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「いつまでに終わる?」と聞かれたら確率で答える

上司や同僚、部下から「この仕事っていつまでに終わりますか?」と聞かれた際に、どう答えればよいかを考えてみた。

結論として「80%で3日後までに終わります。10%で2日後、10%で5日後になりそうですね」というように確率で答えたら良さそうだと思う。

背景事情の説明

誰かに仕事を依頼するとき、あるいは依頼されたときに「どのくらいで終わるか」を聞かれたり聞いたりする。

今までの私は次のような思考過程だった。

  1. 仕事のボリュームを過去の経験から見積もる

  2. 過去の経験を並べてみた中央値を自分の中で設定する

  3. その中央値にバッファを付ける

これらをさっと考えて「3日後です」と答えていた。ただ、この「3日」という値は正確ではないから、当然間に合わない場合もある。

この間に合わない場合を上手に伝える方法がないか考えていた。

仕事が終わるかどうかは確率

どんな仕事も正確な見積もりができれば良いのだが、それは難しい。簡単な例で買い物を頼まれたとしよう。

「牛乳買ってきてほしいんだけど、いつまでに終わるかな?」
「ええと・・・・・・30分くらいですかね」

この30分は次のような見積もりで算出されている。

現在地から最寄りのスーパーまで徒歩10分。そのため往復20分かかる。
スーパーで牛乳を探してレジで会計をするのに5分。バッファで5分。

さて、ほとんどの場合はうまくいく。ただレジが混雑していたり、信号で待ちで時間がかかる場合もある。そういう予想外をバッファで受け止められればよいが、足りない時も出てくる。

ここで確率を入れてみる。

現在地から最寄りのスーパーまで歩く時間
 >10分の確率:90%
 >15分の確率:10%

スーパーで牛乳を探してレジで会計する時間
 >5分の確率:90%
 >10分の確率:10%

こんなふうに見積もると「どれくらいで終わる?」にも確率で答えられる。

一番早いのは10分で行き、5分で会計し、10分で戻るだ。これはすべて90%の確率だから下のようになる。

$${0.9 \times 0.9 \times0.9 \times 100 = 72.9}$$(%)

次に最も遅いのは15分で行き、10分で会計し、15分で戻るだ。これはすべて10%の確率だから同じように計算して下記になる。

$${0.1 \times 0.1 \times0.1 \times 100 = 0.1}$$(%)

すべてのパターンを網羅した表を作ってみる。

買い物にかかる時間

最終的に「いつまでに終わる?」の回答は「買い物は72.9%の確率で25分、24.3%の確率で30分、2.7%の確率で35分、0.1%の確率で40分かかります」となる。

現実的につかう場合

とはいえ、上記のようなことを実施するには時間がかかる。それに聞いた人は細かい確率は望んでいないだろう。

なので楽観、通常、悲観の3つを作ることをオススメする。

楽観:もっともうまくいく場合の確率
通常:楽観と悲観の平均値
悲観:もっとも悪い方向にいく場合の確率

上で書いた買い物の例で言えば、楽観は25分、悲観は40分だ。なので通常だと25分と40分の間で32分30秒となる。

これで「いつまでに終わる?」の回答を作ると
「約30分くらいで帰ってこれそうですが、信号とかレジ待ちで最悪40分くらいになるかもしれないですね」と答えられる。


日常の仕事で使えるかはわからないが、タスクの期限を点ではなく幅のある線で考えると、ゆとりが生まれて働きやすくなるのかもしれない。


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