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サッカークラブは情熱的で一貫性があり、かっこよくあるべき



昨日は、

長期的視点で「土台づくり」し、
安定収益を可能にする

ミッションマネジメント

について、
Jクラブへの問題提起を含め
記述しました。


今日は、

ミッションマネジメントのプロセスや、
そのプロセスを通して、

クラブと顧客がどのような関係性
を築いていくのか、

その変遷について解説します。

■主体性をもって語る

我がサッカークラブが日常的に、クラブを愛するたくさんの人々と生活をともにし、喜怒哀楽を共有し、お互いの価値観を認め合い、応援し合い、支え合いながら、厳しい世の中を前向きに明るく生きることができる活力を生み出す。そのために、クラブはコミュニティの中心となり、周囲を勇気づけるような発信を一貫して行い、影響力と責任、覚悟をもってこのミッションを全うする。


たとえばこのようなミッション
があったとします。

ちなみにこれは、

私だったらこういうミッションを、
「主体性」をもって掲げて

日常的に情熱的に発信し、
仲間(ファン)づくりをしたい

という思いの表れでもあります。

ここに、

日本、アジア、そして世界のタイトルを獲る!
という具体的なビジョンを描いてもいいですよね。

そして取り急ぎ重要だと思うのは、

「主体的に」

というところ。

抽象度の高い、
上記のようなミッションは

クラブ運営の局面局面で、
個別具体的アクションに置き換えられるわけですが、

クラブの「主体性」
が損なわれてはならないということ。

ミッション構築においては

ステイクホルダーのヒアリング
が欠かせませんが、

一旦すべての声を聞いて、咀嚼して、
それらを全部無視するような、

言葉を選ばずに言うと、
ある種「上から目線」に思われても仕方のないような

強烈な「主体性」を大事に、

顧客に迎合するのではなく、
クラブ自身の信念を貫くべきだと考えます。


■世界観を持つこと

また、
「あえてサッカーを売らない」こと。

ミッションを具現化するために、

売っているのはサッカーではなく、
「認め合う社会」であるという、

「世界観」をベースに、
顧客とコミュニケーションを図ります。


世界観とは、

クラブのビジュアル、言葉、雰囲気
をつかさどる指針であり、

指針が具体的な行動に落とし込まれ、
人々に認知された状態
、を指します。


目隠しして
Appleの店舗に連れていかれて、

目隠しを取った瞬間に
Appleにいることが分かる、


目隠しして
スターバックスに連れていかれれば、

目隠しを取った瞬間に
スターバックスにいることが分かります。


それは双方ともに
ユニークな世界観があり、

その世界観が全世界的に
広く認知されているから、に他なりません。

サッカークラブにも、

クラブの発信、ビジュアル、雰囲気の
方向性の確立とその継続的な実践

が欠かせないと思っています。


■長期的コミュニケーション

そしてもうひとつ重要なのは、

昨日も記した、日本に不向きな
「長期戦」を覚悟しなければならないということ。

パッと見で、人の感情を刺激するような
キャッチーなものではなく、

長い時間をかけて「語る」ことで
ミッションを伝えるコミュニケーション。

抗生物質を投与するのではなく、
漢方薬で処方するように、

長期的に人々の心の奥底に潜り込むような、
重層的で奥深いコミュニケーション

を志向すべきではと考えます。


「アニメとのコラボ」が
本当にクラブのミッションと合致するのか

確かにキャッチーな企画ではあるが

顧客とのコミュニケーションにおいて
長期的、良好な関係構築につながるかどうか、

そらら瞬間最大風速を促す施策は
今一度検証(そして再考)したいと

個人的には思っています。


■緊張感ある関係性と口コミ

長期的なコミュニケーション、
たとえば、

ユニフォームやグッズ、ポスターや雑誌、
ウェブサイトやSNS、スタッフや選手の言葉、
そして社長のメッセージは、

その背後にどんな大義名分があって、
人々の生活がどう変化するのかといった、

冒頭示したようなミッションが
ちゃんと反映されているかどうか

常に顧客からの厳しい視線に
さらされることになるでしょう。

クラブを通して人々が
どんな「体験」をするのか。

発信によって集まってくる人々が
実際にどのような「体験」ができるのか。

体験することとミッションに
「齟齬や乖離」があっては、

信頼の毀損、ひいては顧客離れ
という憂き目に確実にあいます。

逆に、
顧客の厳しいチェックをものともせず、

思いもよらない驚きや感動を与えるような
発信ができる「クラブのセンス」

を持っておきたいものです。


そしてそんな緊張感ある
クラブと顧客の関係を経て、

ロイヤリティの高い顧客は
周囲への口コミ、SNSで投稿し、
新しい顧客を連れてくることになるでしょう。

クラブはあらたな顧客を迎え入れ、
ファンになってもらうために、

ときに「直接的な売上」にならずとも、

ミッションを十二分に感じられるような
「体験」が提供できるのであれば、

惜しみなく投資しして、
ほかのところで回収する

という意思決定もできるかもしれません。


短期的成果が求められ評価されがちな
日本独特の企業文化。

Jクラブも例外ではなく、

だからこそ
若干ハードルが高いかもしれませんが、

この「遊び心」が
一貫性のある体験の提供となり、

一貫性によってもたらされる信頼が、
またあらたな顧客の開拓につながります。


時間をかけて畑を耕して、
ミッションという名の種をまき、

顧客からの信頼という水と太陽を得て、
大きな花に成長する。


継続的かつぶれないコミュニケーションは

ミッションの成就、
つまりミッションを軸に集まってきた顧客に
「喜び」を提供している状態であるということ。


顧客に何を語らせるのか。
どんなインスタグラムを投稿してもらいたいのか。

ミッションを発信するときは

そんな二次的な発信も
明確にイメージしてデザインしたいですね。


■共創の世界へ

クラブの発信に共感する人は
コミュニティにのこり、

共感できない人は
どんどんコミュニティから出ていってくれるので、

時間の経過とともに

コミュニティの「質」は
格段に高まっていきます。

そうなってくると冒頭、

「上から目線」と言われようとも
自分の信念を貫いて顧客を引っ張るべき、

と記したとおり、

スタート時点では
クラブの歩む道(ミッション)を
明確に示すための強引さが必要でしたが、

ぶれない姿勢を継続させ、
コミュニティの質が高まっていったとき

いつしかクラブと顧客は
気の置けない「同志」となり、

ここからようやく「共創」がはじまります。

販売者と購入者の間にある垣根は、
デジタルを通してあいまいになり、

クラブの商品やサービス、
そこから生み出される価値を

一緒に創っていくことになります。

タテの関係が
ヨコの関係に変容する瞬間ですね。


繰り返しますが、このような関係性は、
顧客からの信頼やリスペクトあってのこと。

ミッションを捻じ曲げるような行為
は当たり前ですが許されず、

もしくは一見そのように解釈されうる
意外な施策に対しては、

クラブが丁寧に
説明できるかどうかが問われ、

できなければ即、
関係性は崩壊します。

築城に3年かかっても、落城は3秒。

ミッションは顧客との約束であり、
24時間365日緊張感を伴って接しなければなりません。


■ちなみに「かっこいい」ってどういうこと?

「世界観を持つこと」の章で

サッカークラブにも、

クラブの発信、ビジュアル、雰囲気の
方向性の確立とその継続的な実践

が欠かせないと思っています。
と記しました。ちょっとだけ捕捉しておきます。

再掲ですが「世界観」の定義は
以下のとおり。


クラブのビジュアル、言葉、雰囲気
をつかさどる指針であり、

指針が具体的な行動に落とし込まれ、
人々に認知された状態
、を指します。


Appleのビジュアルが
Appleの世界観を表現し、

スターバックスのビジュアルが
スターバックスの世界観を表現している、

ということは今さら
強く解説する必要はないと思います。


そして強調したいのはいずれも、
多くの人が感じるであろう

かっこよさ

説明しづらいのですが、
ただただ「かっこいい」という感覚。

かっこいい」という感覚は
多分に個人の趣味嗜好が反映されるものであり、

好き嫌い
あると思われますが、

Appleもスタバも、

この「かっこいい」世界観を
時間をかけて顧客に納得させてきた

と言えるのではないでしょうか。


そしてサッカークラブにも、
かっこいい」と思ってもらえるような、

長期的取り組みを行うべき、
という強い願望があります。

残念ながら(これも好き嫌いですが)
少なくないサッカークラブのビジュアルから、

Appleやスタバのような
かっこよさ」を感じることがありません。


かっこいい」ビジュアルを演出する
高度な美的センスは

クラブの代表、もしくは
クリエイティブディレクターが

絶対的に保持しておくべき。

センスがないのであれば
お金をかけてでも、人材を獲得する

そんな意気込みを
持ってほしいと願ってやみません。

これについては明日、
深く掘って書き連ねていきます。


※本稿は以下文献を参考にしました。
D2C 「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略
(佐々木康裕)




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