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かつてTENSAIだった俺達へ①

お久しぶりです。ローリーです。
転機与砲アナザー公演『TENSAI』が無事に終演を迎えました。
ご来場いただいた皆様、応援して下さった方々、別の場所で頑張ってるあなた、本当に有難うございます。

短編5本+幕間のオムニバスで、ローリーが『鬼巡り』という時代モノ。
作・演出・出演という贅沢セット(≒デカ盛りバカ定食)を選択し、当たり前ですがクソしんどかったです。

そんなTENSAIの振り返り、作品が出来上がるまでを何記事かに分けてやっていこうと思います。
打ち切りにならないといいね。がんばれやる気編集部。

※このnote書いてる途中で、観劇に来てくれた人にしか分からん内容になるのもなんかなぁと思ったので脚本を公開することにしました。

鬼巡りの誕生

2019年に『一口弁当』という一人芝居を作りました。その流れで、一人芝居で殺陣を出来ないか?と考えていたのが原案になっています。
この時は単純な「鬼退治したら鬼になっちゃう」だけの話でした。

時は流れ今年1月くらい。オムニバス公演やりてぇから短編書いてこいや、ということでほったらかしていたこの話を書くことに。
ただし、オムニバス5作品中3作品はほぼ間違いなくコメディタッチ。1作品は完全に予測不可能。
この状況でシリアスな一人芝居…?
いや無理無理無理!心がもたない!!
なので役者を3人くらいにしましょう。
そんでめちゃシリアスでかっこいい芝居をやろう。
そんな気持ちで書き始めたのを覚えています。

さて、ちょうどこの頃、僕は最高にカッコいいと思える作品に出会い、それはもうハマりにハマっておりました。

神田伯山による講談『畦倉重四郎』
これにもうたまらなく夢中だった僕は、少なからぬ影響を受けることになります。
随所にわかりやすく現れているので暇な人は比べてみてください。
というか単純に面白いのでみんなに見て欲しい。

そうして脚本に「とんでもない悪党」「いっぱい殺す」などの要素が組み込まれていきました。「他の人間になりすます」とかも無自覚だったけどそうですね。
さて、こうして書き始めた鬼巡りですが、大きな問題にぶつかることになります。

終わらぬ原稿、迫る〆切

2月の終わりに差し掛かり、脚本の〆切がやってきました。もちろん書き上がってなんかいません。
3幕の冒頭、獄卒が名乗ったあたりまでぐらいしか書けてなかったと思います。構成としてはちょうど50%くらいでしょうか。
それでもまぁ、読み合わせしてみようかということに。結果。

16分。

今回書くのは20分の短編。
書けているのは書きたい事の50%くらいの量。
長い。長すぎる。あと4分しかない。
殺陣の時間無視してこれ。修羅丸喋りすぎ。〆切近い。
好きだけど必要ないセリフを泣く泣く削り(それでも修羅丸はいっぱい喋る)、その後の展開を変更、省略、簡略化。
書いては戻り、進んでは直し。
〆切を2、3週間くらい?過ぎてようやく完成したのです。


上演時間27分の作品が!


全てをぶっちぎって生まれた鬼巡り。
次回は本の中身の事を書こうと思います。

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