負の感情を大切にする
特殊部隊の訓練では、
空腹と睡眠不足の状態で重い装備を背負って、
ひたすら走り続ける
というものがあるらしい。
どこに向かうのか、いつまで走るのか、
兵士は何も知らされていません。
「心理的な不快感」
を鍛えるトレーニング。
この先何が起きるか分からない、重圧に耐え、モチベーションを必死に保って、仲間と励まし合いながら、自分を見つめながら走り続ける。
まるで人生のようですね。
乗り越えた苦しみが
大きければ大きいほど、
訓練が終了したときの
達成感や充実感も大きくなるはず。
そういう意味では、
「ネガティブな要素」
はあえて取り入れるという選択
もありなのかもしれません。
■数学
の問題を必死に考え続けて、
それでも一向に解けない状況を何度も経験した人は、
最初からあっさり解けてしまうこと
が多かった人より、
一年後のテストで
いい点をとると言われています。
100歳以上の高齢者は、
健康で活動的でいられるのは、
いつもネガティブな感情で過ごしているからだ
と考えています。
クライアントから受注の連絡をうけて、
朝、めちゃくちゃ悪かった機嫌が
一転してよくなると、
朝からずっと上機嫌だった人より、
午後の生産性が高まることが
示唆されています。
気分が落ち込んでいたり、
周りが騒がしかったり、
空調が故障して不快な室温
という環境にいたり、
負の感情をかきたてられるときこそ
クリエイティビティを高めるチャンス。
リーキーアテンションといわれる
注意散漫のメリットです。
■いつのころか、
「やればできる」
「がんばれば報われる」といった、
いわゆるポジティブシンキング
をたたき込まれ、
割と楽観的に考える習性が
身についている私。
ですがこれは、
「多少ムリしている」
というのが正直な感想です。
つまり、本来は
超ネガティブな気持ちなのに、
その気持ちを押し殺し、
前向きな言葉を投げかけて、
なかば強引にポジティブに
解釈し直しているだけ。
でも先にあげた特殊部隊の話や、
テスト、高齢者、機嫌の話を考慮すると、
自分の感情には素直に従った方が、
よりよい成果、未来を
たぐり寄せることができるのでは?
と思わずにおれません。
■記憶が定かではありませんが、
情報番組で
「菌」に関する話題をとりあげ、
専門家が
「菌は積極的にとりにいく」
という話を
されていたのを思い出しました。
原始時代までいかずとも、
100年ぐらい前は
日本でも衛生状態は今の比ではなく、
想像以上に劣悪だったはず。
戦後、焼け野原から復活するプロセスで、
徐々にきれいな世の中となり、
「快適中毒」
になったといわれる現代人。
裏を返すと、快適さを求め、
手に入れれば入れるほどに、
ストレスを増やしている
と見れなくもありません。
菌だけではなく、
お腹がすけばすぐ食べて、
暑さを感じれば冷房をつけ、
不快感を極力避ける傾向を
強めてきました。
SNSは人とつながるツールですが、
性格が合わないと思えばブロックすることが可能。
拒絶されるのが怖ければ、
異性に告白しないという選択もできます。
失敗をしたくなければ、
チャレンジせずとも淡々と
仕事をすることができます。
(少なくとも現時点での日本では)
何か(マイナスなこと)を避ける行為は、
現代の構造的な問題なのかもしれません。
■あまりにも
ネガティブばかりの環境は
さすがに許容できませんが、
ある程度の不快感、ストレス、
ネガティブな感情は、
無駄に排除しようとせず、
むしろ積極的に受け入れて、
うまく対処、対応することは、
人生の質をあげるための、
現代人に必要不可欠な能力なのかもしれません。
そのように考えると
今かかえている皆さんの悩み、不安、心配事は
避けるより、受け入れてみつめ直して
今、何をすべきかを真剣に考える方が
長期的にはよりよい結果
につながるのかもしれません。
とりあえず私は
ムダにポジティブシンキングに走るのを
やめてみようと思います。
今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございました。
それではまた明日。
おつかれっした!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?