見出し画像

ほうれん草のこと

ほうれん草が冷蔵庫にあるなら、お湯でさっと湯がいておひたしにする。
鰹節とごまがよく働く、シンプルにつくれるところも魅力のひとつだ。

農家では今ほうれん草の出荷準備が行われている。状態があまりよくない葉は取り除いてグラムをはかる。(150gくらいが僕の農家では基本)計り終わったら、ポリ袋に入れるから、入れやすいようにビジネスマンの必需品であるファイルを用いてくるくると巻き、注ぎ入れるようにして袋に詰めていく。ほうれん草農家にとってもファイルは大活躍の相棒である。

さて、そうやってずっと葉を観察しているとこれがとても面白い。ほうれん草の葉はギザギザしていたり、丸っ子かったり、ハートのような形を魅せる時もある。多くのほうれん草がそれらの形が混ざったものでとても不思議に思えて調べてみた。

すると、ギザギザは元々日本古来のほうれん草の形で、中国から伝わったそうだ。しかしながら、べと病というかびのような病気が発生しやすくなった日本のほうれん草は、やがて西洋のほうれん草(こちらは丸っこい)と掛け合わせられて、病気に強い現在のほうれん草になったそうだ。

普段食べる野菜の多くは品種改良を重ね、私たちが食しやすい、人間中心的に作られているものがほとんどだ。それは先人たちの知恵の結晶であるし、否定したいとは思っていないが野菜にも歴史があることを知るのは面白い。だからこそ、原点に近い品種との味をくらべ、楽しむのもまたいいかもしれない。

日々を観察すると、謎というか、知らなかったことがそこには多く眠っている。そんな子たちを眠りから覚ましてやると、世界が少しだけ近くなったような感覚になる時がある。そんな瞬間が好きだったりする。

今日はほうれん草のことを。また何かわかったら投稿していきたい。

ほうれん草を使った料理の投稿なんていうのも腹が減ってくるからいいかもしれない。そんなことを考えながら、今日はここまで。

つづく

この記事が参加している募集

わたしの野菜づくり

自分のアップデートと隣の誰かを笑顔にさせるために使わせていただきます!