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頭を止めるな

DesignFesta vol.57の稽古が始まった。
テンナインが初めて出展したのは、2013年(たぶん)だから、おそらく10年目になる。
途中、抽選に漏れて間が空いた時期もあった。
真偽は分からないが、連続落選の事実は、ブースでパフォーマンスという形態が難しい証左とも思えた。
それからコロナが来て、定着して、それでもデザフェスは多くの人の支持と熱意のおかげで存続し、今回57回目を迎える。
我々テンナインにとっては、ホームのような感覚さえある、大事な場所になっているのは間違いない。

ただ、我々も初期メンバーで言えば10歳年食ったってことだ。
加齢を考えるときに、真っ先に思い出すのが、吹越満氏がソロ・アクト・ライブでY字開脚を披露しつつ、「昔はもっと上がったんですけどね」のようなボヤきを舞台上から言い放っていた光景だ。
その言葉に嘘はないし、卑下もないし、事実だけだった。
だから、我々も10歳年食ったという事実だけ添えたいと思う。

10年前と比べパフォーマンスが落ちたかと言われると微塵も感じない。
恐ろしいほどに変わらない。
もともとが体力なしな人間なので、落ちるもなにもない。とも言える。
幸いにして頭髪も踏みとどまっている。
最近パーマをかけたのだが、「まだ僕には、パーマをかけれるだけの髪の毛があるんだ。こんなに嬉しいことはない」と口に出しそうになった。そして、そのあとの「分かってくれるよね。」の後の句が続かず口をつぐんだ。誰に同意を求めればいいんだ。と。
まあつまりは、35歳も45歳も変わらないという、事実だけがそこに残っているということが言いたい。

さて、テンナインはもちろん変わった。
10年の歴史のうちの10年の経過で変わらないわけがない。
宣伝力は変わらず低い。
パフォーマンス力はさほど上がっていない。
が、作品数は70を超え100というものが見えてきた。
このシネマイムを作り続けて10年という年月は伊達じゃない!
発足当時、周囲から「海外でうけるよ」「海外のほうがウケるよ(日本ではちょっと)」みたいな声を一身に受けて、調子づいて闇雲にフランスのジャパンエキスポを目指そうとしてみたりしていたが、ようやく現実として海外上演のことが考えられるようになってきた。
すぐ海外とならないのは、もうほんと自分の保守的な面が災いしてるとしか言いようがなく、その点に関しては確実に損していると思う。

それでもだ。
海外にいま目が向いている。
たぶん、周囲の人は、また始まったくらいにしか思ってないだろう。
それも分かる。
でも、いま協力してくれる人がいて、アドバイスをくれる人がいて、応援してくれる人がいて、これまで自分に働きかけてくれた人がいて、そういう積み重ねでだいぶ現実味を帯びている。
たわごとではなくなってきているのだ。

そして、デザインフェスタは海外の方も訪れる。
この機会に、内外双方を楽しませる作品を工夫をしたパフォーマンスを行い、近い未来の海外上演に向けて、作品を昇華させて強度のあるパフォーマンスをと、切望してやまない。
とにかく考えることを止めないで進むことが肝心だ。
身体を使うことも、シネマイムのアイデアも、頭を使ってより自覚的に、再現性を持つ表現とすることで、その上に行ける。
偶然に期待しているとそこに留まるだけ。
自由は、再現できる確信の上にだけ成り立つ。
板に上がったらDon't think feel.
降りたらKeep thinking.

頭を止めるな。

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