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トラブルが楽しくなり、対処能力も上がる方法


皆さんはクヨクヨ悩むタイプでしょうか?それとも切り替えが早いタイプでしょうか?私はどちらかというと前者で、数日たっても失敗した状況を思い出しては反芻し、ネガティブな思考がなかなか頭から離れません。でもそんな私でも、ちょっと視点を変えるだけで楽になることがあります。

メタ認知とは「自分を客観的に見る」ということ。セルフアドバイスという考え方があって、「他人視点」「長期的アドバイス」「最悪を想定する」の3つのポイントを押さえて自分と会話してみると、他人からアドバイスを受けているような錯覚を得ることができます。これが心の落ち着きをもたらして、解決策を見いだせるようになります。

恥の感情とは、「こんな失敗をして恥ずかしい」「もし失敗したらどうしよう」というもの。負の感情が次の行動を遮ったり、そもそも行動すら起こせなかったり、恥の感情が大きければ、行動できずに成果を得られることもありません。そんな自分の状況を克服するためには、「外から自分を見る」ことです。

もし、自分ではない誰かが、この恥ずかしい状況にいるとしたら、自分はその人をどのように見るだろうか。一歩引いて、他人視点で考えてみる。カナダ・ウォータールー大学の研究によると、他人視点が恥の感情を激減させるという報告をしてくれています。

できることなら失敗はしたくありません。でも誰でも失敗はしますし、「失敗のない人生なんてつまらない。」とは、ホンダ創業者、本田宗一郎さんの言葉。そう考えると失敗することが恥ずかしいといった感情が減って、自分らしい行動ができるようになることも研究で示唆されています。

また「長期的思考」と「最悪を想定する」はニコイチでとらえます。具体的には、他人の目線で、最悪の状況を想定したアドバイスを自分にすること。あなたが転職で悩んでいたとしたら、友だちが転職の悩みを抱えていると想像して、どうアドバイスをするかを考えてみます。

「最悪の状況ではこうしたらいいよ」という優しく、かつ明確なアドバイスがあれば、安心感が生まれます。その結果、柔軟な視点で物事がみられるようになるという成り行き。未来が最悪だと思うだけでは息苦しくなるだけですが、最悪を想定したアドバイスがセットで自分に向けられると気持ちが楽になって、冷静に未来を計画できるようになります。

この「心理対比の効果」は米国の研究でも明らかにされていて、最悪の状況におちいったとき、どうやって脱出するかを考えておくと、目標達成の確率が上がるとされています。勉強、ダイエット、禁煙などさまざまな効果があることも研究で示されています。

うまくいったら何が起きるか。
そしてどんな気分になるか。
うまくいかなかったらどうなるか。
それにどう対処するか。

「うまくいったらこんないいことがある」と考えつつ、「うまくいかなかったらヤバいから、こういう対策をとろう」と考える。夢を描き、同時に万が一を想定することが心理対比の本質です。どうすれば最悪を防げるか。そして最高に近づけるか。心理対比をしているとそんな思考が芽生えてきます。

最高のイメージだけで、最悪のイメージがなければ、脳がポジティブな想像に興奮して、満足してしまいます。そしてやる気も萎えてしまう。脳は、短期的な思考に目が向くようになっているので、無理やり長期的な思考に目を向けるようにしないと、やるべきことが明確になりません。

最悪のイメージは、実際に失敗したときに「テンションが上がる」という副産物をもたらします。考えた通りのトラブルが起きたので、脳が覚醒するからです。「ということは、このトラブルを乗り越えたら、その先に待っているのは最高の未来じゃないのか?

乗り越えるべき壁が希望に見えてくる。ボスキャラを倒すと超レアなアイテムが手に入るといった感じでしょうか。こういった思考を習慣化しておくと、乗り越えることが楽しくなって、トラブルへの対処能力も上がっていきます。

久保大輔




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