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自己否定が成功を導く


皆さんは自分に甘いでしょうか、それとも厳しいでしょうか?「明日からダイエットする!」と決めて、1日目2日目3日目と、テンション上げてがんばれる人の多くが、次第に脱落していくのは一般的な傾向です。継続的に理想の目標を達成していない場合、私たちはどうしても自己否定を始めてしまう。

「レイク・ウォビゴン効果」は、自分が他者よりもすぐれている部分を探そうとする傾向のことをいいます。人は他者よりも、おもしろくて、人気があって、優しくて、魅力的で、信頼されて、知的だと考える傾向があることは研究でも明らかにされています。私たちは他者を否定的な観点から眺めて、自分が相対的に優位だと感じたい本能を持っています。

ここでおもしろいのが、「自己防衛的な態度」を示してしまうこと。どういうことかというと、他者のネガティブなポイントを探す私たちの一般的な傾向によって、「自分は、他者から言われる前に先手を打って自己否定する」という歪んだ思考が働く。生存本能の観点から考えても合理的な思考だと言えそうです。

ポジティブ・シンキング。成功や目標達成は自然に与えられるという考え方です。自分には都合の悪いことは起こらないと信じる人はポジティブ・シンキングの持ち主であるといえます。自己否定とは真逆の思考。心理学者のアルバート・バンデューラさんは、「成功できるかどうかは、成功を心から信じられるかどうかによる」という事実を発見しました。

心理学者のエッティンゲンさんはが行ったダイエットの実験では、「成功できると思う」と信じた人は、そうじゃない人に比べて13キロも減量に成功したと報告しています。そしておもしろいことに、「食べ物の誘惑に打ち勝つのは大変か?」という質問に対しては、「余裕」と答えた人は「そんなに簡単じゃない」と答えた人に比べて13キロも重いままだったことを明らかにしています。

いいことしか起こらない。そんな思考を持つ人は成功にいたるプロセスに障害が起きることを想像できません。困難から目を背け、深く考えることなく、危ない賭けに出てしまう。ですが「先手を打って自己否定する」人は、成功を手にする前に必ず困難に遭遇することを想定し、対処方法を計画して、発生した問題に対して粘り強く努力を継続できるのです。

就活中では、現実を直視したうえで、「やるしかない、あとはなんとかなる!」と考えられる人はより多くの会社に履歴書を送ります。婚活では、とにかくたくさんの異性に会って話をする機会を設けます。リハビリに励む人は、「最悪、回復しないかもしれないけど、やれるだけのことをやる」と考えられる人は、辛抱強く努力を継続する傾向が示されています。

自分への不安。自己防衛的に自己否定して「おれってダメなやつだから」と周囲に(先手を打って)漏らしてしまう人は、不安に思った「」がとても大切。行く手に広がる課題や困難から逃げないで直視し、課題や困難のボリュームを見定めて、うまくいくまでの段階やどるべき方法を、解像度高くリアリティを持って考察することが大事なんだと思います。

都合の悪いことをテキトーにあしらって、とりいそぎ自分の望むことだけ考える人は、向こう見ずでシンプルに「ご都合主義」でしかありません。目標達成には、それなりの困難を乗り越えなければならないといつも感じつつ、だからこそ覚悟をきめて対処方法を考えて努力し、そのうえで「自分はぜったいにやれる!」と信じることができる、そして結果的に成功にたどりつく。これこそが真実だと思っています。

久保大輔




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