遺書その6~アラート~
鬱は、見た目では分からない。
どこかが痛いわけではない。でも動けない。
頭の中がぐしゃぐしゃってなって、見えるものすべてがチカチカする時もあれば、聞こえる音すべてが耳の中に入ってきて小さな音すらうるさく感じることもあるし、見えるものすべてが邪魔に見えて普段気にならない物にすべての思考をもっていかれる時もあるし、見える人すべてが私を馬鹿にしているようで死にたくなるような時もある。
でも、それはすべて、自分の脳内で起こっていることなので、他の人から見たら、普段の私と何の変化もない。
「ちょっと顔色悪そうね」とか「ちょっとイライラしてるね」ぐらいには気付いてもらえるかもしれないが、こっちは何にも手につかなかったり、目に見えるもの耳に入るもので頭がおかしくなっていることに気付いてもらえない。
鬱々としている時にはネガティブになっているから「きっとたいしたことないことで大袈裟な」とか「は?そのぐらいで?」みたいに思われているんだろうな・・・とどんどん思い込んでどんどん鬱々としていく負のループ。
ループはぐるぐる回って何もできない身体が動かない私なんか必要ない死にたい
とどんどん大きくなっていく。
今もやっているのか知らないけれど、コロナウイルスが何人を越えたら東京アラートと称して、都庁をライトアップさせていた。
私は、自分の鬱状態を他人に知らせるために、今日はポジティブ!何でもできそう!って時は、いつも通りで良いんだけど、今日は無理!脳みそがぐちゃぐちゃって時には全身が赤。ちょっと少し休んで一息つけば何か1つぐらいはできそう、みたいな時には全身がピンク、みたいな赤の濃さ具合で、その人の鬱状態が何パーセントぐらいなのか分かるような、そんな身体になって欲しい。
傍目には分からないけど、私は苦しい。そして、それを誰かに伝えるのは心苦しい。でも、誰かには分かって欲しい。
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