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スパイダーマンがバレリーナだったらー空中バレエ BY DELREVÉS

Picture(写真)は、Ravensbourne Universityのサイトより。

イギリスでは幸いワクチン接種は進んでおり、全人口の78パーセント程度が既にワクチンの2回接種を終えており、パンデミックは終息したわけではありませんが、例年通り、グリニッジ・ドックランズ国際フェスティバル(Greenwich+Docklands International Festival)が2021年8月27日から9月11日まで開催されています。
ダンス、野外劇場、インスタレーション、サーカス(とてもモダンなもの)等、さまざまなアートがグリニッチというテムズ川沿いの場所を活かして、川の北側(ドックランズ)と川の南側(グリニッチ、グリニッチペニンシュラ)で繰り広げられます。ちなみに、一部の半分屋内の劇場を除いては、すべて無料です。正直いって、ロンドンでは、週末や仕事帰りに何をしようと悩むより、楽しいことがいっぱいあって、選ぶのが大変、といった感じです。
ミレニアムドームもあるグリニッジペニンシュラにそびえ立つ、アート系に強い大学、Ravensbourne Universityでは、スペインのカタラン地方(バルセロナ)のダンス劇団、Delrevésが33メートルという高い建物の壁を使ってVertical Dance(直訳では、垂直ダンスですが、空中ダンスといったほうがぴったり)を繰り広げていました。この大学の建物は、いくつか建築の賞も取っていて、多くの丸い窓とモザイクのような壁がとても特徴的な建物です。この建物(33メートルととても高い建物)の屋上から突然ひょっこりと、二人のバレリーナが現れます。そこから、身体にくくりつけられた綱を地上に向けて投げ、壁を伝って、壁に対して垂直状態で踊り始めます。バレエ自体は、白鳥の湖やくるみ割り人形等の良く知られている演目をいくつか組み合わせたもので、演目事態に目新しさはないものの、壁を蹴って空中で舞い踊るのが、とても新鮮。ここから、今回の演目「Finale」をビデオで見ることができます。実際にその場で見ていると、綱やバレリーナの足先が壁に当たる音や、バレリーナが壁を走るときの音、とても臨場感にあふれています。プロフェッショナルだから当たり前かもしれませんが、二人の息もぴったりと合っていて、空中を舞う時も、シンクロナイズドダイビングのように、ぴったりと正確な動き。最後のあいさつに、二人が走って壁を降りてきて、地上についたときは、なんだか力強い天使が地上に舞い降りてきたようでした。
私が劇場が好きなのは、インタラクティブなことと、今回のようなフェスティバルだと、誰もが参加できる民主的なところ。グリニッジという土地自体、とても貧しくて犯罪の多い地域と、若い家族が多くてある意味ミドルクラスの地域が混在しています。多くの家族連れがやってきて、あまり興味なくそのあたり駆け回っている子供たちもいれば、演技に魅入られて一緒に踊りだす子供たち、歌いだす大人や子供、たまたま隣にいる人とちょっとおしゃべりしたりと、演技だけでなく、こういった楽しさも野外だからこそだと思います。

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