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声明文

【劇団と観客は不平等な関係にあるか?】
 このノートは、劇団なかゆび第9回公演「象徴の詩人;My Dad was God.」にまつわる創作の過程を公開していくものである。
 未完成稿の脚本、演出のアイデア、戯曲のモチーフといった普段ひた隠しにされている作品の骨子をオープンにし、誰であってもアクセス可能にする。これにより、観客と作り手の間で生まれる――作品に対する理解度や、前提となる知識の――不均衡を正せるのではないだろうか。
 劇団なかゆびの作品は、しばし「難解である」との感想を受ける。(もっとも、これは現代演劇を実践する多くのカンパニーに共通する ”悩み” かもしれないが)その評価が下る理由の一端に上述した不均衡があるのだとすれば、この試みによって「分からない」というだけの言葉は存在しなくなるはずだ。我々は、観客が一歩踏み込んで、「どう分からなかったのか」「何が難解だったのか」を記すことを、望んでいる。
 作り手と受け手の関係は不平等なのか? その不平等さは是正可能か?
 問いには答えが必要だ。答えを導くにはヒントが必要だ。
演劇は阿漕な商売だ。上演の日まで誰も作品を知らない(体験しない)。
それにもかかわらず、売らねばならない。
しかも表現主義的手法を採るのでは、作品がどんなものになるか、より一層わからない。
「中身は推論で導き出すことしかできませんが買ってください」
資本主義と相容れないというよりは、もはやこんな手口は淘汰されて然るべきものなのかもしれない。
実験だ。世界を面白くするための、実験なのだ、これは。
                          (演出・神田真直の稽古日誌より一部抜粋) 

 10月8日(月)夕方より、掲載の開始を予定しています。
 第一弾は、脚本第一稿の公開、および脚本家のコメントとなります。
 どうぞご期待ください。

◇公演情報
 Nakayubi.-9「象徴の詩人;My Dad was God」
【作・演出】神田真直
【キャスト】山根悠、柊木樹、神田真直
【日時】2018年11月23日(金)15:00/20:00
          24日(土)14:00/19:00
          25日(日)13:00
    ※受付開始、開場は開演の30分前です。
    ※上演時間は約60分を予定しています。
【チケット】前売:1,500円/当日:2,000円
【ご予約】チケットご予約はこちらから
【会場】人間座スタジオ(京都市左京区下鴨東高木町11)

◇劇団なかゆびとは
 2014年、同志社大学・第三劇場の神田真直を主宰として結成。『問いの同時代性』を主眼に創作に取り組み、古典戯曲から創作まで幅広い作品を上演する。
 2015年までの学内公演の後、2016年には京都学生演劇祭2016に参加し、「45分間」にて審査員特別賞を受賞。続く2017年の第二回全国学生演劇祭でも審査員賞を受賞する。同年には第二回大韓民国演劇祭in大邱に招聘され、初の海外公演を行う。

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