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暑い中バスを待っている

暑い中バスを待っていた。

平日の夕方で東京駅行きのバスだ。
明日も仕事があって早く帰りたいのに、30分も待っている。次のバスは18時5分で、あと10分の辛抱だ。

10分経ったがバスは来ない。

私の後ろには数人の乗客が列を作っていた。
スマホを見て、時々道路の彼方を見る。

もう10分経つ頃にはイライラし始める。
こんな暑い日で喉は渇き、蚊にも刺された。

ここにいるのは納期が迫ったプロジェクトに追われているからだ。
顧客のために手を打っているが進まない。うまくいかない。現場からの帰り際にも状況を説明した。彼はプロジェクトの状況に少し苛立っているようだった。

ふとスマホの画面を見ると、顧客の顔が現れる。苛立ち、どうにかしろとせっつく顔がある。私だ。

私も同じことを思っていた。
たった10数分遅れているだけで、こんな気持になる。

数億円のプロジェクトが1ヶ月遅れるかもしれないという状況なら、苛つきもするだろう。


定刻から20分遅れてバスは到着した。
車内に入るとクーラーが頭を冷やしてくれた。先程までの不快感は流れ落ちていった。


結局のところ、仕事というものは完璧ではなく完成させることが大切なのかもしれない。

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