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「ライブを特別な空間に変えれるマジック」を持つ人はやっぱり語られる

どうも。

ここ数日、僕のSNS見てみると

チバユウスケ・ロスが止まらない人がい多いですね。

僕もタイミングが合えば追悼を書きたかったんですが、運悪く忙しい絶頂に当たってしまったんですよね。それ、書くとしたらものすごく長くなることは必至でしたし、そのための時間がなかったのです。その代わり、旧ツイッターで短い追悼と僕の想いは細かく沢山打ってますけどね。

 そうなる理由は痛いほどわかるんですよ。そして、これはチバ氏だけでなく、これこそがロック・ミュージックが他のジャンルの音楽よりもまだリードしているポイントであるとさえ思ってるところでもあります。

 それはロックの場合、ただ単に名曲、名盤というだけでなく、

ライブ・パフォーマンス


 この、曲とか盤とか有形の存在の次元を超えた、自分の脳裏や身体に、よりパーソナルに圧倒される形で刻まれた体験が強い分、記憶が倍加されて残りやすく、それが強い思い入れとなって後世に語られやすくなるんですよね。

 どういうライブがそれを可能にするか、というと、それは観客動員の問題などでは全くありません。それはほとんどの場合は生身の人間が生で演奏、歌唱することでしか生まれえない、音楽におけるリアルな実力です。それは耳を刺激する鋭角性であったり、身体を根底から揺さぶるグルーヴであったり、心に訴える最高の歌唱であったり。そういうのは家で既成の作品だけ聴いていたのでは決してわからないことですからね。

 チバ氏、ミッシェル・ガン・エレファントというのは、この4半世紀くらいの日本の音楽界において、それが最も実証できた存在なんですよね。僕の短い邦楽の仕事体験が、ちょうど日本のロック史において「最強」と呼ばれることの多い、1996〜2000年と重なることもあって、この時期に日本のすぐれたアーティストのライブ、「ライブビート」という番組での仕事を拠点として、たくさん見させていただいたんですけど、ミッシェルのライブってその限りなく最高峰だったんですよ。

こういうの、思い出してはずっと語っていくわけでしょ。こういう感じのものは伝聞で後から知ってもグッとくることはかなり多いものですけど、この場を生で体験してたら、人によっては人生変えかねない勢いで心地よい衝撃なわけじゃないですか。そういう刺激を与えられる人というのは、やはり本物なんですよ。

そのことを最近、ミッシェルの件以外でもすごく痛感するんですよね。

それはやっぱり

ローリング・ストーンズこそがそうしたバンドの歴史的な代表なわけじゃないですか。まだロックが大きな興行になる前からライブの見本を示し、半世紀以上も影響を与え続ける存在が、80にもなってまだ健在に体が動くとかって、ありえないことじゃないですか。サッカーで言うなら、ペレとかクライフがまだ一線でプレーしてることくらい、普通だったらありえないことですよ。

僕は、実はロックの音楽、文化としての価値が上がっているのは、ストーンズやポール・マッカートニー、ボブ・ディランと言った時代を築いた巨人たちがライブを通じて何10年もレガシーを表現し続けていることに押し上げられているからではないかと思ってます。それが曲やアルバムを、ある時代の「点」だけに留めず、その後の時代への「線」として機能させてるのではないかと。そうすることによって、普遍性がより強まってると思うんですよね。

そして、最近そのことを強く感じさせるのが

マネスキンなんですよね。

欧米のメディアで彼らを嫌い、貶めようとする人たちは少なくないんですが、今やミック・ジャガーまでもが「世界で一番人気のバンド」として認める存在にまでなってます。

 批判的なメディアというのは勘違いして、その人気が派手な見かけにあると思ってるんですけど、それは本当に彼らのことを知らなさすぎですね。日本のファンならよくわかってるじゃないですか。その人気に火がついたのが、2022年8月の豊洲ピットでの日本初ライブとサマーソニックだった、ということが。それを見て評価してるわけだから、筋違いの悪口言われても響かないんですよね。

それは本人たちも強く意識していることです。何にもまして、いつもライブ最優先じゃないですか。テレビ・パフォーマンスもちゃんと生でやってる。これ、今年の初めにインタビューでダミアーノが言ってたことなんですけど、「ユーロヴィジョンの後、いろんなアワードみたいなところに呼ばれてパフォーマンスやったけど、ほとんどのアーティストがプレイバック使った演奏しないものばかりだった」として、それがライブへのこだわりが上がった理由になったと語っているんですよね。

 そうしたライブの美学、そこから生まれるマジックが継承される限りはロックは大丈夫だと思ってるし、たとえ亡くなってしまった後でも語り継がれていくものだと僕は信じています。









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