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平野真美 個展「変身物語 METAMORPHOSES」個展が始まりました。

お知らせ

平野真美 個展「変身物語 METAMORPHOSES」は、
緊急事態宣言発令を受け、以下の通り内容を一部変更し開催することとなりました。

【オープニングイベントについて】
 関連イベントとして初日に予定しておりましたアーティストトークならびにレセプションは中止させていただきます。アーティストトークにつきましては、作家による作品解説動画を本ページにて近日公開します。ぜひご視聴ください。

本展に関してその他に変更が生じた場合は、3331 Arts Chiyodaのお知らせページならびに各種SNSよりご案内させていただきます。事前にお確かめの上、ご来場ください。皆様方におかれましてはご迷惑をお掛けいたしますが、ご理解、ご了承のほど何卒宜しくお願い申し上げます。

概要

3331 ART FAIR 2020でレコメンドアーティストに選出された平野真美による個展「変身物語」を開催いたします。 平野真美は、骨格や皮膚、血管など生物の身体を構成するあらゆる部位を物理的に制作することで、実在しない空想上の生物や瀕死の生物などを人工的に再現し作品にしてきました。幼少の頃から周囲に様々な物語が溢れ、物語に登場する不思議な生き物との優しい関係を築いてきた平野は、大人になるにつれ、幼い頃信じていた架空の生き物たちが実際には存在しないと知り、制作を通して不在の生物の保存・再現を目指すようになります。本展では、5年程前に亡くなった平野の愛犬の遺骨を3Dスキャンし、繊細なガラスや陶器へと変容させ、新しい生を与えていきます。作品は作家の個人的な体験や感情から生み出されていきますが、現代のテクノロジーの力を得て、生と死という根源的なテーマに問いを投げかけているかのようです。わたし達が気づかぬうちに失った夢や希望・幻想を蘇生させる平野が紡ぎ出す「変身物語」を、ぜひご高覧ください。

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作家の言葉

5年間の闘病の末2015年に亡くなった愛犬の遺骨は、火葬の後に納骨せず、未だ実家の居間に置いてある。火葬の時、家族と触れたあの小さく美しい遺骨をもう一度見たいが、骨壷の中には辛くも幸せだったあの時間の空気が詰まっているようで、その蓋を開けることはできなかった。開けてしまえば、あの時間を失って二度と戻れないだろう。

私は2018年のある日、骨壷が入った骨箱ごとCTスキャンを撮ることにした。 スキャンデータを元に遺骨の3Dデータを作成し、3Dプリンタで出力する。出力した樹脂製の遺骨を型取りし、様々な素材に変身させる。例えば硝子に、例えば陶磁に。
その記憶も何もかも、死を境に失うものばかりだった死者に纏わる一切が、これを機に増幅していく。様々な素材に触れ美しさをそのままに変容する姿を見て、私は私自身の変化も受容できるように思えた。

現代の葬制は死を日常生活から遠ざけ、やがて死者は社会に実在しなくなった。
重い墓石のなか、骨壺のなかに覆い隠された死者を、私の葬法で繰り返し変身させ、私は死者を失わない。その変身の過程を見せる物語である。

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作家プロフィール

1989年 岐阜生まれ
2014年 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程先端藝術表現専攻修了
2018年 「アーティスト・イン・ミュージアム 平野真美Meets岐阜県立岐阜盲学校」、岐阜県立岐阜盲学校、岐阜
2018年 「アーティスト・イン・ミュージアム 平野真美Meets岐阜県立岐阜盲学校」、岐阜県美術館、岐阜
2018年 「2018年のフランケンシュタイン バイオアートにみる芸術と科学と社会のいま」、EYE OF GYRE、東京
2019年 「メディアコスモス新春美術館2019」、みんなの森 ぎふメディアコスモス、岐阜
2019年 「セカンド・フラッシュ」、岐阜県美術館、岐阜

推薦者の言葉

平野真美の作品は、いつも死と向き合い抗うことで、我々が今をいかに生きるのかを指し示してきた。
死にゆく愛犬を精巧に複製した代表作「保存と再現」(2014)が愛する者を現世に留めようとする「蘇生の儀式」であるのに対して、新作では、その「転生」が模索されている。
今や「死」は、効率的で幸福な生活を阻むものとして郊外に隔離されているが、本作において平野は「死」を美しく親しみのあるものとして増殖させる。
それは、損益に還元できない死者との関係性を、現代の都市生活に介入させることで、人間以外を含む他者の死に対して、私たちがいかに敬意を払えるのかを根源的に問いかける。

ー高橋洋介(金沢21世紀美術館キュレーター)
1985年東京都出身。金沢21世紀美術館キュレーター。東京藝術大学大学院美術研究科修了。「未来と芸術」展(2019-2020、森美術館)バイオアート作品解説および遺伝子組換え体生体展示法務担当。主な企画に「DeathLAB: 死を民主化せよ」(2018-2019、金沢21世紀美術館)、「2018年のフランケンシュタイン」(GYRE、2018)など。主な講演に「超人間中心主義のルネサンス」(東京大学、2015)など。共著に「SPECULATIONS 人間中心主義のデザインをこえて」(2019、BNN新社)など。専門は、ポストヒューマン美学および超人間中心主義の芸術。

開催情報

日程
2021年1月9日(土)〜2月22日(月)※会期が延長になりました

日程備考
●2/13(土)
15:00-16:00 クロージングトーク
「高橋洋介(金沢21世紀美術館 キュレーター)×平野真美(アーティスト)」
*無料 / 要予約 ( ▷ご予約はこちら

休廊
会期中無休

時間
11:00-19:00

時間備考
※最終日2月22日(月)は17:00まで

料金
無料

開催場所
3331 Arts Chiyoda 1F 3331 Gallery​


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