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職場環境の悪化がもたらす弊害


「職場におけるストレスは受動喫煙よりも体に悪い」

今日はそんな衝撃的な文章に出会って考えさせられました。職場におけるストレス、と聞くとなんとなく、「人間関係」系のストレスを想像しがち。ですがストレスには他にもいろいろあって例えば「時間の乱れ」もそのひとつです。週に3回以上のペースで夜勤などのシフトワークを行う人は、糖尿病の発症リスクが42%上がり、コレステロールや血圧が激増するというデータがあります。

年に50回以上のシフトワークを継続すると、脳機能のスコアが大きく低下して、同年代の平均値より6.5歳ほど脳が衰えたという実験結果もあります。人間の体には、日の入りとともに睡眠をうながすホルモンを分泌、適切に身体を休めてコンディションを調整する機能が備わっています。その周期を無理やり歪めると心身ともにストレスを抱えてしまうということでしょう。

最近は大きく減りましたが、「通勤」もビジネスパーソンの大敵。通勤時間が長いほど肥満が多くて、離婚率まで高くなるというカリフォルニア大学の健康データもあります。通勤時間が1分増えると、運動時間が0.0257分少なくなり、睡眠時間は0.2205分少なると言われています。日本人の通勤時間の平均はかつて、往復1時間17分でした。ということは概算で約63時間も睡眠時間が消えていることに。

長時間の通勤によるストレスは、年収が40%アップしないと解消されないとも報告されています。冒頭の「受動喫煙」が、肺がんや心疾患のリスクを増大させる一方、ネガティブな職場がもたらす心身のダメージはそれを40%も上回るという衝撃的なデータがあるそうです。週の労働が40時間を過ぎると体が壊れ始めて、55時間を超えると確実にあなたの心身は崩壊するという世界的に一致したデータもあります。

大半の人は、身体にストレス反応が出ているにもかかわらず「私はストレスを感じていない」と答えるようですが、確かに私も身に覚えがあります。というのも、計算上、私の勤務時間は週平均60時間ほど。データ上は身体に不調をきたしてもおかしくないレベルの勤務時間ですが、いたって元気そのもの。気をつけたほうがいいかもしれないですね。

ただしこのデータには続きがあって、「休日に上司が普通に連絡してくる」「休暇中もメールをチェックするのが当たり前の企業文化」がある会社は要注意、とのこと。つまり受動的に、かつ強制的に長時間労働やシフトワークなどに従事すると、上に挙げたような不具合が生じるということです。

そして言うまでもありませんが、私はあくまでも主体的に、みずから喜んで働いているという前提があり、上記の数値データは必ずしも参考にならない可能性も考えられます。事実、心身ともに健康すぎるくらい健康ですからね。ただし仕事から安定的な満足感を得るためには、できるだけネガティブな要素を排除しておいて損はなさそうです。

コロナで仕事を失ったり、給料が下がったり、それによって転職を考える人も少なくないと聞きます。仕事のやりがいはもちろんのこと、職場の習慣や文化についても調査しておくべきかもしれません。最近は「ギグワーク」という言葉をよく耳にしますが、企業に雇用されずにプロジェクトごとに仕事を請け負う働き方のこと。場所や時間を選ばない「自由」があり、高度なプロフェッショナルほどフリーな働き方によるメリットは得やすそうです。

また社会的な動物である私たち人間にとって「ソーシャルサポート」という概念も見逃せません。心理的安全、たとえば恥ずかしい失敗やミスも、もちろん反省はしつつもバカにされない環境で仕事をすることも大切。

幸いにして仲間に恵まれている私。だからといって甘えることなく、日々自分を律して、勉強して行動して、成長を志向し続けていく。そんな決意を新たにしているところです。

久保大輔




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