づかれなかったという(笑)。こういうところは、逆にキャラのなせる技だなと苦笑してしまいましたね。

 そしてライブはなぜか、ビースティ・ボーイズの「サボタージュ」のカバーでシメるという、唐突で謎な展開。ただ、勢い地味な存在になりがちなので、こういう自己主張はバンドとしては必要なのかなとも思いました。

<19:15 ラカンターズ>

そして、ラストから2番目に登場はザ・ラカンターズ。ラカンターズといえば、ジャック・ホワイトにとって「2番目のプロジェクト」的な位置付けのものとして知られていましたけど、今年、12年振りのアルバムを出して、全米1位に輝いて話題になりましたよね。

僕はホワイト・ストライプスは大好きだったんですけど、ラカンターズに関しては、今ひとつ、どういうバンドにしたいのか、ジャックは何がしたいのかがハッキリ見えなくて、今ひとつ好きになれなかったんですが、「Help Us Stranger」で、ようやく役割分担がハッキリ見えたような感じがして、ひとつの手応えみたいなものを感じていたので、このライブも楽しみでした。おそらくそれはジャック本人もそうだったんでしょうね。今回のライブ、プレイした楽曲のほとんどが新作からでした。

ラカンターズでの新しいジャックの役割。それは「どんな曲でも、とにかく目立つこと」(笑)。これまでのラカンターズって、ジャックが「バンドの一員」になろうとしすぎて、彼本来が持っている並外れた実力が今ひとつ抑えられている感じがしていたんですけど、今の彼らは、彼がヴォーカルをとる曲では、他の3人はバックバンドに徹して、ジャックは大声で歌ってギター・ソロもキメる。そして、ブレンダン・ベンソンが歌う曲では、途中でヴォーカルに絡み、自分の曲の時よりもラウドなソロを聞かせる。4人のバランスがこれで壊れるような感じもあるんですけど、もともと人々はジャックに注目しているわけですから、むしろこれでいいんです(笑)。この、表現のわがままさこそがジャック・ホワイトらしさでもあるんだから。

あと、ラカンターズって、ジャックとブレンダンで「レノン&マッカートニー」的な見せ方もあったバンドなんですけど、今回のライブ見て、ベースのジャック・ローレンス、「ビッグバン・セオリー」のエイミーにソックリなメガネのロン毛の人ですけど、彼がジョージ・ハリスン役を巧みに演じてましたね。ブレンダンとハモる役割が彼になっていましたから。

あと、ジャックの最近のソロは「自分のしたいこと」をやろうとしすぎて楽曲のまとまりがなくなってるところが否めないんですけど、ラカンターズは「トラディショナルなロックバンド」の制約がある分、曲の的が絞れているし、やっぱ、まとまって聴きやすいんですよね。その意味でも今作は成功だったのかと。

ラストでやった「Steady As She Goes」だけ、なんかセットリストから浮いているような気もしましたけど、客になじみのあるバンドのデビュー曲なので、それもよし(笑)。バンドとしての一体感も出てきているので、「次のリリース、早いだろうな」と手応えを感じた良いライブでした。

<20:45 パティ・スミス>

そして今回のポップロード・フェスティバル、ヘッドライナーはパティ・スミス。ブラジル国民にとっては今回が伝説の初ライブでもありました。

僕はパティのライブは、これで4回目でしたね。最初に見たのは1997年1月の新宿リキッドルーム。この時、パティは52歳。この時も「伝説が観れる」と思える年齢でしたけど、もう、とても50代とは思えないドスの効いた激しさにとにかく圧倒された記憶が昨日のことのように思い出されます。そして、あの時も、その当時にしt40代だと思しきサラリーマンみたいな人が、「10数年ぶりにクローゼットから取り出してきたんだ」みたいな、気合のレザージャケットを着てきていたのがすごく脳裏に残っています。このサンパウロでのパティもそうですね。お客さんによっては、明らかに60代以上の人の姿も。あと、40〜50代の女性の方もすごく多かったですね。それだけ、レジェンドの降臨を待ち望んでいた人が多かった、ということでしょう。

ただ、そんな僕でも、パティを見るのは2001年のフジロック以来、18年ぶり。「今、どうなっているんだろうな」という、先の見えない漠然とした不安がなかったといえば嘘になります。

そして72歳になったパティを最初に見た瞬間は、正直、寂しいものも感じました。いくら「不屈のロッカー」とはいえ、もうさすがに年齢が年齢です。声のパワーは50代の時よりは明らかに落ちていました。さらに以前はかなり激しく動いていたところが、あまり動きもなくなって。その分、着てるものは洗練され、クシャクシャだった髪もきれいにセット(当人比)されるようにもなったんですけど、そこは時の流れを感じましたね。最初に歌った曲が人気曲の一つ「People Have The Power」なのでなおさらそう感じました。

ただ、幸い、「ヴォリュームが落ちた」だけで声質そのものには変わりなかったので違和感はなく、「年取ったなあ」という残念な気持ちも曲が進むたびに消えて行きました。それは、「加齢で失ったものを埋め合わせるものの」がしっかり成長しているのが感じられたから!

それはこの日のカバー曲のチョイスにありましたね。4曲めに披露したのは「Beds Are Burning」。オーストラリアのバンド、ミッドナイト・オイルが放った1987年のヒットなんですけど、ここからパティの歌う曲や曲間でのメッセージが過激になっていきます。パティはどうやら、世界中で問題になったアマゾンの森林火災でのブラジル政府の政策がお気に召さないようで、「マザーネイチャーに耳を傾けよう」「ガヴァメントを今こそ変えるとき」と、まあ、煽る煽る(笑)。ここで客席からは、ボウソナロ批判を盛り立てるコールが相次ぎます。そして、これに乗せられて、抑え気味だったパティの歌も徐々に力がこもってきます。

こうしたアグレッシヴな面と同時に、ロマンティックな歌も冴えていましたね。ニール・ヤングのカバーの「After The Gold Rush」はこの日の夜空を美しく彩るかのようだったし、そして「サンパウロの恋人たちに捧げます」とうたった「Because The Night」は最高にロマンティックでした。

そしてクライマックスは、70年代なかばのデビューからおなじみの「Land」、さらに「Gloria」でしたけど、ここでパティは封印していた野太い咆哮を解禁し、ついにはフェンダーのエレキギターを手にして、手加減せずに力任せに直線的なストロークをギターに叩きつけます。曲がカオティックなロングジャムになっている間に、ギターの弦は3本くらい切れてる状態になってましたね。彼女本来のエモーションは炸裂してました。体力は衰えたものの、彼女が本来持っているものは何ら死んでなく、見てる僕らが驚かされるそこを突かないパワーも余裕で健在。「ああ、こんな風に自分も歳をとれればなあ」と思ったし、ポリティカルなメッセージ性がから回らずに説得力をより持ってきているのも素敵だなあと感じました。見れて本当に良かったです。

















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