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生きている実感を感じられる、それこそが「農家」という職業

今回はポケットマルシェ代表 高橋 博之さんに担当頂いた、コンパクト農ライフ塾第7期第9講座『独自ファンコミュニティ形成』の紹介です。マーケティング発想での農業は、そのブランドのファンコミュニティをどう育てていくかが大きなテーマであり、一人ひとりのお客様との真摯に向き合い絆を大切に持ち続けることこそがファンコミュニティ形成〜拡大への近道。本講座では、そのポイントについて学んでいきます。

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生きている実感を感じたくてはじめた「歩くラジオ」

高橋さんが最初に受講生に投げかけた「人間とは何か?」「自然とは何か?」という問い。人に豊かさや癒しを与える良い面の自然と、時に地震や津波で人の命を奪う悪い自然の二つの面があるため、都市は徹底的に自然を排除するようにつくられてきました。高橋さん自身も、地元である岩手県花巻市に帰ることがコロナで厳しくなり、東京での人工物に囲まれた生活が徐々に苦しく感じるように…

そこではじめたのが、朝6時からの「歩くラジオ」。東京に自然はないが、自分自身が自然の一部なのだからと裸足で東京の街をオンラインで生産者や食農界隈の事業者と話ながら歩くように。当然、周りの通勤中ビジネスマンや保育園へ向かう親子からは白目で見られるが、生き物の立場にたって物事を見るようになったと言います。さらに裸足で歩くからこそ非常に注意深くなり、「生きている実感」を感じられるようになったそう。

高度経済成長期以降、お金や効率性を求めるあまり、人間が忘れつつある大切なこと。それを現代においても感じられる職業こそ「農家」であり、その中でも自然と共生しながらのコンパクトな農業は、今後社会を生き抜く道しるべとなると高橋さんは強くメッセージされていました。


「拡張家族」のような関係性の独自ファンコミュニティをつくる

そして何を買うにも膨大なデータに基づいたマーケティングと常に隣り合わせの現代において、「農業」という切り口でこの世界を生き抜く鍵が、”拡張家族”のような人と人との関係性にあると言います。例えばポケットマルシェで月400万売り上げたというとある愛媛のミカン農家さんは、予約商品として事前に販売していたみかんが悪天候で採れないという事態が発生。ですがユーザーに事情を説明すると、クレームなど一切言わずに受け入れたそうです。それは何故か?消費者⇋生産者という単純な関係性ではなく、お客さんと人と人との関係性でつながっていたからです。今後はそうした血縁関係はないが心で繋がっている拡張家族のような関係性をもっている人が持続可能に農業を続けていくポイントだと話されていました。

これから農業をはじめたい方や実際はじめようとされている方は、ぜひこの高橋さんがメッセージしている「拡張家族」のような関係性を大切に、独自のファンコミュニティを築いていって欲しいと思います。

高橋さんには、現在受講生募集中の第9期コンパクト農ライフ塾にも登壇頂きます。一度お話を聞いてみたいという方は、ぜひ第9期での受講をご検討ください。詳細はこちら

コンパクト農ライフ塾第9期


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