近日中にブラジルで「事件」起こるかも・・・。コロナ禍での迷走が止まらない大統領、ボウソナロ
どうも。
こないだも、この話しましたけど、いやあ、ブラジルで
クソ大統領、ボウソナロの暴走が止まりません。
彼のことは３月２６日付で
このような記事を書きました。彼が３月２４日にやった、「経済が傾いてしまうから、隔離政策はやめて社会に戻れ」という政見放送。これは本当に不評でした。何せ、ブラジル国民の８割近くが隔離政策には賛成なのだから。
ボウソナロが言ってることはブラジルでもトンチンカンだし、世界的にも
「コロナ対策での隔離政策に頑なに反対する四人の国家元首」。今、世界でたった四人しかいないんですよ！ブラジル以外は、中米のニカラグアに元ソ連のベラルースとトルクメニスタン。ボウソナロ以外は全部左翼独裁政権なんですよ（笑）。彼は死ぬほど極左を嫌ってる人なのに（笑）。「極右だから経済優先」なんてことは、どこの国もしなかったんですよ！
今、世界で問題の極右大統領といえば、左からハンガリーのオルバーン、ヨルコのエルドアン、フィリピンのドゥテルテなんですけど、彼らはむしろ逆に「隔離政策守らんヤツは懲らしめるぞ！」という姿勢なんですが、「同じ極右でもずいぶん人道的じゃなか」と思って感心しましたもん。同じことはイギリスのボリス・ジョンソンにも言えますけど。つまりボウソナロは、極右大統領の中でもサイテー、ということです。
そんなボウソナロに４月３日、ショックなことが起こります。それは
この保健相のマンデッタさんという人、この人の人気が世論調査で76%が支持する、という結果が出たんですね。この人は、元がお医者さんで、WHOの支持に基づいて、速やかに隔離政策を支持。わかりやすい解説もあって、州知事や連邦（日本の国会）議会でも絶大な信頼をされていたんですよ。
そうしたら、ボウソナロ、彼にどういう態度とったと思います？
俺より人気があるのが気に入らん。クビにする！
「ええっ！」でしょ？国民の四人に三人が支持する大臣をですよ！
なので、この世論調査が出た翌日から
大統領の二人の息子が暗躍ですよ。左が次男カルロスで右が三男エドゥアルド。この二人がブラジル・ネトウヨの元締めなんですよ！
まず、次男がですね、本職がリオ市会議員のクセに、その仕事は何もせず、内閣内に非公式に作られた「ヘイト部」というセクションのリーダーなんですよ。こいつがですね、ネットの知識だけはあって、大量のボットとフェイク・アカウント、それからフェイクニュース・サイトを動員させて、ネット上で大量にマンデッタの陰湿ないじめを２週間近く続けたんですよ。三男は下院議員なんですけど、自分の政党の子分みたいな連中を動員して、同じくネット上でいじめですよ。
もう、この手口ではですね、昨年、ボウソナロと袂を分かった複数の政治家たちが手口バラして一気に有名になったことです。バラされてもなお、やり続けてるというね。
さらに、この二人率いるヘイト部隊は
「隔離は絶対に死守」とする、サンパウロ州知事（左）とリオ州知事に対しても同じように執拗に攻撃ですよ。この二人、かつてはボウソナロにシンパシー抱いてたんですけど、去年に大げんかして仲違いしてて、それで対立も激しくなっています。
そしてボウソナロ本人も
休日に意味なく散歩しては、街行く人に触ってコミュニケーションして、マンデッタ保健相を挑発。さらには取材で直接的に「生意気だ」とか言って批判。これを毎日のように続けました。
そして11日には
日本でも、こんな形で記事でましたけど、ネットで踊らされたボウソナロ支持者がサンパウロで車の行列で「隔離反対！」の抗議を行う使ったデモ行ったんですよ。「我々は働きたい」とか、もっともらしいこと言ってるでしょ？嘘ですからね。前から、このタイプのプロテストなら起きてて、参加してるの、金持ちとか、企業家とか、年金生活者だということがバレてます。しかも、並んでた車、ほとんど高級車。全然イメージ、違うでしょ？
こんなことばかり続いたから、12日、マンデッタはついにテレビ番組で大統領を批判。それが、一部の反発を招く形になって
16日に保健相、ついに交代ですよ！しかも後任、どういうやつなのかよくわからない人、選んできて！
ネットでのネガキャンがあったとはいえ、国民はマンデッタの解任に64%が反対。イライラは募るばかりです。
この新保健相就任の際にボウソナロは「まあ、徐々に商業活動再開を」なんて言って、反発が大きくなるのを止めてたんですが
そんなのはハッキリ言って大嘘でした！
18日には、サンパウロでまた車のデモですよ。今回のはタチが悪く、２つの病院への道ふさいで大問題です！
そして19日には
「反隔離デモ」のはずが、いつの間にか「連邦議会を閉鎖しろ！」「軍政復古だ！」のデモにすり変わりですよ！
これはさすがに強い反発を招きました。各地で逮捕者続出。参加者も、頭弱いので、そういうことになると思わず、結構、オロオロしてました。操られてるの、わかるでしょ？
で、最悪なのはそこに
ブラジリアで行われたこのデモに、ボウソナロ自身が参加しちゃったんですよ！
もう、独裁者気取りですよ。何を考えているのか。上に書いた散歩あたりから奇行が止まらなくはなってたんですけど、我々の想像の斜め上を行ってまして・・・。
ただでさえ国民、「隔離を破る人には罰則を」が79%の人に支持されているんですよ。そういう状態で、なんでこれが支持されると思います？
ただ、きになるのは、ボウソナロがなぜここまで、生き急ぐように、執拗に「隔離反対」にこだわり続けるのか、このコロナ禍に際して、自分の絶対権力を欲しがるのか。その背景には、
ボウソナロ、実質的な権限、ないに等しいんです！
どういうことかと言いますと
まず、議会ですが、ボウソナロ、今、所属政党がないんです。一応、彼、もともとは選挙で第1党になった党の人なんですが、ブラジルは極端な多党制なので第1党でも、全体の８分の１とかなんです。なので、他党との連立をやらなければ、自分で議案出しても議会で通らない。でも、ボウソナロ、「政党連立は汚職を出すだけで古いやり方」とかカッコつけて、それをやらなかった。加えて、自分の所属政党に汚職スキャンダルが出たので、「俺のイメージが悪くなる」とか言って勝手に辞めたら、所属してた党内で反感買って、ついて行く人、さらに半分なんですよ。しかも、自分の新政党、まだできてないから下院も上院も全然まとめられてないんですよ（笑）。
しかも、「俺に汚職のイメージがつく。汚らわしい」みたいなこと言っておきながら
上院議員の自分の長男に、リオのヤクザみたいな一団との黒い関係も報じられてる最中に、そんな綺麗事言って、政党やめたんですよ。だから「白々しい」ということになってます。
さらにボウソナロ、最高裁にも誰も味方がいないんです。ブラジルはアメリカと同じように、最高裁がかなり力持ってて、議会や大統領の決めたことでも違憲性があればかなり厳しく差し戻すんですけど、まだボウソナロが選んだ判事がいなく、さらにボウソナロがこんな人だから、全然信頼されてないんです。
それが証拠に、先週、最高裁が「コロナ対策をどうするかの権利は州や市が持て、大統領は口出して来ない」と言う判断を満場一致で承認しました。
なので、州知事たちも、19日にボウソナロがデモに自ら参加した後、27州中20州の知事が連名で抗議声明出しました。これによって、法的にボウソナロが州に隔離政策を辞めさせることはできません。
さらにボウソナロ、「俺は軍隊出身」がウリで、自分の閣僚も半分は政治家じゃなく軍人で固めているんですが、その軍からもウケ、実はあんまりよくないんです。それはボウソナロが軍を下っ端の等級で辞めてるので、軍隊的にはエラい人でもなんでもないんですね。
加えて、陸軍も「隔離政策」にはかなり積極的に賛成で、ボウソナロのために動いてくれそうな勢力も考えづらい。加えて
軍が、「ボウソナロの監視役」的な感じで、官房長官にこの陸軍大将をつけたんですね。怖そうでしょ、この人（笑）？ボウソナロが極端に暴走しないようにこの人が見張ってる、というのが国際的にも噂になってまして、その話が飛躍して「ブラジルでは軍部がボウソナロに対してクーデターを行った」という誤報がイタリアのメディアでかなり大きく出たほどです。
まあ、こういう状況なので、ボウソナロ、独裁クーデター、起こしたくても簡単にはできないはずなんですけどね。
まあ、こんな、おかしな状況になってきているので、そんなに遠くないうちにブラジル、なんか「事件」、起きると思います。
もしかしたら、ボウソナロは独裁政治を握るのに成功するかもしれない（やり方はわかりませんが）し、逆に議会から罷免決議にかけられるかもしれない。上院と下院で３分の２以上の議員が賛成したら罷免できるんですけど、議会勢力の上では可能ですからね。
あるいは
2018年の大統領選の時みたいに、誰かに刺されるかもしれない。ぶっちゃけ、彼はこの事件の同情票で当選してるんですけど、これも狂言説が絶えませんからね。もしかしたら、次男あたりが仕込むか、あるいは最近の言動で頭来た誰かが・・・、みたいなことも考えられないこともないでしょう。
さらに
上の「軍政クーデター」デモに参加した際、ボウソナロ、かなり激しく咳き込んでるんですよ！しかも、こんな群衆前に、マスクもしないで、メチャクチャ、脇、甘いでしょ？彼自身がコロナに罹患する、というストーリーも十分ありえます。
そして大統領がこんなことをしてる間に、ブラジルのコロナの感染者は３万人台で、死者は２千人台。どっちも世界ワースト11位に相当します。ここ最近のデモやら大統領一家の煽理による悪影響で、こっちの数字の方の悪化で話題になることも十分考えられますけどね。
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