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不倫… 人は、どうせ独りぼっち

最小単位の社会は、独り。
人はね、独りでも生きていける。

独身時代という、独りの時間を過ごしていると、
いつの間にか、二人で過ごすようになった。

いつしかお互いを意識し、離れがたくなった時、
”結婚”を意識した。

”結婚”

結婚すると、赤の他人だった二人が,
当たり前のように同じ家で過ごし、
空間を共有するようになる。

社会的にも、法的にも、”二人で一人”とみなされ、
お互いを支え合い、助け合って生きていく。

けれど、それが全てではなくて、結婚し、
一緒に暮らしていても、”心は離れ離れ”
に、なることがある。

それが、”一人よりも寂しい孤独”

20年前、味わった経験。

妻に、好きな彼ができて不倫。

最後の1年間妻は、ほとんど家に帰って来なかった。

でも僕は、人を悲しませているわけではなかったし、
「どうせ、この人は他人だから」
そう思って、もう諦めた。

同時に、
”人を好きになることは、止められないんだな”
とも思った。

僕は妻に「離婚しても良い」と言ったが、
妻は応じなかった。
別れない方が、楽だったからかな。

妻本人も、何も言われないことで箍(タガ)が外れ
ほとんど家に帰らなくなった。

でも、自由に彼に逢いに行くことができるはずなのに、
日ごとに、やつれ、精神的に追い詰められていた。

その時思った。

「どうせ、人は独り。
人の心がわかるなんて幻想で、
結局、自分の心しかわからない」

いや、もしかしたら、自分の心さえ
わからないのかもしれない。

自由にしているはずの妻を見て、
とても不自由に見えたことを覚えている。

およそ二年間で、妻と彼氏の関係は破綻。

二人が、愛し合っていたと思っていたのは、
単なる幻想で、

”ただ愛されたい、日常から逃げたい”
妻と
”体を求めた”
独身だった彼。
二人の関係は、虚ろな心を持ったお互いの
単なる、利害の一致だったのかもしれない。

夫や子供を悲しませてまで、
愛し合ったはずの二人の
悲しい結末を目の当たりにして、
その時思った。

「所詮人は独りぼっち。
人は独りで生きていける。」

その時感じたこと。


あれから、20年たった今思う。

あの時の二人に足りなかった物は、
ただ、お互いの信頼と、わかり合う想い。
まわりを誰も悲しませることなく、
だからこそ、心から笑顔で過ごせる時間
だったのかな、って。

「確かに人は、独りでも生きていける。
でも、信頼し、確かにわかり合える。
そんな二人で過ごす時間はきっと、
何物にも代えがたい、充実した時と、
笑顔が溢れる日常を与えてくれる」
そう信じている。

いまだ独身でいるけれど、
命の火が消えるその瞬間まで、
誰かを愛したい。
そんな人を探し続けたい。
今までは、そう思っていた。

君と出逢うまでは。
いつか、再び逢える日まで。

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