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お店の役割、僕の役割

「なんか今日は疲れちゃいまして」

常連さんとの話。

疲れてるのに来てくれる。

いや、疲れてるから来てくれたのか。

「何か気分転換、贅沢というか元気の出る事をしようかと思いまして」

そんな事を言ってたので、色々と提案。

最終的に、近所のスーパーで良い肉を買って食べるに落ち着いた。

ちょっとの贅沢がその日を乗り越える活力になる。

もしかしたら、この子はうちに来てなかったら沈んだまま一日を終えていたかもしれない。

そんな一日の終え方をしたら、翌日の始まりも気分は良くないだろう。

負のループは大抵こんな事から始まり、気づいたらなかなか抜け出せなくなる。

分かる人には分かるんじゃないかな。

この負のループからの脱出の手助けがお店の役割。

最初はそんなに難しくない。

うちに来るのが特別だったりするから。

日常の延長線上に無い事をする。

美味しいカフェラテが飲める。

これだけで少しの活力が湧く。

ただ、通っていると慣れてくる。

うちに来るのが当たり前になり、カフェラテの味も普通になり。

すると来るだけでは抜け出せなくなる。

はい、ここで僕の出番、僕の役割。

毎日お店に立っている意味が出来る。

具体的で的確なアドバイスは出来ないけど、話を聞いて、くだらない事を話し、送り出す事は出来る。

それだけで抜け出せる人もいれば、次の行動に移す事が出来る人もいる。

いつでも飲めて、いつもと同じ人がいる。

これに魅力を感じる人はそう多くない。

店員に何かを求める事のほうが少ないだろう。

可愛い女性スタッフとか、若いイケメンを雇ってくれとか思ってる人もいそうだな。

うるさいわ。

でも、数じゃない。

沢山いたら疲れちゃうし。

良い肉を買って食べる。

そんな事でいいの?って思う人もいるんだろうけど、それでいいんだよね。

誰しもが考える贅沢や気分転換。

そんな平均の答えを聞く為に、疲れた体を引きずってまでうちに寄ろうとは思わない。

検索で出てくる答えなんていらないもんな。

通ってくれてるから分かる事がある。言える事がある。

負のループにならなかったか。

次に会った時に聞いてみよう。


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