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コミュラボ 第17回オフ会 島田由香さんと語る「心理的安全性とコミュニティ」

「コミュニティのインキュベーションの場」…それがコミュラボ。

コミュラボは熱量に応じて3層構造になっています。
1層目は自らコミュニティを作る人の集まり「ゼミ」。
2層目はコミュニティに参加したり、動かしたりする人の集まり「ラボのラボ」。
3層目はそれを見守る「チア」の皆さん。

2層目の「ラボのラボ」の月1回開催のオフ会が、引き続き盛り上がっています。
今回は第17回オフ会「心理的安全性とコミュニティ」(ゲスト島田由香さん)をお裾分けします!

島田由香さんとは

島田由香さん写真

公式の自己紹介は、次の通りです。が「いいの、こういうのは!」とおっしゃるざっくばらんな方です。

1996年慶応義塾大学卒業後、株式会社パソナ入社。2002年米国ニューヨーク州コロンビア大学大学院にて組織心理学修士取得、日本GE(ゼネラル・エレクトリック)にて人事マネジャーを経験。

2008年ユニリーバ入社後、R&D、マーケティング、営業のHRパートナー、リーダーシップ開発マネジャー、HRダイレクターを経て2013年4月取締役人事本部長就任。2014年4月に取締役人事総務本部長就任、現在に至る。

学生時代からモチベーションに関心を持ち、キャリアは一貫して人・組織にかかわる。米国NLP協会マスタープラクティショナー、マインドフルネスNLPトレーナー。高校1年生の息子を持つ一児の母親。

島田由香さんにゲストをお願いした2つの理由

①島田由香さんの生き方に共感したから
「ありのまま」…由香さんは「ありのまま」を、自分にとって何が大切かを理解し、自分の強みを無理なく発揮できる状態、と話されています。そのような状態を自分だけでなく、周りの人もそうあってこと「ダイバーシティ」となるとも、言われています。
このように自分を大切と相手を大切にする姿勢こそ、コミュニティ作りに、何より自分が生きる上で大切なので、ぜひ共有したいと思ったからです。

②島田由香さんの考える「コミュニティ」について伺ってみたかったから
お勤めのユニリーバの働き方から活動が拡大した「WAA!」や「YeeY」をはじめ、核となる複数のコミュニティから、Delivery Happinessや「うきは市」との話など、スピンオフ的な活動が続々生まれています。
そうした活動を、そもそもどう考えているのか?(コミュニティの考え方)、また、活動の際に気をつけていること、工夫していることなどについて、語り合ってみたいと思ったからです。

今宵のゴール!

コミュラボのオフ会は「ゴール」を設定しています。
今宵のゴールはこの3つです。
①なぜ自分を知りありのままでいることが大切なのか
②「心理的安全性」とその確保の仕方
③その苦労と乗り越え方

ゴールまでの3つのお題

向き合う島田由香さんのコピー

【第1話】島田由香さんとコミュニティ
①島田由香さんの考えるコミュニティとは
②島田由香さんならではの運営方法
【第2話】2020を生きる私たち
①2020の持つ意味
②そんな2020のBEINGのあり方
【第3話】そして心理的安全性
①そもそも心理的安全性とは?
②自分とコミュニティの心理的安全性の確保の仕方

【第1話】島田由香さんとコミュニティ

①島田由香さんの考えるコミュニティとは

WAAはツールに過ぎない。(WAAを通じて)「何を成し遂げたいのか?」ということがカギ。WAAの成功要因は、ビジョンからスタートしていること。

と仰っていたこと受け、まずは「コミュニティとは」と「ビジョンとは」という質問からスタート。

その答えは「コミュニティとは大きな方向性がつながる場」「ビジョンとは作りたい世界の図」とのこと。
合わせて「ビジョンは言葉にできなくてもいい。写真でも絵でもなんでもいいから「表現」しよう!」「パッションがあれば何だってできる!」「表現できないのは本気レベルが低いから!」という由香さんらしいコメント。

②島田由香さんならではの運営方法
由香さんのこうしたキャラクターを踏まえ、運営方法のコツについて聞いてみると「揉め事は、ほうっておく」とのこと。

過去の記事で「やりたいことをやる前に、一人ひとりが自分らしくいられるということをサポートしたい」と仰っていた点を深ぼってみると「来た人の強み、機会や刺激を考える」のこと。

■運営する自分のあり方
そして「自分が満たされていて、初めて他の人を満たせる」なので「遠慮、無理、我慢」は無用、でも「配慮、謙虚」は必要、とのコメントもあり。
この「自分が満たされていて…」のくだりでは、アダム・グラントの「GIVE & TAKE」の紹介もありました。

■コミュニケーションの取り方
昨年9月にWASEDA NEOで行われたイベント「組織づくりは“旗”を立てよ ~「心理的安全性」はいかに生まれるのか?~」で、「コミュニケーションは『むきつ』=むく・きく・つたえるが大切」とお話されていたことを、改めて聞いてみました。

まず言われたのが「生きるとは表現すること、表現されたら反応すること
反応がないと感情を感じていないのでは?と思う」とのひとこと。ここから、みんなの頷き方がより大きくなり、表情がより豊かになりました。

●向く
うまくやれている人がやってることを見て気づいたこと
意識を向けてない人は、心ここにあらず
話を聞く時は、相手にへそを向ける
●聴く
耳と目で「聴く」
聞くは「門」で「耳」を閉じている
問いかける、水を向けることが大事
●伝える
言ったと伝わったは違う
伝わったかどうかは、受け取った本人しかわからないので確認する

■ルールの設定と運用

「less rules, more principles」ルールは少なくてよくて、リテラシーが一人ひとりの中にあればルールなんか作らなくたってよい

コミュニティ運営に欠かせないのが「ルール」。でも、その内容と程度はいつも悩むもの。このあり方について過去にこのように仰っていたことを踏まえて伺ってみると「縛られるのは意味がないし、制度が目的は本末転倒」とビシッとコメント。

あわせて「『あると、より良くなること』を決めておく」「気分が悪くなることは事前に共有する。例えば、中身と外見が一致してないのはイヤ」とのアドバイス。加えて「何かを伝える時は『こうだと嬉しい』と表現する」と心がけておられることも教えていただきました。

また「陰口は言うのも言われるのイヤ。誰かのことを言うなら、その人に直接言う。言えないなら言わないし、陰では言わない」とのこと。確かにこんなことがあったら「心理的安全性」は確保できませんね。

【第2話】2020を生きる私たち

①2020の持つ意味
「この3年は変動の年!」と語ります。
「2018年は大どんでん返しの年。人生を畑とすると、作ってきた畑が何者かにひっくり返される、えーっ?!という感じ」
「2019年は、下のほうにあった栄養分が出てきた感じ。」
「2020年は、耕して準備してきた土地でチャレンジする年。この年にオリパラが日本で行われるのは必然!意識が世界からくる!」
とこの3年について解説。
「この2020年に日本にいるために生まれてきたようなもの。2万6千年に1回のチャンス!4月までに内側を整えて!」と鼓舞されます。

②そんな2020のBEINGのあり方
■“What is your life purpose?”

ユニリーバのキャリアディスカッションで最初にする質問は
“What is your life purpose?”
「あなたの人生の目的は何?」「何のために生きているの?」
これを何度も何度も考えて自分を知る、それこそ“旅”

由香さんとの会話で何度も出てくる「Purpose」。
コミュニティ運営でも、コミュニティ自身の「Purpose」をクリアーにしておく必要があります。そこで改めて「Purposeとは?」と聞いてみました。

すると「得意で好きなこと。苦手で嫌いはやらなくていい。」とのこと。合わせて、その人のあり方について「人は皆、素晴らしい。素が晴れている」
「いつも問いかける。何のために生きているの?使命とは命を使うこと」とまで言及。

そして、ラボメンバーが感動したひとことが、飛び出します。
パーパスが自分を見つけてくれる!!!

■リーダーシップ

人のことをリードする前に、自分で自分のことをリードできなければリーダーになれない
いろんなことをやってみて自分を知る、深める、見ることがリーダーシップの真髄

コミュニティオーガナイザー(幹事)の資質の一つに「リーダーシップ」があります。由香さんの今までの発言を辿ると「結局最後に行きつくところは
『自分を知る』『自分で自分を導く』ということ」。
これは第12回オフ会ゲストの伊藤羊一さんも仰っています。

そこで改めて「リーダーのあり方」についてお尋ねしたところ
「LEADERは6つの単語で成り立っている」との説明がありました。
1)Love
愛らしい、愛嬌
2)Energy
たたずんでいても満たされる
3)Authenticity
ありのまま、正真正銘、解離がない
4)Drive
進む、運転席に座る人、自分でハンドル握る
5)Enthusiasm
熱中、夢中
6)Respect
尊敬、そして感謝

■枠を外すと「ワクワク」になる!

ワクワクしている時その人が持っている能力や可能性が最大限に発揮される
もっともっと自分がそれこそハッピーになるとか、ワクワク、ニコニコしちゃうとか、そういうことだけやっていればいいと心から思う

由香さんと言えば「HAPINESS 」。自分の在り方を考える時に、これは外せません!
改めて「HAPINESS」とは?と尋ねたら、開口一番「継続的に幸福であること」とのこと。そして幸福の効果が続きました。
「主観的well-being が高い人は、低い人に比べて寿命が8年長い。」「運動で3年、タバコを吸わなくて7年、それぞれ寿命が伸びると言われている中で『well-being』の効果は、より高い!」「なぜそうなるかというと、免疫力が上がる、レジリエンスが高まる、社会的関係がよくなる、などが考えられる」…とのこと。

なので「自分は、どんな時にポジティブな感情を感じるか?」に敏感になろう!との呼びかけ。

そして「選択的注意を嬉しいことに!」「何が自分をハッピーにするかを知ってること「やりたくないことがあったら、その理由をはっきりさせておくこと」とのアドバイスも頂きました。

【第3話】そして心理的安全性

①そもそも心理的安全性とは?

チームメンバーがお互いにこのチームでは対人リスクをとっても大丈夫だと信じている状態(エイミー・エドモンドソン教授)

由香さん曰く、心理的安全性が確保された状態とは「ありのままでいられる状態」。だからまずは「自分を知ること」が大切。
その上で「何でも言える、聞いてもらえる。失敗しても大丈夫」という空気感が必要であり、それは「リーダーが作る」もの。だから、積極的にリーダーが自己開示することが求められます。

■あるのは「弱み」でなく「弱さ」
直前の週末に、福岡県うきは市のイベントで気づいたことがあるそうです。それは、人にあるのは「弱み」ではなく「弱さ」。開示すべきも「弱み」でなく「弱さ」と説きます。

人には「使っている強み」と「使っていない強み」があるだけ。弱みは存在しない。「弱さ」があるだけ。ダイエットすると決めてたのに、お酒のんじゃう、とはか「弱さ」。それがあるだけ。

由香さん曰く「失敗したらどうしよう?」と考えたことがない。「これから何しよう?」ということしか考えない。なぜなら「まだ起きてないことを案じる」ことに意味がないから、とのこと。このポジティブさが「HAPINESS」の源では??と改めて思いました。

②自分とコミュニティの心理的安全性の確保の仕方

「ありのまま」というのは自分にとって何が大切かを理解し、自分の強みを無理なく発揮できる状態のこと

自分じゃないものになろうとしていると不安を感じる。だから常に「Be yourself」であること。外に向けている意識を自分に向けること。自分であるために「呼吸」に意識することを勧めていました。

まとめ

質問は自分が考えたことをのないことを考えさせてくれるから、大好き!…と、どんな質問にも真摯に、そして明るく答えてくださいました。
そんなやりとりを、今回も守隨佑果さんが、素敵なグラレコにまとめてくださいましたので、合わせてお裾分けします!

改めて、島田由香さん、守隨さん、お越しくださったコミュラボの皆さん、ありがとうございました!
(文責:辻貴之)

グラレコ


【The Community Lab. #コミュラボ】 コミュラボは、コミュニティが生まれる・動く「きっかけ」の場所です。関心の度合いに応じて①ゼミ、②ラボのラボ、③チアの三層構造となっています。その活動をおすそわけします。