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履歴書その5~割り箸くじ~

3回目の鬱による休職。もう教師を諦めなければいけないかもしれないし、ある日自殺しているかもしれないし、教師としての私の話を誰かにしておこうと思うけど、話し相手もいないのでここに書こうと思う。

昔々のこと。

私は3年生→4年生とクラスを持ち上がって担任していた。

無力な私は授業中、

「この時○○はどう思ったと思う?」

と手を挙げながら児童の挙手を促し、手を挙げてくれた子の発言を

「そうだね~」「なるほどね~」

などその子ではなく黒板に相槌を打ちながら、必死でチョークを動かしていた。

それって、手を挙げてくれる子供と私のやりとりがあるだけで、他の子はぼーっとしてたって授業は進む。(そしてそれは、大人の研修でも同じ。講師の先生に当てられたくない私は、誰かかが発言してくれるのを願いながらずっと黙って下を向いているのです。)

これではいけないな、と私は何かの本で読んだのか、割り箸をクラスの子供の人数分用意し、端っこに出席番号を書き、サイズがちょうど良く、ほどよく丈夫でもあったプリングルスの缶に割り箸くじを入れました。

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「誰に当たるか分からないよ」

と、子供たちをちょっと脅し、それでも発言タイムの前には必ず班の友達と意見交換をする機会を作って、

「分からない、思いつかない人は、班の人の良いなと思った意見でもいいからね」

と自分が分からなくても他の子の意見が言えれば大丈夫、という安心感をもたせ、

割り箸をぐるぐると回して1本引く。

「はい、12番!」

こうして、出席番号12番の人が発言をする。この流れを何回か繰り返し、その後「今まで出た意見と違う考えがある人?」と発言したい児童の発言を拾っていく、というように割り箸くじを活用していました。

そんな割り箸くじでしたが、使っていくうちに、様々な活用法が生まれました。


席替えの時には(私は基本、学習面やリーダーシップなどのバランスを考えながら、私自身が席を決めていましたが、学期末の席替えはくじ引きにしていました)黒板に席の番号を書き、

「じゃあ視力が悪くて前の席がいい人?」

と、先に前の席を希望する人に、例えば1番前の列が8個あるとしたら「1~8」のくじを引かせて、余ったくじは、9~のくじの中に混ぜ、順番に割り箸くじを引く。

「先生がいいよ、って言うまで見ないでね」

とか言っておいて、「見ていいよ」と言った後、

「1番?○○さん」「2番?○○さん」と書いていくと、盛り上がりました。


また、例えば給食のおかわりで個数ものが余っている時。

別に「おかわりじゃんけん」で良いのですが、私は割り箸くじを使って、

「数が大きい人から好きなのを選べます!」

と言って、希望者に割り箸くじを引かせる。

そして例えば30人学級だとしたら

「30・・・29・・・28、あ、28?はい、好きなの選んでね!・・・27・・・26?はい、どうぞ~」

みたいなことをやっていました。

大食いが自慢の、毎日おかわりに命を懸けているような子が

「おれ1だった~!」

とクラスのみんなに言うと爆笑が起きたりして、なかなかほほえましいツールでした。


そんな過去。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

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