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映像や音声ではなくなぜ「活字」か?


先日読んだ本の著者に会ってきました。電車で1時間半。1年以上ぶりに訪れた縁ある場所で会食をしました。ビジョン、思考、習慣、行動力。「成長」を志向する生き方になんとなく親近感あり、DMを送ってリモートで話して、1週間後に会うというスピード感。「これは!」と思う人と接すると学びが多いです。

あたりまえの話ですが、人に会う前の準備は徹底して行います。今回は著書がありましたので比較的ラク。ですが本を読まなければ分からない情報が、その人の核心であり、もっとも大切にしているビジョンでした。YouTuberでもある彼を、事前にある程度理解しておくためには、映像だけでは物足りない。活字の情報が必要不可欠でした。

矢部光太朗さん。「シロウトが100万回ボールを蹴ったらどうなるか」という動画をアップして500万回再生を記録したり、まだ6万回強の達成率にもかかわらず、素人目にも圧倒的な進化をみせてくれたりで、YouTubeの登録者数は13万人を超えました。「努力の成果」が可視化され、その変化率に注目が集まるんだと思います。

実は、このYouTubeはかなり前から知っていました。そして何度か目にして、食い入るように視聴して驚きましたが、「会いたい」とは思いませんでした。なぜか?その答えは著書にありました。「なぜ100万回ボールを蹴るのか?」について言語化されていたからです。「いまから、挑戦しよう」というビジョン。私はここに思いっきり共感しました。

挑戦に否定的な社会の風潮を是正したい
挑戦に年齢は関係ない
挑戦して人に勇気や感動を与えたい

YouTubeでは見えてこない(よく見ると概要欄にそれとなく書いていますが)、100万回チャレンジの理由。すごい挑戦だし、1回目のキックと6万回目のキックが明らかに違うというギャップがあれば注目度は当然上がります。ですが私のような共感者、サポーター、応援者になるためには、「その先」が必要ではないでしょうか。

活字より動画。現代は圧倒的にその流れが加速して、少なくない人がその流れに折り合いをつけているように感じます。clubhouseという音声メディアが一時盛り上がりましたが、あれも活字の代替メディア。読むよりも見る、見るよりも「聞き流す」ほうが認知能力を必要としません。情報過多。みんな情報の取捨選択に苦労してるんだと思う。

一方、情報発信者は、それぞれ明確な意図をもって発信しているはず。発信者の背後には、信念、覚悟、希望、夢が隠されている。ところがその大切なコアバリューが伝わらないケースも多い。映像や音声で表現されているのかもしれませんが、活字ほど認知能力を必要としない分、見落としてしまうのではないか。

私は約1年間、noteを毎日更新していますが、発信の理由は「学びの定着」にすぎません。本を読んだり論文を読んだり、せっかくインプットした内容を忘れないための言語化作業。自分の言葉で編みなおすひと手間が、前頭前野や海馬を活性化させて記憶の檻に情報を閉じ込めることができます。

映像や音声メディアは使っていません。集客装置としていつか始めたいともくろんではいますが、あくまでもコアバリューを伝えるのは活字メディア。人々のトレンドは便利なメディアに集中していますので、活字メディアの集客はますますキツくなるはずです。ですが逆に、共感者や応援者を集めるという意味では都合がいいかもしれません。認知能力の壁がフィルタとなって、コアファンしか残らなくなるからです。

矢部さんも、本の執筆というあたらしい挑戦が、さらなるコアファン獲得の布石になる気がしてなりません。今は誰もが手軽にタダで見れる映像を、今後は「サテライト」として、よりコアな情報が掲載された有料の活字メディアにヘビーユーザーを集客する装置に変化させる。

挑戦に否定的な社会の風潮を是正したい
挑戦に年齢は関係ない
挑戦して人に勇気や感動を与えたい

あたらしいビジネスモデルが、彼の目指す「北極星」への動線になるのではと期待しています。

久保大輔




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