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戦争をなくすために | SDGs歴史編 〜 旧約聖書から近世まで 〜

SDGsについて、多くの方は前モデルである国連で提唱されたMDGsの後継モデルと理解しており、学校でもそのように教えられているかと思います。しかし、人と自然の関わり方の歴史について知れば、SDGsはさらに深く理解することができます。

■ 旧約聖書の中で説かれた人間と自然の関係性

自然と人間の関係性は、歴史を通じてさまざまな文化的、宗教的背景によって形成されてきた。特に、西洋文化においては、旧約聖書がこの関係性の理解において基礎を築いたと言える。

旧約聖書における原生自然の利用に関する記述は、時として人間が原生自然を支配し、利用することを許されていると解釈されることがある。特に、創世記1章28節が引用されることが多い。この節では、神が人間に対して「地を従えよ」と言い、「海の魚、空の鳥、地上のすべての生き物を支配する」ことを命じている。この「地を従えよ」という表現は、人間が自然界を管理し、利用する権限を与えられていると解釈される根拠の一つである。楽園が安全で、進歩的で、幸福なものであるとは対極的に、原生自然は悪としてみなされていた。この思想の由来は中世ヨーロッパでは、原生自然は、魔物がすみ、人が生きていけきない、呪われた土地との認識から来ている。

その一方で、キリスト教の影響を受けることのなかった東洋では、西洋とは異なる自然観を形成していた。仏教、ヒンズー教、ジャナイ教では、西洋文化よりも1000年以上早くから、原生自然を畏敬の対象とし数多く芸術作品を残してることが示唆していたように原生自然は神の象徴、もしくは神そのものとして崇拝されていた。

■ 人間の自然支配と開発を正当化したマニフェスト・デスティニーの思想

原生自然に対する支配の考えは、大航海時代を経て、そしてマニフェスト・デスティニーの思想によって更に推し進められた。この思想は、アメリカ合衆国が神に定められた運命として北米大陸を西海岸まで拡張することを正当化した思想である。原生自然を未開の領域と見なし、その支配と開発を正当化する。アメリカの開拓者にとって原生自然は彼らの克服対象であり、開拓こそが正義であった。自然は利用可能な資源の宝庫と見なされ、土地の開墾、鉱山の開発、鉄道の敷設といった活動により、自然の経済的価値を最大化することが目指された。今日においてもアメリカの精神性には、このフロンティアスピリットが根強く残っている。

しかし、マニフェスト・デスティニーの下での原生自然との向き合い方は、先住民の土地の奪取、文化と生活の破壊、そして環境破壊など、数多くの負の側面をもたらした。自然を征服し、資源を搾取するこの思想は、環境破壊を加速させた。これは、後に自然保護運動の発展に繋がる一因ともなり、自然保護の重要性を提唱する人物たちが現れる背景になった。

つづく…

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