見出し画像

ライブハウスの人間の限界が、そのままバンドの限界になってしまう話

オッス、おら、倉坂

「続きます」と書いてしまったので、続きを書くぞ。

今日は、予告どおり

「ライブハウスの人間の限界がそのままバンドの限界になってしまう」

というお話

まずは例え話から

想像してみてください。
登場人物は二人。

●お父さん50歳ぐらい
●高校をもうすぐ卒業するぐらいの年齢の子供
そんな親子の話

親「おまえ、もう高校卒業してからの進路は決まったのか?」

子「うん。おれ、バンドをやるよ!」

親「は?バンドをやるっていうのは、プロのミュージシャンになるってことか?」

子「うん!高校を卒業したら、おれ、東京に行く!」

親「何を馬鹿なことを言ってるんだ!今のお前でも行ける大学ぐらいあるだろ?大学ぐらい出ておけ!」

子「いや、おれ、やりたいことはバンドしかないし…!」

親「おまえ、わかってるのか?プロになって飯を食える人間なんてほんの一握りなんだぞ?そんな世界でおまえが成功するはずがない!」

子「やってみなければわからないじゃないか!」

親「実は父さんも若いころ、俳優になりたくて劇団でがんばっていた頃があるんだ」

子「え?そうなの?」

親「本当に厳しい世界なんだ。あの頃の父さんの仲間で成功したヤツなんか誰もいない!おまえも無理に決まってる!」

子「そんなこと決めつけるなよ!」

親「なんでもいいから、大学に行け!それから考えろ!」

以下略

はい。

ありそうな会話。

さて

果たして、このお父さんは自分の考えを押しつける身勝手な親でしょうか?

果たして、この子供は親の言う事を聞かない身勝手な子供でしょうか?

どっちが悪い?

みたいな。

子供はもちろん身勝手というか問題点ありありですが(笑)子供なんで、そんなもんです。きっと。

若人よ、大志をいだけ。

で、僕が思うこのお父さんの問題点

このお父さん、子供の可能性をまったく信じていない

「無理に決まってる」と決めつけてる部分。

そして無理と決めつけてる根拠が

「自分が無理だったから、おまえも無理に決まってる」

と、自分の限界を、子供の限界と混同してしまってるところ。

いやいや、おまえと子供は違う人間だぞ?と。

ただね

やっぱり(まともな)親の言うことって、おおむね間違ってないことが多いんですよね。

そして子供ってのは親にとっては 自分の遺伝子のコピーなわけで、能力値も近似値な場合が多い。(もちろん例外はありますが)

自分の能力の限界で、子供の能力の限界を計る…というのは、ある部分では間違ってないのかもしれません。

ただ、ここから一番大事なとこなんですが

ここで子供の行動に対して否定から入るのは、お父さんのエゴではけっしてなくて

子供に苦労してほしくない

だけなんですよね。

そんなにいきなり苦労しなくてもいいだろ…と。

親に決めつけられて、否定から入られて、嫌な思いをした子供時代を過ごした人もたくさんいるかとは思います。

親!もうちょっとうまくやれよ!言い方あるだろ!とも思います。

でも、不器用でわかりにくいかもですが、これってようは

お父さんの子供に対しての愛

なんですよね。

憎いから否定してるわけではなくて、可愛いから否定している

こんな形の愛もあるんだよな…と。

そんな気持ちを理解できるぐらいには、ぼくも大人になりました。(子供はいませんが)

で、ライブハウスの話に戻ります。

これ、そのまんま、

親=ライブハウスの人
子=バンド

と当てはめてもらったら、もうわかると思うんですが

つまり

「ライブハウスの人間の限界が、そのままバンドの限界になってしまう」

なんです。

他所を見てて、たまに思うのですが、

それって、ライブハウスのブッキングの人間が想像できる限界値を、バンドに押し付けてないか?と。

これ特に

自分もバンドをやってて(やっていたも含む)、ブッキングの仕事をしてるような、地方のライブハウスで働く兼任バンドマンブッキングの人

に多い。(ここでいう地方にはもちろん大阪もふくまれてます)

そういう人は無意識にだとは思いますが、自分のバンド活動からの経験則で仕事をしがち。

自分が経験した以上のことを、若手のバンドマンに教えてあげられない。

そうなってくると、自分の限界がそのままイコールでバンドの限界になってしまう。

幸運なことに僕は、このカラクリにはライブハウスで働きだして、すぐの段階で気づけたので、

とにかく、若い子の言うことを自分の感覚で頭ごなしで否定しない

っていうのを、めちゃくちゃ気をつけて仕事をしてました。

そういう理由で10年前だったら

こんなこと、絶対に言ってなかったと思います。

おい!おまえがメジャーデビューしたことないからって、こいつらがメジャーデビューできない!とか決めつけるなよ!

みたいな

当時はそんなことばかり思って、怒りながら仕事してた気がします。

完全に余談ですけど、そんな理由もあってぼくもメジャーデビューしときたかったとよく思います。一度でいいから。

経験したことだけが、後続に伝えられることだけではもちろんないし、仕事のすべてではありませんが

いまのぼくが何を言っても説得力ないからなぁ…とか。

やっぱり経験談として伝えるのが、わかりやすいんですよね。それが成功体験でも失敗体験であっても。

余談おわり

なので、こちらの前回の記事に関してなのですが

どちらかというと、若いバンドマンに向けてではなく、ある程度の年齢を重ねて

これから、どうバンドと生活の折り合いをつけていこうかな?と、悩んでいるような人に向けて書きました。

色んなやり方があるんだぜ?と。

もちろん、向こう見ずな若いバンドマンは、夢はでっかくもってもいい。

なんにしろ応援はしますんで。

という、前回の記事から派生した余談でした。

おそまつ

ありがたいことに周りでメジャーデビューするミュージシャンもたくさんいて、周りにはすごく恵まれたなかで仕事をさせてもらっています。

ぼくも仕事としては、そろそろ次のステップというのを考えていかないとダメなんだろうなと思ったりもします。

ライブハウスの人として何ができるのかな?と。

投げ銭、応援はいつだって受付中でございます。