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命の残り時間

職場の近くに、終末期の方のデイケア・デイサービス
がある。
以前書いた記事”人が死ぬその瞬間に
にも、だした施設。

終末期とは、老衰や疾病、障害などの進行によって、あらゆる医療がすでに効果的でなく、余命が数ヶ月以内と判断された後の時期を指します。
その終末期に行われる医療が、すなわち終末期医療、ターミナルケアです。

出典:学研ココファン

そう、”命の限り”を知った人と、その家族のための施設。

毎日そこの前を通る。
職員さんは皆明るく、目に”送る覚悟”が見える。

その施設の前に喫煙所があり、入所している方が、
煙草を吸っている。

「余命を知るとは、どんな気持ちなのだろう」

その人の背中を見る。
自分と比較しても、特に大差なく
普通のお年寄りの男性。

ただ、その横顔は、妙に白けていて、
生気が感じられない。

ゆったりと煙草をくゆらす仕草は、
あたかも、人生のすべてを悟ったかのよう。

実際、余命を知っているわけだから、
”人生を悟っている”のは、当然かもしれない。

そんな人達にいつも聞きたくなることがある。

「自分の人生に、後悔をしていますか?」


今、自分の人生を振り返り、確かに山あり、谷あり、
ドラマの一つや二つは書けそうな人生だけど、
「後悔していないか?」
そう聞かれたら、きっと悩む。

理想的な答えは「後悔してない」

でも、実際は後悔していないなんて、
言えるはずはない。

子供ができて結婚、離婚、会社の倒産。
細かなことは、まだまだあるけれど、
そのどれも、少なからず「後悔」はある。

強いて言えば、「子供」だけは後悔がないかな。

”後悔するような状況ばかりだったけど、
それを、後悔しないように努力して、
乗り越えてきた”

それが、半世紀生きてきた正しい答え。

残りの人生はおそらく、長くて20数年。

人生の残りが、数ヶ月から数年だったとしても、
やることは同じ。

これから”やり残しや後悔”を感じないように、
毎日、毎時間、精一杯やり切ることを目標に、
生きることができたらきっと、
命の火が消えるまさにその瞬間に、
笑顔で別れを告げられると思う。

”余命”をつねに心に置いて、今この瞬間から、
”やり切る事”を目標に、”生きる”を大切にしたい。

生気のない顔をしたおじいさんの、
心からの笑顔が、見られたらいいな、
そう思いながら、横を通り過ぎた時に
感じたこと。


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