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反対意見が出やすい仕組みは、組織や人を正しい道へ導く


42歳で転職を志したとき。

コソコソ就活するのがイヤだったので
先に退職願を提出して、

気分すっきり、
意気揚々と動いてみたものの

結果はさっぱりで
かなり焦りました。

なんとか現職につき、
機嫌よく、刺激的な毎日を過ごしていますが、

環境を変えること
で得られたものは多々あり。

吉本興業の社風
がそうさせるのだと思いますが、

「反対意見」を率直に
イヤというほどぶつけられること

僕にとって一番の
貴重な価値(転職してよかったこと)

だと思っている。

職探しに手間取ったのも、
そんな環境を求めていたからこそ。

20歳以上
年齢がはなれている「同期」も、

変な壁がなくて
なんでもいい合えて、

なおかつ、
お互いにリスペクトし合える関係

がつくれている(と思っている)


■さて、

僕はわりと
自分の意見をはっきり伝える方だと思うが、

あっさり却下されたり、
真反対の意見をされたり、

肩書もないし、
たいした実績もないし、
威厳もないから(涙)

だとは思いますが、

年齢問わず
周囲から正直な意見をもらえることは

僕の強みだと思っている。

ある意見が、いかなる反論によっても論破されなかったがゆえに正しいと想定される場合と、そもそも論破を許されないがために正しいと想定されている場合とのあいだには、きわめて大きな隔たりがある。

といったのは、

イギリスの政治哲学者
スチュアート・ミル。

自分の意見に反対する空気をつくること、
もしくは反対する自由を認めてあげること
は、

全知全能でない人間が、

自らの意見が正しいといえる
合理的な保証を得るための仕組み
です。

僕の場合、

反対は認めない!
といくら叫んだとしても

反対意見が途絶えることはない
とは思いますが(悲)


■ゼネラルモーターズ

の元CEO、
アルフレッド・スローンは、

とある議題が全会一致で賛成
になりそうなとき

「では次回の会議にもちこして、
反対意見が出てくるのを待ちましょう

と提案したそう。


紀元前の史家ヘロドトスは、

全員がしらふのときに下した決定を、
酒を飲みながらもう一度検討したといいます。


キューバ危機のとき、
ケネディ大統領は、

さまざまな門外漢を招聘しつつ、
自らは会議に参加せず、

司法長官と大統領顧問に
あえて「反論」する役割を担わせることで

意思決定の質をあげるよう
努めました。

一方、

ウォーターゲート事件や
ベトナム戦争では、

知的水準の高いエリートが集まり、

「似たような意見や志向」

によってアウトプットのクオリティが
低下したといわれています。


■集団浅慮(せんりょ)

という言葉があります。

全員が同じ考えをするようになって、異論や批判をいう人がいなくなると危険な意思決定をしてしまう現象。

のことを指しますが、

組織が、
カリスマ性のあるリーダーを

盲目的に信じるようになると
集団浅慮に陥るといわれています。


米国の政治学者
ハンナ・アーレントは

ナチス親衛隊の中佐で
ユダヤ人虐殺計画を指揮したトップ

である
アインヒマンについて

「悪の“陳腐”さについての報告」

という副題をつけて
著書にまとめています。

冷徹で屈強なゲルマン戦士
という「悪」のイメージは、

ごく普通の、
気の弱そうなアインヒマン

の登場で
くつがえされました。

ただ純粋に、
ナチス党における出世を願って、

与えられた任務を懸命にこなそうとして、
この恐るべき犯罪を犯すに至った、と。

「悪とは、システムを無批判に受け入れること」

“陳腐”という言葉を用いて

「悪は誰もが犯しうる」

と警鐘を鳴らしています。


■のび太君のお母さん

のように常に「ガミガミ」
小さいことを見つけて揚げ足をとる

のはどうかと思いますが、

組織やチーム内に、

特にリーダーに対して意見できる存在
を配置することは、

歴史的事実からみて

妥当な「仕組み」であり、
正しい「あり方」でもあると思っています。

そして個人にとっても、

ボタンの掛け違いを
早い段階で教えてくれる存在は貴重。

最後のボタンになって
ようやく気づいて、

かけたボタンをすべてとって
最初からやり直し、

という事態を避けることができ、
時間の節約にもなります。


そしてそんな環境を手に入れられるのは、

謙虚で控えめで、
たえず答えを問い続け、

その答えが厳しいものであっても直視して、
真正面から受け止められるような人。

僕はまだそのようなレベル
には達していませんが、

周囲(多くが年下の同僚)が
僕を支えてくれています。

環境を変えることで
手に入れることができた存在。

彼らと一緒に、

最後には必ず成功するという確信をもって、
これからもがんばりたい。

(※昨日の投稿もぜひ読んでみてください)


今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございます。

それではまた明日。
おつかれっした!




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