甥っ子と甲子園に行った話(当日編)
こちらが前日までのお話です。
当日早朝、私は新幹線のホームで球児くんと水島さんと合流しました。
2人はそこまで一緒に来ており、球児くんは早速自分で新幹線のこどもチケットを購入したとのことで、水島さんが感心しておりました。
これは、私と母である妹との中で、話していたことでした。
できるだけたくさんの、小さな「初めて自分でやる」を経験させたかったのです。
水島さんの力も借りて、ミッションをクリアしたようでした。
新幹線には慣れている球児くんは、ここでははしゃぐことはありませんでした。ただ母手作りのおにぎりを頬張り、車窓から見える景色を眺めていました。
乗り継ぎも非常にスムーズにいき、甲子園駅へ向かう阪神電車に乗ることができました。
さすがの球児くんも、この頃には、両側の車窓をきょろきょろ見ていました。
そして、私も同じくらいきょろきょろしていました。(動きがシンクロしていてびっくり)
そして、甲子園駅で下車。
車両出口からまっすぐ改札と、その先に見える甲子園球場。
3人ともテンションが上がります。
球場に近づくと、すでに試合が始まっており、歓声と金属バットの音が聞こえる。一通り写真に収めると、はやる気持ちを抑えつつ、チケットを取り出して球場内へ。
今回予約した席は、中央指定席中段。(これも球児くんが決めました)
バックネット裏というやつです。
室内通路からチケットを見せて客席出入口から外に出ると、広がる景色。
うわぁ。
芝が青い。空が広い。
アルプスから応援歌、管楽器の音がする。
金属バットの音が聞こえて、歓声が響く。
球児くんも隣で、その景色をじっと見ていました。
(もっとはしゃぐかと思ってましたが、案外表情には出さず、スンとしてました)
水島さんも久しぶりにきたとあって、興奮ぎみです。
すぐに席に座り、観戦し始めました。
私は実況を聴きながら観戦するのでラジオを取り出し、水島さんはビールを飲み始め、球児くんはしゃべる選手名鑑のごとく、説明してくれました。
(ラジオの解説と同じ説明を球児くんがするので、途中からラジオはやめて隣の生解説を聴くことにしました)
3人とも野球が好きなので、話は弾みます。
「バント処理うまいね」
「外野下がったね」
「この1点は大きいね!」
「風向き変わってフライが押し戻されるね」
「あの選手は前の試合でホームラン打ってるよ」
「リリーフが良い流れをつくったね」
「あの選手、肩がいいから、ランナーがホームに突っ込まなくなったね」
いくらでも話せます。
特に、ピッチャーの球数制限は新しい制度なので、そういう情報は球児くんが大人二人に教えてくれました。
球児くんのメインイベントは3試合目の東邦ー報徳学園でした。
解説しながら、ずーっと東邦の応援歌を歌いながら応援していました。
球児くんの母が言うには、お風呂でもずっと歌っているそうです。
試合はタイブレークの末に敗れてしまいましたが、観客の歓声、悲鳴、アルプスからナインに直接話しかける控え選手の叫び声まではっきりと聞こえて、現地でしか味わえない臨場感でした。
この日は、1点差ゲームが3試合あるという、白熱した試合が多かったので、3人で「いい日に来たね」と話したりしました。
結局、私たちは第四試合の4回まで観て球場を出ました。
9時半に到着して、17時頃まで観戦したことになります。
例えて言うなら、映画館で映画を3本観るようなものでしょうか。
でも誰も疲れていません。思ったより寒かったくらいです。
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帰りにグッズショップに寄りました。
球児くんは、ここで自分のお土産にキーホルダーを、家族には人数分の甲子園カレーを、ママには特別にライン引き型の修正テープを買いました。
甲子園カレーは、水島さんが辛口を食べて結構辛いと言っていたので、中辛をチョイス。「パパは中辛、ママは甘口」とちゃんと親の好みまで把握していました。素晴らしい!
ママに買ったライン引き型の修正テープは、買おうか迷っていました。
「ママ、喜ぶかなー」と言いながら会計に行ってました。
(実は、ママはその修正テープがかわいくて欲しかったようで、渡したときのママが喜ぶ姿を見て、球児くんもニヤッとしたそうです)
私は、叔母ですから、せっかく甥っ子と来た旅行で、何か買ってあげようかとも思いましたが、やめました。
一生懸命、自分の買える範囲内でお土産を考えている姿をみたら、その必要はないのかなと思い直したのです。
私が彼にあげたかったものは、モノではなく、この旅行での経験だったからです。
会計に一人で行き、リュックからお財布を出してお金を出す姿を、少し遠くから水島さんと眺めていました。
水島さんがぽつりと
「あぁやって、大きくなっていくんだなー」
と感慨深そうに言ってました。
水島さんにとって、球児くんが初孫なので、余計に思うところがあるのかもしれません。
帰りの電車、球児くんは
「パパとママに話したいこといっぱいあるから、早く帰りたい。僕、二人がいない旅行は初めてだったし」と張り切っていました。
私はひとり、「なんて素敵なこと言うんだろ。それ聞いたら、パパとママ泣くかもなー」と微笑ましく見ていました。
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帰宅後、妹からお礼の連絡がありました。
「球児の旅行に付き合ってくれて、ありがとう」と言われましたが、全く付き合って行った感じではなく、ただひたすら3人で高校野球を楽しんできただけのことでした。
そして、「球児、めっちゃ喋る笑」と言っていたので、その日一日で感じたことを目一杯話しているんだろうなと想像して、ほっこりしました。
私も、生まれた時から知っている球児くんのバキバキに成長する姿や、何かを初めてやる姿を見られて、本当に嬉しかったです。
叔母冥利につきます。
それについては、また次のnoteに書こうと思います。
ちなみに…
家に帰るとポストに私宛に手紙が届いていました。
差出人は、球児くんの2つ下の妹、姪っ子(小3)からでした。
「春休み遊べたらいっしょに遊ぼうね」
これはまた、計画を立てなきゃですね。
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