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新旧合体デニム

死んだジーンズに復活の呪文。

二週間前、リペアに出したジーンズが縫製店から戻った。いや、これは「リペア(修繕、修理)」というよりも、むしろ「合体」

ジーンズは、履きこむとコットン自体の寿命で、当たりの激しい箇所は、徐々に死んでいく。それが「膝」の周辺であれば、破れたままにしていても雰囲気があるんだけど「股下」や「お尻」のあたりになると、破れたままということにも出来ない。なにせ、穴からおじさんの下着がチラ見えなのだから放置できない。

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ジーンズの宿命に抗え。

古いデニムなんてのは、なにせ生地に寿命が来ているのだから、何度、穴を塞いでも常に破れていく。リペアする度に、その周辺が破れ続ける。古いクルマと同じだ。どこかを直せば、どこか壊れる。それが宿命というものだ。

これまで、ビンテージであってもバシバシに履きつぶして、結局は捨てたり、友だちに売ったりしてきた。そこで、今回は、発想を変えてトライ。ダメージの大きな「股下」と「お尻」を捨てる。後部パーツごと「新品デニム」に交換するという、合体実験。

この実験が成功すると仮定し、後部パーツに使用する新品ジーンズは、今後も再現ができるように、なるべく安価で、なるべく普及しているジーンズを使う。ユニクロのワゴンセールで1,280円のものを見つけた。

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矛盾も飲んで縫ってくれ。

2つのジーンズは、全然、違うカタチなので、矛盾する部分が出てくる。股上もワタリも合ってない。でも、気にしない。ザックザクにハサミで切って、なんとなく合わせてみる。

縫製店のママさんが何とかしてくれるだろ」という感じで、バラバラのパーツのまま持ち込む。ここで迷惑そうな顔をされるのだが、そこは気にしない。プロならば縫ってくれ。「プロだから縫いたくないのよぉ〜」という言葉を背中に受けて店を立ち去る。結果、裾は合っていなかった。

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実は、以前に一度、仕上がってきたのだが、カタチが気に入らなかったので再オーダーしている。膝から裾にかけて、緩やかにテーパードをかけてもらう。それが上手くいった。

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自分の記憶よりも裾が合っていない。左右の丈の長さも、前と後の長さも合っていない。それも含めて魅力。まあ、それも全然、良い感じ。

後部パーツの方は、ウエストの上部を切りっ放しのまま。ちなみに、前部パーツと後部パーツは、サイドの切れ目に合わせて縫ってるわけではなくて、前部パーツがやや長め。本来のセンターより2〜3㎝くらい後部に入ったところで切ってます。

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着用写真を見てくれ。

履くと、こんな感じ。たしか前部パーツは34インチ。後部パーツが38インチ。履いた感じは、35インチくらい。

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サイドから撮った写真は、前部と後部の切り替わりが分かりやすい。ポケットは、切り取ったまま。あとで、色の近い別のジーンズからポケットを持ってこようかと思ったけど、完全に、このままが良いですね。

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今回の実験は、自動車で例えるなら「動かなくなった旧車のボディ」「安いTOYOTA車の足回りを入れ替える」みたいな感じ。

以前、ネット記事で「昔のスカイラインを、ちょっと前のカローラあたりのシャーシに入れ替えた」みたいな狂った記事を読んだことがあって、そのヒントが今、花開きました。

だいぶイメージ通りに仕上がったので、また作ろうと思う。クルマの魔改造よりもハードルは低いですから。

予算としては

ちなみに、今回の工賃は(縫製に2回出してるので)結局、8000円くらい。後部パーツで使った新品ジーンズの1280円の料金と合わせて、総予算は、およそ1万円くらい。まあまあ、じゃないですか。

次回は、手持ちの2本のデニム合体を一発で決めてやりますよ。工賃4000円のみで出来るはず。新しい合体は、左右で違うデニム。右がLEVI'Sで左がLEEみたいなもの。楽しみ。

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